「七氷」というカップリングの何がそんなに熱いのか【腐向け要素あり注意!】
前提【ご注意!】
これはあくまでも腐女子の一ファンが自分の好みに従って好き勝手喋くり散らかしているだけに過ぎません。公式は勿論BLではありませんし、表現者としての苦悩や喜びを真剣に描写し、クラシック音楽を愛し一般に広めようと苦心している非常に上品な作品です。すぴかの二次創作を見て原作を誤解するのだけはNGでね!私のpixivを見るのはよすんだ。2018年頃の作品はまだマシだが二次創作は二次創作、原作は原作と分けて理解する方のみ閲覧ください。
BL的な見方になるので、そういった表現が苦手な方は読まないでください。
BLばっちこい!な方は勿論、BL解釈要素は目をつぶれるよ〜でこの二人のキャラの深い関係性が知りたい、腐女子がどういう思考でカップリングを作るのかの資料が見たい、という方はどうぞいらっしゃいませ!\(^o^)/♡
い つ も の。
本稿で取り上げる2人である。カップリング名はキャラの通称から一文字取って略称にし、「攻め、受け」の順に書く。そのため、「七氷(ななひ)」となる。(「氷七」だと逆カプ(受け攻め反対)になってしまうので要注意!腐女子の前で軽率に逆カプの話をすると血を見ることになるから気をつけるんだぜ。)
ちなみに氷渡はこの素顔の「美人モード✨️」も念頭に入れておくと更に理解しやすいので先に提示しておく。
始まり
腐女子とは、好みの男二人組を見つけたら、いかに言いがかりをつける(=デキてる判定する)かに息巻いている生き物である。キャラの行動の隅々まで見て、「これは!付き合ってる!?はやく突き合え!!♂️」などと鼻息荒く言いがかりをつけて楽しむのである。
本稿では原作のタイトルは『金弦』と称させていただく。ていうか、そもそも金弦は乙女ゲーなので、男たちはまごうことなきノンケである。しかし、それがなんぼのもんじゃい。ヒロインとくっつかなかったら独り身の男達がうじゃうじゃあぶれるわけだし、ノンケがホモ堕ちしたっていいじゃん。むしろ美味しい。ていうか、七海がヒロインとくっつくのは1/12(or1/13)の確率だし、氷渡に至ってはサブキャラだから正規世界線では決してヒロインとはくっつかないんだから。。。下手したらヒロインとくっつくより、こいつらがくっつく確率の方が高くない?…すでに言いがかりが始まっているが、これが楽しいのである。
今回見ていく二人のまともなストーリー解説は前回の記事に書いた。
しかし、この記事は二人それぞれから冥加部長への想いの違いを主軸に語ったので、本記事では二人のお互いの関係性をより深く見ていく。なんかやたらシナジーのある二人なので、その点に着目して読んでみてほしい。
BL解釈については、へぇーこういう点からそうなるんだーと、腐女子の思考回路の理解の参考になれば幸いである。なお、あなたの人生の役には1mmも立たないので、無駄な時間を過ごしたくない人はすぐブラウザを閉じよう。
…閉じませんでしたね?こうかいしませんね?
なぜこの二人でBL妄想するのか
★接触頻度が高い
まず、キャラ同士に「絡み」が多いかは重要だろう。現実の恋愛も、まず接触頻度が高くないと始まらない。
この二人は、同じ学校、同じ部活、更に同じ楽器の先輩後輩である。文句無しに絡みは多い。天音学園は、海外にも通じるレベルの演奏者しか生き残れない環境で、24時間365日営業という、「音楽の男塾」だから、下手したら二人は毎日顔を合わせているだろう。
しかも、金弦3では20~30人程のキャラクターが登場するが、実は「同じ立場(ポジション)を個人VS個人で直接競っている」関係性はこの二人しかいない。金弦3は学校ごとにアンサンブルを組み、全国学生音楽コンクールで各校が競う物語である。要は、クラシック音楽の甲子園だ。各校で楽器A、B、C…と各楽器にキャラが割り当てられている。(学校代表サッカーチームで、フォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダー、ゴールキーパー、と割り当てられてるようなもん)
思い出してほしい、この二人は同じ学校、同じ部活、同じ楽器なのである。(※ヴァイオリンやトランペット等2本で編成される楽器ではない)
各校内の代表チームのポジショニングは確定しているのだが、この二人だけは一つのポジションを一対一で直接的に競っている間柄なのだ。(学校代表サッカーチームで、ゴールキーパーをどっちにするか!?みたいなもん。演奏には補欠という概念はない。)
これにより、「蹴落とし合い」の苦さが一つ乗っかり、他のキャラたちにはない重厚で複雑なドラマが男同士で織り成されるのである。他のキャラ達もそれぞれ濃厚なドラマを持つが、チームワークのドラマや、学校同士のドラマ、ヒロインとのドラマとなる。団体VS団体が基本だ。個人との絡みがあれば当然ヒロインとになる。対してこいつらの物語は、一個人対一個人の直接対決の男同士でのドラマなのだ。金弦3の男達のペアのなかで、もっとも「近い立ち位置にいる男二人」だからこそだ。ナニか起こらないわけがないっ!!!
