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世界で一番かわいい生きものについて
世界で一番かわいい生きものと一緒に暮らしている。
なんて幸せなことだろう。
信じられないくらいふかふかで、
目は満月のようにまんまるで、
世界で一番優雅で美しい服を着ていて、
猫背だけれど、
体はとても柔軟で、
毎日かかさず猫耳を付けている。
ただでさえかわいいのに、毎日猫耳までつける必要があるのだろうか?
わたしは毎日そのかわいらしさと美しさと完璧さに、驚かずにはいられない。
あまりにも素敵な生きものなので、感情が抑えられなくなって、言葉だけでは足りなくて、歌やダンスで気持ちを表現する。
するとその生きものはしばらくわたしの様子を見てくれるが、やがて自分の世界に戻る。
でも、自分の10倍もある大きさの生きものが激しく動いたり声を出したりしている中で、文句を言ったり、逃げ出したりしないでいてくれることに、本当に感謝している。その場にいてくれるだけで、わたしの気持ちを受け止めてくれているんだと、感じられる。
なんて素敵な心の持ち主だろう。
また、その生きものは、すごくモノを大切にする。
例えば、着ている服。毎日丁寧に手入れをして、生まれた時からずっと、着続けている。
いつだって完璧な状態になっていて、この前銀色のネックレスをあててみたら、すごくシックだった。
でも、そんな装飾品なんて何もいらないくらい、最高の質と柄の服。それでいて身体にぴったりの大きさで、動きやすそう。
わたしもこんな服を見つけられたらな、と思うけれど、こんな素敵な服に相応するには、まだまだ未熟だ。
それから、冬の毛布もそう。毎年気に入って使っている毛布がある。トナカイの柄があしらわれていて、ふわふわでさわり心地がよく、温かい。
実はこれ、わたしがもらったものだった。高校生のとき、誕生日祝いに友達がくれたのだ。
柄も風合いも全てがわたし好みで、喜んで使っていたのだが、あるとき気が付いたら、家にいるそのかわいらしい生きものが代わりに使っていた。初めはしばらく貸すくらいのつもりでいたのだが、戻ってくる気配がなかったので、もうあげることにした。だって、わたしに負けないくらい気に入っていて、大切にしていたから。
今でも大活躍している。
10年前の誕生日プレゼントをまだ使っているよ、と言ったらきっとその友達は喜んでくれるだろう。それも、ベストな持ち主がこの毛布を引き取ってくれたおかげだ。
こうやって、自分が本当に好きなものを間違いなく選びぬけて、それをずっと使っていく姿勢も、とても尊敬している。
その生きものとはもうかなり長いこと一緒に暮らしているが、その美しさとかわいらしさに飽きることはない。そればかりか、わたしは毎回驚かされ、混乱する。
「どうやったらこんなにも完璧な生きものが生まれてくるんだろう」と。
そして、「どうしてこんなにも素敵な生きものがわたしの家で暮らしてくれているのだろう」と。
ただ存在しているだけでたくさんの幸せをくれるこの生きものがいてくれる毎日に感謝して、これからもすごしていこうと思う。
いつも本当にありがとう。大好き。
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