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Spieler-自己紹介-(続き)
こんにちは。Spielerです。
自己紹介なのに続きがあるとか、小賢しくてすいません。。
続きでは、30歳で脱サラし設計会社を起業してからの事を少し長いですが書き綴りたいと思います。
以前の自己紹介でスキして頂けてめっちゃ嬉しいです。私もスキです///(笑)
-起業-(2014)
「フリーランスはいつでもなれる。」そんな思いからいきなり法人化することにしました。当時自分の住んでいたアパートの一室からスタートします。
最初3DCADのソフトを何にするか本当に悩みました。
当時は、CATIA、PRO/e、Creo、SolidEdge、SolidWorks、ICAD辺りが製造業ではメジャーでした。2DCADではDXFという拡張子に変換をすることでCADソフト間のやり取りは大体クリアできましたが、3DCADの場合そんな簡単ではありません。一応STEPやIGSなど多数の拡張子は存在していますが、あくまで3Dの形状のみ。その為、どのメーカを採用するかはかなり悩みました。結果として私はSolidWorksを使っていく事に決めました。
理由は
・単純に使い慣れている
・地元の大学や工業高校で採用されている
・単品の強度解析がついている割に安い
・世界シェアは意外と多い
という点でした。
PC、モニター2枚、キーボード、マウス、プリンタ、固定電話。それだけ用意すれば十分でした。「在庫は持ちたくない。製造には手を出さず、設計だけで堅実にやっていこう」最初はそう思って起業しました。
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とにかく1年目は自分の時間を売って年商1100万。そこで早くも時間売りの限界を感じました。
2年目(2015)
「うちの息子がフラフラしてて心配だから雇ってくれないか?」取引先の社長から言われました。業界未経験の若い社員。不安でしたが雇用することになりました。しかし自分は設計案件をこなしながら、未経験の子を1から育て上げられるような優秀な人間ではない事に気づきます。すぐに愛想をつかされ離れて行ってしまいました。
ただ若い子と仕事をして得られた事もありました。それはクラウドサービス。それまでクラウドというワードを聞いてはいましたが、実際に業務として活用したことでしっかり理解を深めることが出来ました。
3年目(2016)
以前から交流のあった百戦錬磨の電気制御エンジニアと機械組立エンジニアを雇用することになり、私の側近となります。とても心強く仕事の幅がぐんぐん広がっていきます。自宅兼事務所のアパートでは手狭となったため、早速事務所を借ります。
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”固定費を増やしたくないから製造はしない"。そう思っていましたが、「設計だけではエンドユーザーの喜ぶ顔が見れないよね。やっぱり自分たちで設計したものは、自分たちの手で組み上げたいよね!」社員が同じ方向を向いた瞬間でした。
4年目(2017)
設計と製造。そうなると調達も行う事になる。そうなると事務作業も増えていく。自分はものづくりに集中するために事務担当の若い女性を雇いました。元気な女性は会社の雰囲気を上げます。良いスタッフと出会えました。
このころから地元の製造業も3DCADでの設計が一般的になってきたなぁという印象を受けました。「私は2Dだけしかやりません。3Dは時間がかかるだけです。あんなの邪道です。」そう言い放つ年配の機械設計のエンジニアさんは、どんどん仕事が切られていく印象を受けました。
5年目(2018)
私の経験が深い業界は、自動車部品関係と液晶半導体部品関係。その業界の特注専用機(組立機、検査機、洗浄機、治具等)なのですが、この時期にあるきっかけから工作機業界という未開の業界へ足を踏み入れていく事になります。
日系4大工作機メーカー
・DMG森精機
・ヤマザキマザック
・ジェイテクト
・オークマ
そして制御と言えば
・ファナック
・三菱
・シーメンス
この工作機業界と言うのが知れば知るほど非常に面白い!
どんどん工作機業界に舵を切り始めました。
6年目(2019)
ここまで人を増やさず、私を入れてスタッフは4名。気付くと年間の売り上げは6000万を超えていました。本当にスタッフの方には感謝しています。
設計をしながら製造をしていましたが、なんたってOAフロアの事務所内。
重量物などは勿論置けません。搬入排出口も狭い。クレーンもない。ちょっとした加工もできない。しかし工作機業界の設備は重いしデカい。
そうなると考える事はただ一つ。そう「工場が欲しい!」
7年目(2020)
思い立ったが吉日。すぐに物件を探します。
「僕らはこれからも少数精鋭でいたい。」
そんな規模感の中古の工場。
そんな都合よく見つからない。
どうするか。建てましょう。
早速雑木林の土地を購入。
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という事で完成。
最低限の設備。こだわり抜いたスマート工場・・・(ただのプレハブ)
「ここからぶち上げていくぞー!!」そう思ったのも束の間・・。
誰も予想だにしなかった激震が走ります。
7年目(2020)
誰も予想できなかった出来事。そう「コロナウイルス爆誕」です。皆さんも身をもって体験されている事と思いますので割愛しますが、我々も大きな変革期を迎える事になります。そんな中でもこの年は素晴らしいエンジニアが仲間に加わることになります。Web開発のプロ。そうシステムエンジニア(SE)が入社しました。早速社内の勤務管理や在庫管理のスマホアプリを自社用に開発。非常に使い勝手がよく便利。どんどん業務がスムーズになっていき、これからの製造業の未来がうっすらと見えてきた感じがしました。
8年目(2021)
SEの入社により、時代の変化に置いて行かれないように必死に知識を増やしていきます。そんな中、SIer(エスアイヤー)という言葉。ロボットシステムインテグレーターの総称ですが、よく耳にするようになります。私たちがいた業界では「多関節ロボットは装置の内部に組み込むもの」というイメージが強かったのですが、ここで言うSIerとは「多関節ロボットを中心としたシステム」という意味合いで使われることが多いと思います。「SIerはこれから需要が伸びるぞー」なんて言いますが、多関節ロボットはいわば人間で言う腕のような所。ロボットの周辺には用途に応じたロボットハンド、供給排出装置、検査装置、洗浄装置、搬送装置、…などなど様々な特注装置を設計製作して実装する必要があります。
私が思うにSIerと言うのは工務店に似ていると思っています。案の定SIerと名乗る企業(主に商社)から我々を下請けとして利用しようと、至るところから引き合いが入るようになります。我々の進む道が見えてきました。
9年目(2022)
工作機メーカーの仕事を積極的に請負う事により、工作機業界をどんどん知ることになります。そして考察します。
「我々の立ち位置はどこか。」
「これからの時代で求められる企業とは。」
「これから先どのような製品にニーズが集まるか。」
ようやく経営者らしい考えにたどり着きます(笑)
11/8~13の6日間。製造業最大の展示会JIMTOFが開催されました。
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取引先の工作機メーカーのブースを巡ります。そこには自分たちが設計製作した装置が展示され、人が集まっている。とてもうれしい光景です。
そして何より驚いたのが、工作機業界で働く方たちのつながり方です。あくまで一部でしたが、若い経営者やインフルエンサー中心にSNSを上手に活用し、ネット上で盛り上がっている。これからの工作機業界の成長は早い。その様に強く感じました。
そんな形で9年目が終わりになりそうです。
スタッフは私を入れて現在5名。年間売上はようやく1億を超える事ができました。少規模ながらそれだけの発注をして頂ける。それだけ取引企業様に信用して頂いているという事が、何よりも頭が下がる思いです。恐縮です。
本当にありがとうございます。
・・・という事で起業してからの仕事の話が自己紹介となってしまいましたが、プライベートの趣味なども交え、これからも書き溜めたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ではまた。