★下克上
七氷というカップリングで最も肝となる要素である。氷渡のキャラクター説明は、「陰気でプライドが高い」という言葉でよく表記されており、ゲーム付属の説明書、ゲームの公式資料集、アニメの公式資料集。。。など各所で表記揺れはほとんどない。
つまり文句無しに「プライドが高いキャラ」としてキャラ付けされているのだ。そう、プライドが高いのである。それだけでぶち犯しがいがある。
プライドの高さゆえにー七海に追い抜かれる恐怖を隠すように執拗にー、氷渡は物語の前半、七海を見下して理不尽に煽り散らかしたりパシリに使っていた。一番意識してるのは七海に対してだが、周りに対しても傲慢な振る舞いをしていた。詳しくは下記記事の「さよならオレの音楽。さよならオレのチェロ…!」の章を参照されたし。
それがエロスへのいい助走となる。七海をはじめ周りを「雑魚」と見下す氷渡が転落していく様は、いわゆる「わからせもの」や「メスガキもの」に近い味わいがある。
しかも、よく突っかかるのは七海の存在を強く意識しているからに他ならない。これらの振る舞いの裏には氷渡の七海への恐怖心や、自分の才能のなさへの憤りがあった。そして、最終的にはあんなにも敬愛していた冥加部長に、あっさりと捨てられ、天音学園のアンサンブルの正チェリストの座は七海に奪われてしまう形となる。詳しくは下記記事の「しかし、傲慢の裏で。。。」「サバイヴ」の章を参照。
プライドの高い男が、今まで見下してパシリに使っていた気弱そうな後輩に、一番魂を掛けているチェロという分野で負けてしまうのである。氷渡にとってこんな屈辱はないだろう。エロすぎる。
この「下克上による屈辱」こそがこのカップリングにおける最大の肝と言っていいだろう。実際、氷渡自身も、アンサンブルから外されそうな時、七海へ「ざまぁ見やがれって思ってるんだろ」と投げかける。
エロすぎる。さんざんバカにしてパシリに使ってきた後輩に下克上されちゃうの、エロすぎる。
モブ男達からもよってたかってその点について嘲笑されまくるシーンがあり、すぴか的にはめっっっっちゃくちゃエロいと感じた。
えっっっっっろ。私はエロ漫画家なのだが、正直このシーンは、下手なエロ漫画よりエロいと感じる。
ここ、モブ女じゃなくてモブ男から嘲笑されてるのである!しかも複数人がよってたかって。エロい。。。こんなのBL輪◯の暗喩である(言いがかり)(まぁ、私モブレは好きじゃないので輪◯はされないでほしいが)。
「七海サマ」とカタカナなのが揶揄感を出しててエロい。こいつらは、別に七海を尊敬してさま付けしているわけではなく、氷渡をバカにしたくてあえて皮肉でさま付けしてる、というのが伝わるからだ。この脚本はBLの素養がある人が書いているに違いない。
すぴかは下克上、年下攻め、可愛い攻め、敬語攻めが好きだ。この点だけでだいぶすぴかの好みに突き刺さっているのがおわかりいただけるだろう。
BL的に落とし込むと、こう。「強気な先輩がオレの下でこうなっちゃうなんて」である。
大雑把にまとめると、「傲慢な受けわからせ系」「ざまぁ系」に分類されるだろう。これだけでも充分ドラマチックだが、
七氷はそれだけの単 純 な 話 で は な い !!!!!!!
七氷の真髄はここからなのである。
★せんぱいだいすき!
氷渡は、「ざまぁ見やがれって思ってるんだろ」と問う。冥加部長に否定され、「なんの価値もない俺」と自暴自棄になる。
それに対する七海のアンサーを順に見ていこう。
「いい気分なんて思ってない」。
「もし、オレが氷渡先輩の立場だったら、きっとつらくてたまらない」。
あくまでも氷渡の気持ちに寄り添おうとする七海。
でも立場上できない。その歯がゆさ、苦さ。
普通「ざまぁ系」は蹴落とした相手への愛などなく、「ざまぁみろ」という感情であろう。しかし、七氷は違う。「下克上」の構図でありながら、氷渡への「敬愛がある」。こここそが七氷の真髄であり、独自性と言える。
七海は氷渡のことを、かなり高く評価している。氷渡先輩のことをかなり慕っているのだ。
①One more kissより
氷渡の実力の高さを実感しつつ、「いつかあの人と並んでステージに立ってみたい」。
ここで着目したいのは、「デュオ(ふたり)もいいかもしれない」と言っていることだ。ふたりきりでもいい、とは相当慕ってないだろうか。
しかも、「氷渡先輩に、『七海と弾いてみたい』って言わせられるくらいになりたい」。なんて積極的なんだろう。
②神南op.2より
これは、『神南Op(オーパス).2』という神戸神南高校をフューチャーしたイベントの中のドラマの一幕。
ご存知、夏の音楽コンクールの途中で天音学園代表アンサンブルから外されてしまった悲しい経歴の氷渡。しかし、神南高校管弦楽部の部長・東金千秋(とうがね ちあき)は氷渡の演奏を気になり、神南のステージにスカウトしたいと言い出す。しかし、神南の執事的役割を担う生徒・芹沢睦(せりざわ むつみ)は、「地方大会止まりの演奏者が、七海くん以上の演奏ができるとは思えませんが」と反論する。客観的に経歴だけ見ればそうなるのは当然だ。それに対して、七海が憤慨しながら先の台詞のように反論するのだ。
同舞台では、千秋様からのステージの誘いを受けた氷渡がちゃんとステージに来てくれるのか?とハラハラするシーンもある。果たして氷渡はちゃんと来る。ちゃんと姿を現した先輩に、
犬のように飛びつきかねない勢いであった。
先輩のことだいすきすぎないだろうか?
