「さすが五十鈴大智」をキーワードに『仮面ライダーギーツ』の妄想をする日。

お疲れ様です。世間の流行についていけない井の中の蛙っす。

ちょっと真面目な記事を書いていたのですが、仕事/プライベート共にバタバタして疲れてきたので、ネタ記事を書きたくなりました。
なので今回は『仮面ライダーギーツ』における超魅力的な敵(かたき)役、“五十鈴大智”を褒め称える記事となります。
ちょうど(?)格好良いPVも公開されたことですしね。

最新42話までのネタバレを含みますので、ご注意ください。
また、キーワードはさすが五十鈴大智で進めます。

I.乖離編-言ってもわからぬ馬鹿ばかり

五十鈴大智の登場は乖離編から。乖離編よりもデザスター編と言ったほうが通りが良いかもしれません。

身体能力に優れた我那覇冴に対し、頭脳に優れた五十鈴大智といった構図で登場し、あの浮世英寿に強敵だと言わしめました。
デザイアグランプリで頭脳が優れていても、ジャマトの暴力の前には勝てないのでは? なんて疑問もありましたが、乖離編は上述の通りデザスター編、すなわち疑似人狼ゲームでもある為に、その頭脳に期待がかかりました。

五十鈴大智は見事に期待に応え、その頭脳を活かして暗躍しました。しかし、最初にターゲットにした相手が悪かった。

ここでデザスターの説明。
デザスターは"最後まで正体がバレずに生き残ればデザ神の権利を奪い取れる役"というもので、人狼における狐に近しい役割です。
しかし、"デザ神になる"ではなく、"デザ神を奪い取れる"であることから、ひとりだけ生き残っても意味がなさそうではあります。
狐みたいに"どちらかの陣営の勝利が確定"が勝利条件ではなく、あくまで村人の勝利が必須みたいな感じ。
※この辺りちょっとぼかされてる印象がありますが、少なくとも各ゲームクリア時にデザスターが生き残っていなければならないのは確か。狐のように噛まれても(=ジャマトにやられても)生存するわけではない

つまり、デザスターは運営からのミッションをクリアしなければならない制約がついた以外は、他のライダーと同じ条件なんですよね。なんだったら他ライダーよりも積極的にゲームクリアを狙ったほうが良い
別にデザスター自身がトップ通過してデザ神になっちゃ駄目ってルールは設けられていないからです。

恐らく積極的にゲームクリアを狙うデザスターと、デザスターを生き残らせたままゲームクリアを目指すのはどうなんだという他ライダーの葛藤から、自分たちでゲームクリアの難易度を上げてしまう愚かな現地人って構造が、チラミの狙いなんでしょう。

五十鈴大智はその構造に気づいたに違いありません。気づいた上で、足を引っ張る桜井景和をデザスターじゃないかと告発します。
前述の通り、デザスターは積極的に足を引っ張る必要はありません。ミッションの関係で足を引っ張らなければならなくとも、ミスを装うのが定石でしょう。

つまり、ここでの五十鈴大智の疑いは本心からの疑いではなく、他のライダーに「積極的に足を引っ張るデザスターなんているわけない」と反論させることで、「ならデザスターでも無いのに足を引っ張るライダーは余計に邪魔だ」と言い返し、ライバルを減らす戦略だったと思われます。
周りは自分で桜井景和が足を引っ張っていると認めてしまった状態になるので、脱落に反対しづらくなる。
デザスターだなんだと言っても、そもそも、ゲームクリアができなければデザ神も何もあったもんじゃあない。有害な味方は早々に排除したい思いは、別に頭脳明晰でなくとも考えてしまうはず。
さすが五十鈴大智。なんという冷静で的確な判断力なんだ!!

しかし、思った以上に周りが愚かでした。上述の積極的に足を引っ張るデザスターの存在なる、あり得ないはずの話を信じてしまったのです。五十鈴大智は苦虫を噛み潰しに違いありません。

結果、有害な味方を排除する考えは共有できず、怪しいデザスター候補に投票する空気を変えることはできず。積極的に味方を脱落させようとする五十鈴大智こそが怪しいとして、脱落となってしまいました。

繰り返しますが、デザスターは他ライダーを減らさないほうがチャンスが増えるので有利になるんですが、その考えは五十鈴大智しか思いつかなかったようです。
※鞍馬祢音は気づいていた可能性が非常に高いですが、言い出すメリット/黙っているメリットを天秤にかけた可能性が高い。

