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ココがすごいよ!! OnRobot【第6弾】  -Gecko SP編-

こんにちは。Spielerです。

ココがすごいよ!!OnRobot【第6弾】ということで今回はグリッパー界の異端児、”Gecko SP”について掘り下げていこうと思います!

難しい言葉は使わずに簡潔に紹介していきますので、OnRobotに興味があれば是非見てってください!


・Gecko SP グリッパーとは


Gecko SP5

OnRobotの中でも知る人ぞ知るグリッパー!!

なんとこのグリッパー・・・

動力を使いません”

・・・意味わかんないですよね。
私も最初意味わからなかったです。

グリッパーの名称にもなっているこの”Gecko”という意味。
直訳すると”ヤモリ”です。

そう、これはなんとヤモリの触手を研究して作られた”粘着パット”になります。

この力は”ファンデルワールス力”と呼ばれ、この仕組みを応用して作られたグリッパーがこのGECKO SP グリッパーなのです。

この技術をOnRobot社が開発??

・・というのは俄かに信じられなかったので、個人的に気になり色々と調べました。するとドイツのとあるメーカーに辿り着きました。

INNOCISE社(ドイツ)
https://www.innocise.com/

私が個人的に調べただけなので、もしかしたら間違った情報かもしれませんが、恐らくこのドイツのINNOCISE社が開発した技術を、OnRobot社がOEMで使っていると思います。

もし違っていたとしても、"原理"はきっと同じなので、技術的な資料はINNOCISE社のサイトがとても参考になると思います。

旧式GeckoGripper

余談ですが、同じGECKOグリッパーでも上記の製品を目にされた方がいるかもしれません。このタイプは現在廃盤になっておりますのでご注意ください。(旧式はかなり大きくて使いにくそうですね・・・)


・優れた3つの特徴

1.電動源/エア源が不要

粘着パットですので、このグリッパーに関してはコントローラー不要です。
このGecko SPグリッパーのみ取り付ければ、すぐに使うことが出来ます。

2.多孔質のものでもOK

エアを使って吸引するわけではないので、エアーの漏れを気にする必要はありません。単純に”張りつけばOK”です。
このように穴が開いている板でも問題ありません。

多孔質板

3.吸着跡が残らない

そもそも吸着パットが存在しないので、吸着跡が残りません。
その為、ガラス基板半導体の部品で使用することが可能です。


・接着できる条件は?

特徴を3つ上げましたが、もちろん万能になんでも接着ができるという訳ではありません。”接着”という観点から苦手なワークもあります。

1.面粗度が悪いものは苦手

ガムテープと同じで、面粗度が良いほど強く接着することが出来ます。Gecko SPグリッパーは可搬質量が”1kg,3kg,5kg”の3種類が用意されていますが、平滑なガラス面、又は鏡面仕上げされている面の場合です。
極端ですが、その位の感覚で覚えておけば間違いないです。
よって面粗度が悪くなればなるほど、性能が低下していきます。

2.ゴミが付着しているもの

これも面粗度に共通しますが、異物が付着すると性能が落ちます。また異物ががグリッパー側に付着することで、次にハンドリングさせるワークに傷をつける恐れもありますので注意が必要です。


・どのようにワークをリリースするのか

まず接着するイメージは下記のようになります。

把持手順

把持手順に関しては、まぁそうだよね。

という印象だと思います。

では次にリリースを見てみます。

リリース手順

まさかの”傾けてリリース”です!(強引)

機械的に把持しているのでもちろんリリースも機械的に行うと言った感じですね。リリースに必要な角度は10°です。

実はこの”傾ける”という動きは、ロボットを動かす必要があるので、ロボット稼働エリアに注意が必要です。


・外観寸法

特に内部に動力が入っていないので、とてもシンプルですね。


・他社製品との差別化について

こんなグリッパーはOnRobotだけ!・・と決めつけるのは早いです。
視野を広く持つことは非常に重要です。

私の知る限り、OnRobot社以外ではドイツのSCHUNK社でも”ADHESO”という商品で販売されています。

https://schunk.com/jp/ja/zhi-pin/gurippingu-ji-shu/adheso

SCHUNK社と言えば1945年から続く、世界的にも非常に信頼された老舗中の老舗メーカーです。

価格についても、予想ですがSCHUNK社の方が安いかもしれません。

というのも、OnRobot製品はクイックチェンジャーを用意しないとロボットへ取り付けることが出来ない構造となっている為です。

OnRobot社は、自社のツール群と簡単に脱着交換ができることが利点なので、脱着交換を目的としないのであれば、SCHUNK社の方がメリットが出る可能性が高いかも・・・・(小声)

・デメリット

特徴的なハンドのため、デメリットもしっかりお伝えしておきます。

・ワークにストレスがかかる
リリースの際にワークを傾ける為、ワークへのストレスが懸念されるので応力にデリケートな製品は注意が必要です。

・定期的なクリーニングが必要
簡単に外せるので、クリーニングはしやすいけど・・・

・パットのヘタリ具合の予想が難しい
どの位でヘタるのか、使い方によって変わります

・異物に弱い
綺麗な面しか使えない

・ワークの有無検出が出来ない
ハンドにセンサは無い為、持っているかどうかはハンド側では検出できない


・まとめ

いかがでしたでしょうか。
かなり特徴的なグリッパーを紹介させていただきました。

このグリッパーは”省エネ”という点でとても素晴らしいですね。

スローペースですがまだまだOnRobotのツール紹介を続けますので、
気になる方はフォローいただけると喜びます!

ではまた!


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