ところで、七海は覚醒したらやたら啖呵を切るシーンが多い。それは自分を守るためだ。
詳しくは前回の記事の「少年は鮮やかに決意する」の章を参照してほしいが、
ざっとおさらいすると、
VS怖い先輩たち(冥加部長と天宮さん)
だったり、
VS頭のおかしい理事長(アレクセイ)
だったり、
VS他校の上級生(響也)
だったり。
七海が啖呵を切る時には、共通点がある。七海の演奏の美学や七海の演奏家としての価値を貶めるようなことをされた場合だ。自分の演奏の価値を守るためなら、七海という男はどこまでも勇敢になる。ある場面(4)では我が強すぎるという欠点にもなるが、七海は自分を守るためなら力を発揮する人物だ。
しかし。
唯一、七海が自分のため以外で啖呵を切るシーンがいる。
それこそが、この章の冒頭で紹介した、
「いい演奏者なんですよ、本当に!!!!!」
ー氷渡のためなのだ。
七海にとって最も近い位置にいて、最大限の力で競ってくれたライバルで、尊敬できる先輩。自分がいなければ先輩はアンサンブルに残れたのに、という罪悪感もあるかもしれない(七海は何も悪くないのだが…)。
七海は、自分の演奏の名誉を守る時だけでなく、氷渡の演奏の名誉を守るためにも、力を振るってくれるのだ。
氷渡先輩のこと、愛しすぎじゃない?
そんなことされちゃあさ、ぴどきゅんからすりゃァさ、「抱いて!!!」ってならない?????
③オクターヴ
七海から氷渡への敬愛はこれだけにとどまらない。2019年金弦シリーズ15周年を記念して発売した『オクターヴ』の七海ルートは、なんと一貫してまるまる、七海が氷渡への向き合い方を考えるというストーリーなのだ。こんなん極めつけだ。
これも詳しい流れは前記事「少年は鮮やかに決意する」の章に書いたが、要は、
こ れ で あ る 。
『オクターヴ』の七海ルートのクライマックスの、決めシーンが、これ。
もうこんなん、七海ルートじゃなくて七氷ルートだろ。
ただ好きでチェロを無邪気に弾いてただけの子どもだった少年が、初めて誰かを負かせて、それで相手(氷渡)を泣かせてしまったかもしれない。「泣かせてしまった」って表現に興奮します
それでも、チェリストなら、前に進まなきゃいけない。少年が子どもから大人になるために、避けて通れない問い、
Q.「勝者として敗者(氷渡)にどう接するべきか?」
『オクターヴ』の七海は一貫してずっとこれを考え続け、答えを出したのだ。
A.
同情しても、氷渡は喜ばない。ならば同情なんてしない。チェロの腕を磨き続け、氷渡が「こいつなら認められる」と送り出せるようなチェリストであり続ける。それが氷渡への誠意なのだと。
もうこんなんさ、ぴどきゅんのこと抱きに来てない???
精神的にはもう抱いてるだろ。
なぜ七海が氷渡をそこまで慕っているのかは、そこもちゃんも理由があるので、後述する。
★らぶ♡ちゃいな
演奏面だけじゃなくて、ちょっと脇道にも逸れてみよう。
七海宗介は中華料理屋の息子である。
彼の好物は当然中華料理ばかりであり、中華のことになると饒舌になるし、中華料理を作ることも出来る。
ーこのシリーズにおける「好物」を定義しよう。
『3AnotherSky』には、主人公がお弁当を手作りしてお目当ての男の子と一緒にランチできる制度がある。当然男の子たちにはそれぞれ好物があり、好物メニューだった場合特別なイベント(※観光名所に行く)が発動する。
※金弦はリアル横浜(神戸、仙台)とガチ提携しマジ観光促進ゲームとしての側面もあるので、実際の観光地がでてきて、男の子達が現実の知識の解説をしてくれる。
で、実は、各キャラごとに「専用の特別な好物」という特別メニューも存在し、それらは該当キャラにしか振る舞えない。(普通の「好物」は他のキャラにも振る舞える)(当然、特別な観光イベントが付随する)
そんな特別な好物メニューだが、
氷渡の場合「天津飯」なのである。
え?????
なんで中華??????
氷渡は基本的に「卵料理が好き」というキャラで、他の普通の好物はオムそば等とにかく卵料理なのだが、よりによって「一番特別な好物」が「天津飯」という中華料理なのである。「卵料理」であればオムレツやら親子丼やら洋の東西問わず星の数ほどあるはずだ。それこそ、氷渡のアイコンともなっているプリンなどデザート系だっていいわけだ。
でも、よりによってゲーム内の「一番特別な好物」が「天津飯」なのだ。なんで???
…………?
ねぇルビーパーティ!!!ほんっと〜〜〜に!?!?ほんっ、と〜〜〜〜〜に、狙ってないって誓える!?!?!?
これ、「先輩のために…オレ…父さんに習って頑張って作ったんです…」「七海…///」「おいしいですか?」「…ん…///」「よかった…///毎日でも、食べさせてあげますね」ryって妄想しろ、ってことじゃねーーーーの?????
中華料理は医食同源の思想で薬膳料理が多い。心身の不調(血色の悪さ、ストレートネック、猫背、巻き肩、不安定な精神…)の多い氷渡に振る舞ってあげればちょうどいい。まごころと薬膳効果でホカホカにしてあげちゃいな♡!
また、七海くんは、好きな人のためについついたくさんお弁当作っちゃった…///なイベントが存在し、氷渡くんの方は好きな人の作った弁当ならたとえ腹一杯でも食べてやるぜ///なイベントが存在する。なんと、その二つのシーンは全く関連性のない別のシーンにも関わらず、繋げることができるのだ。
七氷は、なんか妙〜に噛み合っている二人なのだ。公式よ、本当に狙ってないんですか???
