ストレングスコーチになる ~クライアントとして、自分の道を見極める~
ストレングスコーチになるためのプログラムを受講し、終了試験とトレーニングセッションを経て、晴れて認定コーチとなれたワタシ。ついにギャラップ社公式サイトのコーチディレクトリに登録した。感慨ひとしお、である。
一緒に学んだ仲間は、いち早く個人がスキルを教えるマーケットプレイスに登録して活動を開始したり、社内で頼まれてワークショップを開催したり、着実に自分の道を歩き始めている。
そのことを知って焦ったワタシ。メジャーなマーケットプレイスに登録しつつ、独立コーチとしてのホームページの作成を開始した。そこに記載するプロフィールや、提供するコーチングプログラムのメニューを考える作業は、進むべき道のイメージを固めるプロセスだ。肝心なのは「自分らしさ」を正しく把握して「自分ならではの価値」を提供できるスタイルを確立すること、と思う。
もともとイメージしていたのはパーソナルコーチング。B2C型のビジネスモデルを想定していた。仕事を含めた人生をどうデザインしていくか、自分と同じように悩んでいる人たちを支援する仕事をしていきたい、と考えたのが起点である。それに必要なスキルとして「強みを活かすコーチングメソッド」を学び、独立してコーチングサービス提供していくシナリオだ。
しかも、古民家再生と地方移住がセットなので、会社員としてのトップギアな生き方/働き方から、社会貢献とスローライフ両立というギアチェンジを実践しつつ発信していきたい、という思いがある。
一方、プログラム受講での新たな発見は、チームマネージャーへのコーチングがチームパフォーマンス向上にも極めて有効であるということだ。実際、プログラムに参加していた人の多くは、この役割で企業から参加していたし、私自身が会社組織の中でずっと取り組んできたテーマでもある。ここには確実なニーズがあり、自分自身もプロとして経験知がある領域なのだ。とはいえ、これは企業向けのB2B型ビジネスモデル。同じコーチングスキルを活用するとはいえ、パーソナルコーチングとは、適切な商流もサービスデザインも異なるはずだ。
二兎を追うと一兎をも得られない。個人で活動するのだから、なおさらだ。初志貫徹か、勝ち筋を優先するか。どちらの道を選ぶべきなのだろう?
こんなことは、ひとりで考えているとグルグル逡巡するばかり。そんな時、運のよいことに「ポスト・コーチング・コール」が行われた。ストレングスコーチ養成コースの最後のプログラムとして、講師であるギャラップ社のコーチにコーチングセッションを提供してもらえる貴重な機会だ。クライアントである私は、今の悩みを説明して1時間のコーチングをしてもらった。
ながーい詳細は省くとして(笑)、コーチの問いかけにハッとしたのは「『未来志向』の資質を使ってみては?」というところだった。「例えば、三年後の自分が、今の自分にアドバイスするとしたら何を言うか、を考えてみると、そこに答が見つかるのではないですか?」と。
私の上位資質は、①【着想】②【戦略性】で、【未来志向】が10番目。
①②の資質は、私の特長を非常によく説明しているものだ。新しいアイデアを思いつくのが楽しくて仕方ないし、その実現のために様々な選択肢を考え続けることが全く苦痛ではない。
⑩【未来志向】は「未来がどんなものかについて考え、そこからアイデアを得る」「目標が明確になったときに前に進むことができる」資質だ。これと対比される資質【原点思考】は「歴史を理解した時に、前に進むことができる」タイプだという。
私はアイデアを考えることができるし、実行の方法をいくつも考えることもできる。でも、検討しつくしたオプションが沢山あっても、ひとつを選び行動しなければ、何も起こらないのだ。特に組織戦略の場合は、方向性を決めるには意思決定者の承認が必要で、決まらず動けず苦しいことがままあるものである。しかし、自分の人生なら、自分で決めて行動すればいいだけだ。問題は、それが決められない時どうするか、である。
今回のコーチングのお題では、「三年後の姿は?」というコーチの問いかけで、私は「ありたい自分」がくっきりと見えてきた。そのための行動を選択するだけだと気づいたことで、自分でも驚くほど迷いが消えた。
何をよりどころにするのかは、やはり資質によって異なるらしい。経験豊富なコーチによると、【原点思考】の強い人に未来を考えてもらうのは難しく、むしろ過去を振り返ってもらうことで、そこから次の一歩を見つけ出して行動できる場合が多いのだそう。
ちなみに私の場合、原点思考の資質は、全体では32番目、下から3つ目だ。クリフトンストレングスの分析結果が全てだとは思わないけれど、私はおそらく過去を振り返ることでは答に辿りつけなかっただろう、という点は納得である。
自分の道を探すクライアントとしてコーチングセッションを体験し、自分がコーチとしてどんなふうに人の役に立ちたいかのイメージがより鮮明になってきた。準備中のあれこれを早く公開して、スタートしなければ!