結果。乖離編での五十鈴大智は、頭脳を活かそうとしたものの、馬鹿によって自分の作戦を狂わされて負けるといったムーヴになってしまいました。しかもリアリティショー番組って明かされた上でです。赤っ恥。そりゃあ桜井景和を恨むよ。

II.慟哭編-カルネアデスの板

そんな赤っ恥五十鈴大智がまさかの再登場。
ベロバ陣営の参謀として参戦し、チラミからヴィジョンドライバーを奪い取る活躍を見せつけました。

しかもこのヴィジョンドライバー奪い取りムーヴには、ある面白い可能性が潜んでいます。ベロバにはIDコアを横流しした運営側の協力人物がいるのですが、この人物がチラミだと仮定した場合、五十鈴大智の作戦が無意味と化す可能性です。

チラミは、ベロバがヴィジョンドライバーの指紋認証を突破したいタイミングで何故か都合良く(都合悪く)単独出撃しており、その様子はまるでベロバに指紋を提供しに来たようにも映ります。
このことから私は結構チラミとベロバは繋がっていた可能性を推しているのですが、その仮定の下だとと五十鈴大智の兵糧責め作戦って不要/無意味なんですよね。
別にジャマトがいる状態で、ラスボスはグレアだってゲームを開催しても良いんですから。しかし、現実には五十鈴大智の兵糧責め作戦は実行/評価されております。

そのことから何が分かるか?

所属した陣営に勝利をもたらす頭脳明晰な五十鈴大智orエンターテインメントの為ならアウトローとも協力するチラミ

制作陣がこのふたりを天秤にかけた結果、五十鈴大智のイメージを優先させることに確定したという事実です。チラミはヴィジョンドライバーを奪われた上に謎に指紋まで提供した愚か者。IDコアの横流し犯人は最後まで分からずな展開になっております。

現実にも愛された男、五十鈴大智が誕生した瞬間と言っても過言ではないでしょう。さすが五十鈴大智。

III.慟哭編-上手い嘘のつき方を知っとるか?

五十鈴大智の活躍はヴィジョンドライバー奪い取りに留まりません。

闘牛ゲームでの「勝負は引き分けってところか……」の一言でゲームの負けを帳消しにした(※)のは有名ですが、他にも素晴らしい策略を仕掛けております。
※実は鞍馬祢音は一度変身解除された時点で敗北しており、運営側の趣味でゲーム続行させたらジャマト側も負けちゃったという構図なので、互いに痛み分けの引き分けは別におかしくはないです。むしろ「ジャマトが倒されたんだからライダー側の勝利だろ!」って言いがかりを封殺するナイスプレイです。さすが五十鈴大智。

五十鈴大智の本領が発揮されたのは天国と地獄ゲーム。
あのゲームにて五十鈴大智は浮世英寿と桜井景和に、「天国と地獄ゲーム像は創生の女神を模している」なる嘘を吐きます

そう、嘘なんです。だって創生の女神には意思がない(意思を表示できない)んですから。
天国と地獄ゲーム像はまるで自分の意思で人間を地獄に落としているように振る舞っており、似ても似つかない存在です。

しかし、ヴィジョンドライバーによって創生の女神の真実を知った情報格差を背景に、五十鈴大智は模したと嘘を吐いた。
その結果が以下となります。

•浮世英寿:真実を確かめる為にヴィジョンドライバーの個人所有を目論む。個人所有後は運営側と対立。

•ニラム:上述の理由から浮世英寿のコントロールに失敗。ヴィジョンドライバーを用いて浮世英寿と対立せざるを得なくなる。

•桜井景和:自身の意思で幸せの再分配をした創生の女神(そんな事実は無い)に罪を償わせようと固執する。

五十鈴大智の作戦で運営チームはしっちゃかめっちゃかです。
この混乱に乗じて吾妻道長はジャマ神になりました。実に見事な策と言えます。
さすが五十鈴大智。

と言いたいんですが、実は気になる点があります。何故五十鈴大智は吾妻道長をジャマ神に導いたのか?
詳しくは後述しますが、これが実は伏線のひとつになっている可能性があるんですよね。さすが五十鈴大智。

IV.慕情編-試合に勝って勝負に負ける

これまで数々の素晴らしい策を披露した五十鈴大智ですが、デザイアロワイヤルにおいては非常に稚拙な策を見せました。

「桜井姉弟他を囮にし、道長が囮と戦っている間にライダーコアIDを独占して、ゲーム特典で道長を脱落させる」

はい、馬鹿です。
まず、ライダー特攻のパッシブスキルを得た吾妻道長にとって、警戒するのはゲーム特典での脱落のみです。IDコアを独占しようとするムーヴを見逃す理由がありません。
仮に吾妻道長が超弩級の馬鹿で、狙い通り脱落させることができたとしても、浮世英寿が残ります。ゲーム外アイテムの持ち込みやサポータの寵愛を受ける浮世英寿とのタイマン勝負は、サポータ不在の五十鈴大智に非常に不利です。