噛み合い具合について更に追加。中華関係ないが短い話なのでここに入れます。メタ的に見ても、氷渡のキャラデザは、実は七海を意識したものになっている。
二人の「前髪でメカクレ」という共通点と、「左右が反対」なのは、「二人が対の存在」であることを意識したデザインなのだ。
対の存在って!!!!!(萌え)
★なぜ冥加✕氷渡ではないのか
ところで、少し金弦を知っている人なら、氷渡が冥加に過剰に執着していることを知っているだろう。では、冥加と氷渡のカップリングではダメなのか?と疑問に思うかもしれない。答えは簡単。
結論:あなたは神様と付き合えますか?
という話だ。
この絵は氷渡の心象風景だが、彼にとっての冥加部長はまさに「神様」なのである。
「俺のすべて」とか本気で言ってる
重い。重すぎる。常人には理解しがたいが、男塾思想の男ならよくあること。
更に、氷渡は冥加に奉仕したい精神が過剰すぎて、日常においても自分を押し殺してしまうことが多い。以前の記事にも書いたが、下記は七海がマンゴーシェイクを色んな人にオススメして回ってるシーン。
本当は割と甘党なのに、冥加の目を気にしすぎて美味しいものすら美味しいと言えない氷渡の愚かさが見て取れる。
また、天音学園で行く函館旅行では、普段から睡眠不足にもかからわず、ガイドブックに付箋や書き込みびっしりになるまで調べつくし、冥加部長(と自分)の新選組コスプレ衣装も氷渡の手作りだった。
フツー、男が男の服を手縫いしてあげるなんてこと、する!?!?!?
そんな光景、筆者は氷渡か男塾かでしか見たことない。(つまり、めちゃくちゃ尽くしてる、ということ)
氷渡が冥加と一緒にいると、日常の全てを冥加に遠慮してしまう光景が目に浮かぶだろう。いくら冥加が好きでも、それは健全な関係とは言えない。苦しくなり、長続きしない未来が見える。その「好き」の形は苦しい「好き」だ。
冥加側から見ても、自分に遠慮ばかりして本音を言ってくれない恋人なんて交際していて楽しいわけがない。
冥加とシュミが合っていれば問題ないが、二人はシュミがあまり合っているとは言えなさそうで、氷渡が「Aはどうでしょう」と言いかけて冥加が「B」と断ずるといったシーンがちらほら見られる。それでも氷渡は冥加にイエスマンし続けている。
氷渡は、冥加部長の前では、自己犠牲的に尽くしすぎて重い、メンヘラ女みたいになってしまう悪癖があるのだ。
一方、武士気質な冥加部長からは、氷渡の奉仕は「媚び」に映り不快なのか、あしらわれてしまうシーンが多い。氷渡の片想いでしかない。
【補足】男塾思想の男の友人に聞いてみたところ、「尽くしてきたやつを受け入れたら『舎弟』としてこっちも命をかけて守らなければならなくなる。冥加部長は氷渡くんに対してそれができない(やりたくない)から受け入れなかったんだと思う」。BL的な意味でない「男と男の関係」として見ても、結局氷渡の愛は冥加に受け入れられない「片想い」なのだ。
「男塾的な上下関係」も「両想い」じゃないとできないんだ、という発見。恋愛と一緒だね…。
やはり、自然体に楽に接することのできる七海との方が無理なく長続きすると思える。
冒頭で述べたパシリの件と、これまで見てきた七海→氷渡への真心を考えると、「わがまま聞いてくれる→←わがまま言える」で、相性が良いと言える。
そして、味覚も甘党寄りで合っているし、ハモるシーンも多い=気が合っている。
七氷は、なんか妙〜に噛み合っている二人なのだV2。
キャーーーーーッ!!!
「オレならあなたをそんな風に悲しませたりしない」
「あなたを想う気持ちなら誰にも負けない」
これ、冥加部長から好きな人を掻っ攫う七海のムーヴとして、百点満点の台詞じゃん。妄想が捗りすぎる。コーエーさんはこんな欲望にも応えてくれるのか…。
実際、どう見ても氷渡を想う気持ちなら冥加部長に圧勝しているし(笑)、これまで見てきた通り、七海の誠実な敬愛なら氷渡を悲しませることはないだろう。噛み合いすぎている。これ、ヒロインというフィルターを通して氷渡に向けた台詞では…?
★ぴどきゅんからのアンサー
実を言うと七海→氷渡のスキスキ具合に比べて、氷渡→七海の想いが見えるシーンはあまり無い。
しかし、氷渡は、天音学園(実は、各学年30人(!)しかいない選ばれし者の学園だったりする)のレベルの高さと自分とを比較して落ち込み、挙げ句の果てに自分にとって神にも等しい冥加部長に否定され、自分の演奏に価値なんてないと思い込んでいる。
あとは、ーこれは半分自業自得だがー冒頭に書いたような傲慢な態度のせいで、天音学園では友達らしい友達もいないと思われる。
氷渡が認められること、愛されることに飢えているのは想像に難くない。
そんな彼にとって、七海からのー自分を打ち負かしたチェリストからのー誠実な敬愛は、どんなに救いをもたらすことだろうか。(BL的意味じゃない真面目に考えてもそう)
そんな中で、あんな可愛い子に、真っ直ぐな瞳でじっと見つめられて、誠実に愛されまくってたら、
そんなん、 ほ だ さ れ る しかなくない?????
