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ストレングスコーチになる ~経験から語れる相談役という立ち位置を見つけた~

台風一過ではないけれど、熱帯低気圧に変わった台風10号の影響が弱まって今朝は気持ちのいい青空。風が爽やかだった。

無職の今こそ好機なり、と意を決して、かねてから懸案だった親不知(おやしらず)抜歯に踏み切ってから2週間。翌日から三日間は、まるで漫画の "こぶとり爺さん" みたいな面白い顔で過ごした。その後もロキソニンなしでは何も考えられない日々が続いていたのだけれど、ようやく昨夜は、痛み止め薬を飲まずに眠ることができた。もっとも、オットの証言によれば、昨夜のワタシは「歯が…歯が痛い…。」と呻きながら寝ていたらしい(涙)。

ともあれ、いつも肝心な時に痛み始める厄介な存在だった最後の一本と決別し、早期退職から早くも一か月が過ぎた快晴の朝。しばらくぼんやりしていた脳味噌をたたき起こして、これからの生き方を改めて考えた。

還暦まで数年を残し、大企業の管理職というテッパンの安定を手放す決心をしたワタシ。いつかやってみたかった「古民家再生」に着手しつつ、暮らし方を変えるべく「地方移住」の準備を進めている。まだまだ働くつもりなので、スキル強化のためコーチングを学び、ストレングスコーチの認定資格も取得した。さてこれからどうするか。

当初の目論見では、まず個人をクライアントとする「パーソナル・コーチ」として独立、徐々に活動の幅を広げていくようなアプローチを漠然と考えていた。いろいろ調べてみて、適切なコーチングサービスが今後もっと広く求められていくはずだ、と判断したのだ。

ところが、いざ着手してみると、国家資格など必要ないコーチ業の参入障壁は意外と低くプレイヤーも多い。前回の記事でも書いた通り、私自身が提供するコーチングサービスの特長というか真価が問われる。提供価値がどんなもので、どうやって適切なクライアントに届けていくのか、が問題なのだ。

いわゆる「コーチ」の役割は「傾聴・質問・承認」が基本。答えはクライアント自身が見つけ出すものだ。コーチはコミュニケーション技術によって、クライアントの力を引き出していく。コーチングのトレーニングを受けながらワタシの得意領域だと感じたのだけれど、実はこれだけでは「弱い」。

コーチングで最も一番大切なのは、クライアントが目指すゴールに、確実にたどり着けるようにすること。単なる感情の吐き出しや思考の整理で終わってしまってはいけないのだ。そもそも方向を見誤ればゴールは遠ざかるし、たとえ正しい方向を見極めたとしても、行動を起こさなければ何も変わらない。このプロセス支援が肝要なのである。

時に「コーチは自らの価値観を表現してはいけない」と言われたりもする。けれど、方向修正に必要な視点を提示したり、自らの経験を踏まえたアドバイスを織り交ぜた対話を行ったりするような、受け身ではないアプローチが必要になる時もある。このとき、アドバイスする側に対象領域についての充分な知識や経験が必要なのは言うまでもない。但し、それは「コーチング」というより「コンサルティング」領域なのかもしれない。

あれこれ考えてみたところ「あらゆる人の悩みを解決に導くコーチング」は、サービスイメージがフワフワして私の手には負えないことが分かった。ところが、自分自身が組織人として身につけてきたスキルや考え方を基盤にして、「交渉術」「キャリア構築」「チームマネジメント」などに悩んでいる人を支援すると考えると、いくらでも具体的なアドバイスができる。今、まさに自己テーマとして取り組み中の「キャリアシフト」も同様だ。

注意すべきは、クライアントの強みは私のそれとは別物だということ。私にはない強みを持つ人が上手くいくやり方は、私のやり方と同じはずがない。この点は、コーチングの基本をきちんと守らなければいけないと思う。

なかなか埒があかない状況に、いささか焦りを感じていたワタシだけれど、かつて一緒に働いていた同僚や後輩たちに、送別会を開催してもらったお礼がてら CliftonStrengths®関連の本を渡してみたりしていたら、ボチボチと「アセスメントを受けて興味がわいたのでキャリア相談してみたい」なんて話が来るようになってきた。少しづつでも前進しているのだから、上等だ。

さて、抜歯痛(!)を乗り越え、次のステージへ…。



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