どうした五十鈴大智。見損なったぞ五十鈴大智。馬鹿になったのか五十鈴大智。

違いますね?
五十鈴大智がそんなに愚かなはずがありません。発想を逆転させましょう。五十鈴大智はデザイアロワイヤルで、安全に負ける為の策を披露したんです。

ヴィジョンドライバーでデザグラの真実を知った五十鈴大智は、ジャマトグランプリの裏でグランドエンド、要するに打ち切り準備が進められてることも察知したのではないでしょうか。
そこから五十鈴大智は、創生の女神による理想の実現から、ジャマト利用による理想の実現に狙いをシフトしていたのです。恐らくデザイアロワイヤルが始まる前、ジャマトグランプリ進行中に動いたものと考えられます。

こう考えると、五十鈴大智がジャマトグランプリで吾妻道長を勝たせようとしていたのにも納得がいきます。
下手にデザグラが存続すると、ジャマトに対抗できる仮面ライダーも延々と増えてしまいます。ジャマト目線では、デザグラはさっさと撤退してもらったほうが良い。その考えから、デザグラの存続を困難にする吾妻道長の勝利を導いたのでしょう。

しかし、計算外が起こります。五十鈴大智もデザイアロワイヤルに巻き込まれてしまったのです。下手な負け方をすると創生の女神のエネルギーにさせられてしまう。そこで、五十鈴大智は悪ぶってる善人・吾妻道長を利用し、安全に脱落しようと目論んだのです。

実はこの妄想には根拠があり、それはライダー特攻状態の吾妻道長とタイマン勝負をしたシーンにあります。
五十鈴大智、何故か瞬殺されなかったんですよね。そこそこ耐えてたんですよね。
このことから、一部界隈では五十鈴大智は頭脳に限らず身体能力もすごい説が湧き上がりました。

この説も捨てがたくはあるのですが、個人的にはあの時点でジャマト化が始まっていた説を推したいです。吾妻道長のライダー特攻がジャマトに通用しないのは、ダンクルオステウスジャマトが証明しているので、無くはない説だと思ってます。
ライダー特攻の"ライダー"判定がどこにかかっているかがハッキリしていないのが惜しいところ。ライダー特攻状態の吾妻道長がジャマトライダーと戦ってくれれば、ハッキリしてたんですけどね。

何にせよ、五十鈴大智はわざと脱落するために、あえて稚拙な策を披露した説を推します。さすが五十鈴大智。

なお、デザグラ(デザロワ)から脱落したら記憶消えるから、ジャマト化の記憶も消えるんじゃあないかという疑問については、以下のどれかで回避したんじゃないかなあと思っています。

•ライダーコアIDに限らず、未来製の技術に触れれば記憶は戻る仮説。この場合は寄生させたジャマトがそのまま記憶保持の役割を果たした。

•記憶が消えるのは現地の人間のみである仮説。この場合、既にジャマト化していたので記憶が保持できた。

•ジャマトグランプリの協力の見返りで、ベロバにライダーコアIDの提供を求めた説。但し、ベロバが記憶を失った五十鈴大智に義理を果たす理由はない。

•ベロバ/ケケラと同じく、創生の女神に願いを叶わせた説。それができるなら全人類の記憶を願えば良くない?

V.創生編-ようやくのぼりはじめたばかりだからな

パラサイトゲーム編での五十鈴大智の活躍は語るまでもありませんね。
強いて言うなら、対人戦闘に備えて早い段階で我那覇冴みたいな身体能力に優れた人物の記憶を食らうべきだったとは思ってしまいます。
とは言え、デザグラ運営が撤退したにも関わらず、仮面ライダーが残っていたのは計算外だったに違いないので、この辺は仕方ない側面もあります。

しかし、まだ『ギーツ』は続いています。すなわち、五十鈴大智の活躍も続くということです。

そもそも創生の女神に頼らずに、努力で自身の願いを叶えようとしている稀有な人物ですからね。願いが叶っていない鞍馬祢音を除けば、生存しているライダーみんな創生の女神頼りです。このことから、五十鈴大智のキーパーソン扱いはしばらく続くはず。
なのでこれからもさすが五十鈴大智をキーワードに、『ギーツ』を応援したいと思います。




だって最推しのニラム退場しちゃったし……。


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