氷渡から七海への態度は、総括すると「やれやれ、お前はガキでしょうがねぇなぁ」というものが多い。上から目線の言葉の割には氷渡は七海という人間を嫌っている訳ではない。それに、奉仕癖のある氷渡はやがて七海の世話を焼くポジションに収まる(詳しくは後述する。「七海がなぜ氷渡をそんなに慕ってるのか」にも繋がる)。
氷渡の素直じゃなさ、ツンデレさ、おねえさん(年上)っぽさが萌える。
というか、七海は氷渡にとって、「冥加アンサンブルのチェリスト」という、「俺のすべて」であり狂おしいほど執着した立場、を奪った世界で最も憎い人物のはずなのに、「やれやれガキでしかたねぇな」と世話を焼いたり、ハモりまくったり、なんだかんだで仲良くしてること自体が、もう「ほだされてる」証拠ではないか。
可愛いしまっすぐだし愛してくれるしチェロの腕もお互い認められるからもう仕方ないね。
二人の恋愛スタイルも実は噛み合っている。
七海は幼いゆえドジを踏むことも多いが、根本はグイグイ行く「攻め」型だ。
https://twitter.com/imitationgreen/status/1025144645775310848
対して、氷渡の言動は「受け」型であり押しに弱い。
★氷渡は受け身
氷渡は「受け」型である。
相手からアクションを受けて、「な、な、バカお前っ…!///」みたいな反応をするのが氷渡の基本姿勢だ。典型的ツンデレ言動も多い。照れ屋で隙だらけであり、非常にS心をくすぐってくる。選択肢も主人公から仕掛けるものが他キャラより目立つ。
たとえば「氷渡という名字が珍しくて間違えられやすい」という話では…。
↓「◯◯(主人公名字)貴史…とつぶやいてみる」を選ぶ。嫁に来い!ってことだね。
他のシーンでも、
氷渡という男はだいたいいつもこんな調子で誰かにやり込められては赤面してあたふたしている。受け。
肌が白いので頬の紅潮がバレバレなのも隙だらけでポイント高い。
そして声優が狙ってるのなんなのか、声がメスの声になる時が多い。普段の声はドスが効いているのに、たまにびっくりするくらい声が高くなるのだ。noteには音声が貼れなくて残念!
もし聞いてみたい人は、例を出すと、
①ボイスドラマ「Absolute Glory」後半の冥加部長からのアドバイスに「っ…。はい…」と答える声が妙に弱々しかったり(冥加に対して声が妙にか弱く高くなることが多い。乙女か?)、
②イベント「星奏学院祭4」特典CDのクリスマスボイスドラマで、主人公にあるお願い(確か「もっと一緒に過ごしていいか?」的な感じのだった気がする)をして承諾をもらった時の「はぁあ〜…♡(そう聞こえる)」と安堵した時の声が、ビックリするほど高いし、なんかメスい。
(これは、普段は可愛くていざという時は低く覇気のある声になる七海と好対照だ)
(氷渡の声優さんのメス声がかなり高いのは、「君に捧ぐサディスティック」というBLCDで、氷渡と同じ声優の受けキャラの喘ぎ声を参照してもらうと、とてもよくわかる。びっくりするくらい高い。)
氷渡ファンも氷渡がそんなに好きではない人も、氷渡ルートやったら感想が、
「氷渡って乙女だよね…」
「女子か!」
「氷渡くんってなんか女の子みたい」
などの感想になるのは、この受け身ムーヴのせいがかなり大きいだろう。
あとは、冥加部長への押しかけ彼女みたいな奉仕っぷりと、アクセサリーを手作りしているところとか後述するあざとさとか…なんかこう…「女子」っぽいのである。
★ぴどきゅんはヒロイン
そして、氷渡は庇護欲を掻き立ててくるのだが、氷渡ルートでの彼の変化を見るとよくわかる。
最初は「★下克上」の章で見た通り傲慢で、近寄りがたい。プレーヤーは彼の態度に怒りを覚えることも多かろう。
同学年である主人公に、自分が「目上」と称する。
↓
しかし、路上での何気ない会話に、音楽への真摯な想いや、真面目さが見える。ここで「おっ?」と気になってくるのである。そして冥加部長への過剰な奉仕と、細かいことによく気がつく…気が付きすぎる繊細な性格と根を詰めやすい性格であることがわかり、彼の精神の不安定さに心配になってくる。
※イベントではない路上会話のため写真撮りそこねてますが、「あのフレーズはこうしよう…このフレーズはこうしよう…ブツブツ…」みたいな音楽のことを考えまくってる感じの台詞でした。※
↓
そしてついに、七海に追い抜かれることへの恐怖心、彼の弱み(本音)が爆発する。
傲慢な態度は弱い自分を隠すための虚勢だったのが判明するのだ。弱さをバレたくなくて必死で頑張って虚勢を張って。もうここでプレーヤーは「氷渡くんを守りたい」気持ちがマグマのように噴火してしまうことだろう。そう、氷渡くんは男性ながら非常に庇護欲を掻き立ててくるのである。
!!!!!きゅん!!!!!
この後、冥加部長に捨てられるイベントが発生するのだが、『3』では凶行に走ってしまう氷渡を、『Another Sky』では主人公が天音学園に転入しているif世界線なので、救って止めてあげる、というストーリーになる。
さしずめ、「主人公がヒーロー、氷渡がヒロイン」の様相なのである。氷渡からは「女神」と称されるが、ストーリーの構造的には女性ヒーロー✕男性ヒロインの話であった。氷渡はヒロイン気質なのである。
氷渡エンド初めて迎えた時点で、私号泣してるもんね。もうぴどきゅんのモンスターペアレントになりたい。貴史はっ…!貴ちゃんはっ、悪ぶってるだけで、ほんとはいい子なんですぅっ…!!!
