都市伝説を紐解きたければ娯楽を見ろ。〜ぼくらの編〜
シリーズ化しつつある「都市伝説を紐解きたければ娯楽を見ろ。」の第三弾です。
都市伝説や陰謀論が嫌いな人は速やかにブラウザバックするように。
さて、今回は「ぼくらの」を取り上げてみようと思う。
「ぼくらの」は鬼頭莫宏による日本の漫画作品で、俗にいう「鬱漫画」「鬱アニメ」としてYouTube等で度々紹介されており、見たことはなくても名前を知っているという人も多いと思う。
この漫画はただの鬱漫画ではない。私には作者がこの世界の秘密を知っていると思えてならない。
今回はNetflixなどでも配信されているため、今後これを機に見る人がいるかもしれないのでアニメ版を主に取り上げてみようと思う。
尚、漫画版とアニメ版ではストーリーが異なる部分があるため、漫画版が気になる方は是非読んでみてほしい。
■あらすじ
夏休みに自然学校に参加した少年少女15人。
彼らは海岸沿いにある洞窟で一人の男に出会う。その男はココペリと名乗り、「私の作ったゲームをやってみないか」と子どもたちを誘う。
ゲームの内容は、「巨大ロボットを操縦し、地球を襲う敵を倒して地球を守る」というもので、プレイするには契約が必要だという。
兄のウシロに止められた小学生のカナを除く14人の中学生は、ただの新作ゲームのモニターか何かをするのだろうと思い、ココペリと契約を結ぶ。
その晩、巨大なロボットと敵が出現し、ロボット内のコックピットに子供たち15人が転送される(カナは契約していないが、契約者と同じように召集される)。
そこにはココペリと、コエムシというマスコットが待っており、初めての戦闘が開始される。
やがて少年少女たちはココペリと交わした「契約」の本当の内容を知る。
それは
・戦いに負けたり、勝負がつかず48時間経過すると地球は破壊され、人間やその他の動物を含めた地上の全生物が死滅する。
・操縦者は、事前に契約した者の中から選ばれた1名のみであり、勝手に変更することはできない。
・ロボットは人の生命力で動くため、戦闘一回につき操縦者の命を奪う。
つまり、負ければ地球は全滅し、勝ってもパイロットは死ぬ
というものだった。
■この作品に隠された世界の秘密
この「ぼくらの」で示されるこの世界の秘密、それは「並行世界(パラレルワールド)の存在」である。
ある程度「都市伝説」と呼ばれるものの知識がある人は並行世界が実際に存在する可能性を知っていると思う。
この世界には、ほぼ間違いなく並行世界が実際に存在していて、ニコラ・テスラやウォルト・ディズニー、アルベルト・アイシュタインなど「プルスウルトラ」のメンバーはその存在を確認していたのではないか?と私は考えている。
さらに彼らはその並行世界を行き来する方法さえも知っていて、並行世界に移住して「トゥモローランド」を完成させているかもしれない。
■分岐と並行世界
この世界では日々小さな分岐が起こっており、私たち一人一人が毎日何かを選択して生きている。毎日が選択の連続なのだ。そして時に私たちは大きな決断を迫られる。
「次の総理大臣を誰にするか」「クーデターを起こすか否か」「何を信じ、誰を愛するか」「身勝手な行動を取るか、他者のために生きるか」「正しいと思ったことをするか、ただの傍観者になるか」…大きな決断に迫られた時、私たちが暮らすこの地球は大きな分岐点を迎える。
そして、その分岐によって「ジャンク(がらくた)」と判断された場合、この地球は失敗作として破棄される。
それがこの「ぼくらの」では生き残りをかけた地球人同士の戦いという比喩表現として描かれているのではないだろうか。
・戦いに勝った優秀な方が生き残り、負けた方はジャンクと判断され破棄される(より優秀と見做された地球が生き残る)
・戦うことを拒否し、傍観者となって分岐の選択を放棄した地球もジャンクと見做され破棄される(傍観者となることは分岐の選択として最も不適切である)
・自らの命を犠牲にして他者のために戦える勇気を持っているかどうかが試されている(身勝手な生き方をせず、他者を思いやれるかどうか、愛を持つ地球人かどうかの選別)
ということではないか。
では、誰がそれを判断するのか。それは私たちが「神」と呼んでいる何らかの存在だろう。
この世界は所詮、”神”の作った箱庭にすぎないのかもしれない。
そして”神”と呼ばれるそれは、数々の分岐を経験した複数の地球の中から最も優秀な物をそのまま「本物の地球」に移住させるのかもしれない。
現在の地球は8番目の地球だとか何とか言われていたりするが、果たしてこの世界が何番目に作られたものなのかは私にもわからない。
■私が並行世界の存在を信じる理由
なぜ私が並行世界を信じるかというと、「信じている」というより「否定できない」と言った方が正しいと思う。
「並行世界に行ったことがないから信じない」というのはあまりにも考えが幼稚で単純だし、自分が行ったことがないからといって存在しないとは限らない。だから私は「実際に存在する可能性は十分ある」と思っているという部分が一番大きい。
フラットアース(地球平面説)も私はもしかしたらワンチャンあり得るかも、と思っているのだが、これに関しては「そんなもん信じてる奴は頭がおかしい」という人が大多数である。
フラットアースを馬鹿にする人は決まってこう言う。
「NASAの写真を見てみろ、どう考えたって天体は球体だ」
「平面なら進み続ければ端っこに到達するはずだがそんなことはない、だから地球は球体だ」
私は逆にそう言う人たちに問いたい。
「あなたは自ら宇宙に行き、その目で確かに地球その他の惑星が球体だと確認したのか?あるいは船などで一直線に進み続けて”端っこ”が存在しないことを確認したのか?なぜNASAが嘘の写真を公開しているかもしれないという疑念を持たないのか?宇宙飛行士が全員役者だったとしたら?あるいは宇宙飛行士たちさえも支配者層に騙されていて、宇宙に行ったと思い込まされていたとしたら?支配者層たちは全力で私たちを騙しにかかっているかもしれないのに、なぜそんなあっさり惑星は球体だと信じられるのか?」と。
自分の目で確かめたわけでもないくせに、なぜ「フラットアースなど有り得ない」と言い切れるのか。
私は「常識」などという小さい世界に囚われて疑問を持つことさえできない者にはこの世界の謎解きなど到底無理だと思っているので、どんなに馬鹿げた仮説でも、それを完全に否定することができない以上はその可能性を信じる。
話が脱線するが、私にはNASAの発表する写真が全部嘘臭く見える。
何と言うか、「出来過ぎ」な感じがするのだ。
太陽系の惑星は見事なまでに全部完全な球体、私たちが「火星」と呼ぶそれは名前に相応しく赤茶けた色。
いやいや、いくら何でも出来過ぎだろ!!ンなわけあるかい!!と思ってしまうのは私だけだろうか。
■最後に
長くなってしまったが、単純に並行世界の存在だけでなく人の感情の揺れ動きなど、とても良い作品なので「ぼくらの」を是非見てほしい。
「鬱アニメだと聞いたから」と言って敬遠してしまうのはもったいない。
都市伝説や陰謀論に興味がない人にもお勧めする。
並行世界を描いたものはたくさん存在するが、もっと話がライトなもので私が好きなのは「四畳半神話大系」。
こちらも是非どうぞ。とても面白い。