余談だが、氷渡の声優・三浦祥朗氏は、氷渡が心を開いて本音を見せてくれるようになる様を「氷を溶かす」と非常にオシャレな言い回しで表現している。
★氷渡の本質は、「可愛さ」
そして氷渡の受け受けしさはまだまだこんなものではない。少女趣味(過剰なロマンチスト)的な一面もあり、けっこうあざとい一面も持ち合わせている。公式も全力で「可愛さ」を演出してくるのだ。
①羊
ピアノ楽譜内のペダルを踏む指示の記号が、幼い頃の氷渡には「羊」に見え、高校生になってもそれを引きずっていた🐏。そしてそれを指摘すると案の定むきになって照れる。七海はピアノが苦手だったが、氷渡の微笑ましさに和んだのか、「ピアノ弾くの頑張れそうな気がしてきました」と微笑む。
②素顔美人、肌が白い
あの攻撃的な化粧やアクセサリー類を取り外すと、銀髪銀眼白肌&細身の儚げな美丈夫となる。
ギャップ萌え。
脱がせたくなるよね!!!!!
個人的にだが、単なる美人より、「脱がせたら美人」の方がなんかグッと来る。雄の狩りの本能を誘発される気がする。
③腰が細い
「腰が細い」と公式が明言。また、なんかこの文章、「本人はワイルドに危険な男として演出しようとしてるのに、腰が細いの目立っちゃって危険さの演出失敗しちゃってるね〜(*´ω`*)しょ〜がないね〜(*´ω`*)かわいいね〜(*´ω`*)」みたいなニュアンスを感じませんか?
ていうかさぁ、フツー乙女ゲーで男キャラの腰の細さとか言及する???「腰が逞しい」とかならまだわかるが、「腰が細い」はフツーしない。。だって、乙女ゲーというのは女のお姫様願望を満たすためのゲームなので、プレーヤーより「姫」になりそうな要素は極力排除されるべきはずなのだ。
完全に、腐ったファンに二次創作BLしてもらうコトを狙ってるとしか思えないんだけど………???w細い腰をひっ掴んでガツッガツッ♡♂パンッパンッ♡♂なぬるぬるしたハーモニーを奏でて…、という妄想を誘発するために書いてあるとしか思えないんだけど…???
氷渡は本来「サブキャラ」ゆえヒロインよりも圧倒的に男(七海と冥加部長)との絡みが多いからこそ許される記述なんでしょうかw…???
要するに、ぴどきゅんってさぁ、メスじゃん。
【比較】七海はヒロイックで男性的
金弦内では演劇や違う世界観でのパロディシーンがたまに見られるが、七海はたいてい「現体制に立ち向かう勇者」か、「お守りします、姫!」というキャラクターになる。七海の少年らしいヒーロー願望をよく表しているし、実際天音学園の上層部への華麗な反逆を見ると性格的にも相応しい。
これまで見てきた氷渡に対する誠実な対応もさながら王子様のようであった。
キャラソンも♪「七つの海を越え あなたを守りたい」「あなたを包みたい」と、男性らしいスタンスである。
また、「痺れるようなカッコよさ」に憧れており、具体的には神南高校の土岐や星奏学院の榊など、「色男系」のカッコよさらしい(AnotherSky逆注目ルートや4より)。
…冥加部長みたいな硬派なカッコよさのほうじゃないんだ!?まぁアレ男塾すぎて人間離れしてるから真似するの無理
憧れる「カッコよさ」に冥加部長みたいなのではなく「セクシーさ」も含まれるのは、年頃の健全な男子感がある。
また、シュミも氷渡と逆で男性的であり、野球観戦やゲーム(AnotherSky)やアウトドア(『summer boys!!!』の歌詞から読み取れる)などである。
★氷渡→七海への世話焼きと、なんでそんなに「せんぱいだいすき!」なのか
ここからは、氷渡が七海にほだされ世話を焼いているところと、なんで七海がそんなに氷渡を好きなのか、の二つをまとめる。これらは、同じ事象からまとめて読み取れるからだ。
氷渡は、最初バカにしていたものの、「演奏者・七海宗介」を悔しさもあれどちゃんと認めるようになる。
そして、七海も同じ楽器だからこそ氷渡の実力の高さがわかっているし、氷渡のアドバイスが七海にとっては的確でめちゃくちゃ感謝している。
そう、七海にとっての氷渡は「乗り越えるべき敗者」であるのみならず、「良きアドバイザー」でもある。それは、氷渡が七海の世話を焼いている事例でもあるし、なぜ七海がこんなにも氷渡のことを慕っているか、の答えでもあるのだ。
氷渡は七海に「ポルタメントがくどい、その癖を直さないと上達しない」と演奏のアドバイスをする。七海は果たしてアドバイス通りに演奏方法を修正してきた。「アドバイス通りに(しかも、1週間かそこらで)修正する」これは簡単なようでいて難しい。長年やっていた癖はそんな簡単には抜けないためだ。
演奏における癖を変えることの難しさの実例は、筆者の実体験がある。中学生のころ吹奏楽部でホルンをしていたのだが、割りとダラダラした半分「お喋り部」のような部だった。しかし、三年生になって顧問の先生がプロの金管楽器奏者に変わり、そのつてでプロのホルン奏者に指導してもらったことがあった。筆者は口のマウスピースに当てるポジショニングが実は間違っていたことがわかり、正しい口の形に直してもらった。しかし、筆者は癖づいた元の口の形でないと音階が吹けず、結局ホルンが吹けなくなってしまった。たった三年の染み付いた癖でこれなのだ。
七海はおそらく十年以上はチェロをやっているはずで、上の筆者のエピソードと比べると彼のバケモノ加減がわかるだろう。
氷渡は、「やっぱ違うもんだな」と彼との才能の差を思い知る。
しかし、その眼差しはどこかふっきれて穏やかで、同じ演奏者としての七海への敬意を感じる。
一方で七海も、「先輩のアドバイスは的確だ」と感謝する。芸術分野において「的確なアドバイス」がどれだけ難しいか、そしてアドバイスをきちんと相手に伝わる形で伝えることがどれだけ難しいか、は想像に難くないだろう。氷渡は確かに演奏者としての力(表現力)には乏しいが、相手の演奏の癖を正確に聞き分けそれを筋道立てて丁寧に伝える、という教師のような才能があったのだ。これに、七海がどれだけ感謝したか。
天音学園のレベルの高さに恐怖しているのは七海だって同じだ。しかも、天音学園は極端な個人主義で、生徒同士の距離は遠い。一人で悩んで追い詰められたこともある。
そんな中で、「的確なアドバイスを丁寧に教えてくれる氷渡先輩」は七海にとってどれだけ救いになったことだろう。
氷渡が七海を導く話は、4でも存在する。4で主人公のヴァイオリンと合奏する時、妙に演奏が噛み合わず悩む七海と主人公。とうとう、七海は主人公を避けてしまう。一人で考え込む主人公に突如、氷渡くんが乱入してティーチングし始めるのだ!
https://x.com/imitationgreen/status/1024986509743517696
https://x.com/imitationgreen/status/1024986965173665793
氷渡ほど七海を理解している人物もいない。
七海がせんぱいだいすき、なのも頷けるだろう。4はコンクールの終わったあとのため、二人の距離が近くなっており、七海は困ったら氷渡に泣きついたりとかもしているらしい。
やれやれと思いつつもなんだかんだで七海の面倒を見てしまう氷渡は、七海にほだされていると言えよう。氷渡は認めた手や好きな相手には奉仕をするのが好きな癖(へき)があるが、幼く未熟な面がありかつ自分のアドバイスをありがたく素直に聞いてくれる七海はお世話しがいがある相手だろう。やはりこの二人は噛み合っている。
【ちなみに比較】下記の冥加部長は、上の氷渡と言ってることは同じなのだが、台詞量と言い方の違いを比べてほしい。冥加部長は「男」すぎて言葉が足りなさすぎる。言葉ではなく力で示す人なのだ。あとは、すぐ突き放そうとする悪癖がある。ゆえに相手を追い詰めてしまうことも多い。
天宮さんはマイペースで後輩の面倒を見るタイプではないし、ピアノだから楽器の性質が違いすぎてアドバイスとかしようがない。
こ ん な ん 。
こんなんだから、七海が一番甘えられる相手は氷渡先輩なのだ。
氷渡はどうやら、七海の面倒を見る係という立ち位置で落ち着いたらしい。そもそも氷渡と七海は立場的には「敵同士」であり面倒を見る義理はないはずなので、むしろぴどきゅん、立場の割には、そ~すけの面倒見すぎでは???
ぴどきゅんはさ、もうさ、
内助の功としてチェリスト・七海宗介を支える妻
として生きてきゃいーじゃん。
この「七海のアドバイザー」としての氷渡は『Another Sky』や『4』など、時を経て形成されていったが、『3』の時点で既に七海を認める描写がある。
3のエンディングでは、
氷「七海ィ…正直見直したぜ」七「…先輩!」
と、七海のことを認めた会話がある。しかもその会話が繰り広げられていたのは、星奏学院(主人公の学校)が優勝して、ニア(報道部の女の子)が各校の人物達にこの夏の大会はどうだった?的なインタビューをしている中であった。
他の皆は「星奏優勝おめでとう!」だったり「君(主人公)に会えてよかった!」だったり「素晴らしい夏だった」だったり、大会そのものへのコメントや、主人公という素晴らしい音楽家との出会いを称えるコメントばかりなのに(冥加部長も主人公との因縁がふっきれた様子で穏やか)、
七海と氷渡だけ、
氷「七海ィ…正直見直したぜ」七「…先輩!」
二 人 の 世 界 な の で あ る 。
ニアのインタビューに答えなさいよあんたたち。会場がロマンチックな内装なのも相まって、なんかいい雰囲気である。…え!?この後付き合うの!?と錯覚してもおかしくないだろう。
補足 「七海ってかっこいい系より可愛い系のイメージなんだけど?」という方へ
七海は、泣いてる印象が強かったり、タピオカミルクティーをブッ零したり、
ブラックコーヒーをカッコつけて無理して注文した挙げ句に飲めなかったり、
「幼さゆえにドジで可愛い」という印象が強い人も多くいるだろう。でもそれには構造的なからくりがある。
金弦は乙女ゲーである。主人公に相対する男はたくさん(12人〜)いる。その中には榊大地パイセンのように王子様のような男はたくさんいる。同じように王子様ムーヴをしては、背が低く童顔で可愛らしい七海では他の男たちに勝てない。七海宗介という男を差別化するには、「年下で可愛い」というポイントをアピールすることになる。
しかし、氷渡に相対する人物は、冥加と七海の二人だけだ。冥加は氷渡に冷たいのだから、差別化する必要がない。いくらでも王子様ムーヴをしていい。
だから、主人公に対する七海は「可愛い」が、氷渡に対する七海は「かっこいい(誠実)」のである。実は七海という男の真価が発揮されているは、主人公ではなく氷渡に相対する時なのではないか、とすら筆者は思う。
作中に入り込んで考えてみると、七海にとって主人公は「好きな女性」だから緊張してカッコつけてしまう。それがドジに繋がる。一方で氷渡は男性だから変に気負いしないで向き合えるのだろう。では、BL(恋愛感情)になった時、緊張してしまうのでは?と疑問が出るかもしれないが、先に見てきた通り、ぴどきゅんは恋愛クソザコである。す〜ぐビクンッとなって真っ赤になってしまう。そんなぴどきゅん相手なら、緊張状態そ〜すけでも充分「勝てる」はずだ。それに、そ〜すけには恋愛状態でも覚醒状態があり、いざという時には積極性がある。
主人公は、プレーヤーの感情移入のためキャラ付けは薄いものの、先に示した構造的な事情で「七海よりはお姉さん」なキャラ付けになんとなくなってるので、七海があまり主導権を握れていない。
す〜ぐ真っ赤になって慌てふためいちゃう受け身な氷渡なら、七海の「色男になってリードしたい」願望を充分叶えてくれることだろう。あとは、傷ついた氷渡と救いたい七海、という面からは、七海の「ヒーロー願望」も氷渡は叶えてくれる。
なので、構造的な面から見ても、キャラクターの感情から見ても、七海は氷渡を男性的にリードできる立場にいるのである。
噛み合ってんだよなァ〜〜〜〜〜
まとめ
以上のように、
【七海】
攻め型
氷渡に対する赦しと救済
ヒーロー願望と色男願望、男っぽい趣味など男性的。(えっち方面も人並みに興味ありそう)
【氷渡】
受け身
庇護欲をかきたてるヒロイン気質
奉仕したい癖とか可愛い趣味とか腰が細いとか女性的
噛み合いすぎている。
ここに下克上のエロスとお互いを敬愛している点が足される。
更に萌えるのは、氷渡は七海が「かつて見下してた後輩」ゆえに、(和解したあとも)プライドから、七海に対してだけは、強気で挑発的な態度を取ろうと頑張って努めているところだ。しかし、本質的な強さは七海に完敗である。最初からメロメロ媚び媚びだと萎えるが、「お前にだけは負けねーっ!」→七海の誠実さと押しの強さ→「負けちゃいました…///」の流れになるのだ。氷渡がこんなにも強がって接する相手は七海しかいない。この流れが最高のスパイスだ。
更に、冥加部長の存在もスパイスになり、「冥加から氷渡を奪う」というエッセンスが、寝取り的な味わいも加えてくれる。しかも、寝取っても誰も不幸にならないどころか寝取った方がハッピーエンドになる。(筆者は「ポジティブなNTR」という新概念として提唱している)
以上。七氷がお似合いすぎるのがおわかりでしょう。
自分でもゲームやってみたくなった人へ
私からの話を聞いてプレイしてみたくなった人は、天音学園のおかしさを中心に見ていきたいと思うので、天音学園のおかしさの中心である「正チェリスト交代事件(七海と氷渡の事件)」の全貌を効率的に知るためのオススメのソフト及びプレイングを紹介する。
①用意するソフト
PSP 『金色のコルダ3フルボイススペシャル(以下、『3』)』と『金色のコルダ3 AnotherSky.feat天音学園(以下、『AnotherSky』)』の二本。
または、PS Vita版だと『3』と『AnotherSky』すべての学校が1パックになっている。
②プレイング
『3』では、冥加部長と七海を同時攻略する。コルダはゲーム下手な人でも1周で2〜3股くらいできるようゲーム設計されているので安心してほしい。特に、冥加部長は『3』の時点ではガードが硬すぎるゆえに「ランチ」も「二人練習」も一切してくれないため、親密度を上げるには「贈り物」の手段しかない。元々主人公と因縁深いから、意識させるにはそれで充分ということなのかもしれない(無論演奏の向上もあってのことだが)。ゲーム的に言えば、ひたすら毎日野菜ジュースを差し入れさえしてれば必要好感度は勝手に上がっていくので、めっちゃ楽。野菜ジュース差し入れだけでは超絶ひまなので、同時に七海も攻略は十分可能。
「冥加部長に野菜ジュースを差し入れして、二人練習やランチを七海とする※」という毎日を送っていれば大丈夫だ。氷渡くんはサブキャラで冥加部長ルートを進めれば勝手に出てきます。
天宮さんについては、1人だけ独立のストーリーをしているので、余力があれば、という感じだ。※のルーティンに七海と天宮を交互にするくらいでできる?かもしれない。それか、2周目に。(天宮さんは正チェリスト交代事件には絡んでこないが、頭のおかしい理事長&顧問と直接絡むので、天音学園の上層部のおかしさが堪能できる。)
氷渡くんのおまけアフターストーリーの開放条件が「天音三人を攻略する」なのでできれば天宮さんにも手を出したいところ。(ふつうにストーリーが感動するし。)
次に、『AnotherSky』でのみ攻略できる氷渡を攻略しよう。これで「正チェリスト交代事件」の全貌が、冥加、七海、氷渡と当事者全員の立場から見えてくる。
これで最短効率だ。
効率としては以上だが、七海の男性としての良さがどんどん出てくるのは『4』と『オクターヴ』なので、七海をもっと知りたい人はそっちもやってみよう。
金弦は星奏学院の部長に重大な男塾的号泣ポイントがあったり、他校たちもそれぞれの方向で男塾で魅力的なので是非一度は体験してほしい!
以上である!!