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執筆を振り返る

レトロスペクティブ

 簡単ですが、「ソフト開発失敗本」執筆の振り返りをしてみました。振り返りと言っても本の内容ではなくて、執筆活動の振り返りです。

定量と定性の両面で振り返る

 定量的な振り返りと、定性的な振り返りを実施しました。定量的には作業計画と実際にかかったストーリーポイントの差をみます。自分がどのくらいのベロシティで作業が出来るのか、次回の参考にします。定性的にはSprintごとにやっていたKPT(Keep/Problem/Try)を俯瞰して、良かったこと改善が必要なことを考えてみました。

定量的振り返り

ベロシティ

 図にストーリーポイントの推移を示します。Sprintはすべて2週間です。つまり2週間ごとにどのくらいのストーリーポイントを計画し、実施出来たのかというグラフです。

各Sprintにおけるストーリーポイントの計画と結果

 これを見るとばらつきはあるものの、平均してSprintごとに45ストーリーポイントはこなせそうということが分かります。つまりベロシティは45と言うことです。

 一番最初のSprint1ではこのベロシティが分からないため、ちょっと遠慮がちな35という数字でスタートしました。Sprintを経るごとに、あれ?自分もうちょっと出来るんじゃね?ということが分かってきて、少しずつ計画値を上げていっています。自分のペースを確認していることが良く解ります。特にSprint4、Sprint5のあたりが顕著で、Sprint4で頑張って56ストーリーポイントこなしたものの、次のSprint5はやっぱり47しかできませんでしたという結果が出ています。やっぱり自分50こなすのは無理があるんや……と言うのが分かりますね。

頑張れるゆとり

 にもかかわらず、Sprint9では70ストーリーポイントもこなしています。実はこうなっちゃったのはいくつか要因があります。

  • 各エピソードに失敗事例が記載されていないことが発覚(ぉぃぉぃ)。エピソードごとに1P追加が必要になった

  • 脱稿の時期と重なって尺八の准師範試験があり、Sprint10の期間で勉強する必要があった(実は私、尺八もしておりまして)

 予定外の追加ページを作らねばならない、ということに加えて別件の予定もあり、Sprint9で頑張らないと締め切りに間に合わない!ということになったわけです。ここはとにかく可能な限り作業をこなすしかないということで頑張りました。その結果70ストーリーポイントこなすことができました。

 しかし、この70というのはかなりいろんな時間を都合して頑張った結果ですので、これを定常的に実施するのは無理です。正しいベロシティはやはり45程度でしょう。とはいえ、なにか突発的なトラブルがあった時には、一時的にプラス20ストーリーポイントぐらいまでなら対応できる、ということかと思います。頑張れるゆとりはプラス20ぐらい(1Sprintに限る)という事実を理解しておけば、何かあった時に頑張って出来る範囲かどうかの判断基準にできます。

宣材製作

 Sprint15からは宣材(SNSで紹介した裏話)の製作に入っています。この時期ほぼすべてのSprintで見積もりより5~10ストーリーポイント実績が上振れしています。これは見積もり時にもっと漫画作成には時間がかかるだろうと見ていたということです。特に漫画ネタを思いつけるかどうかは未知数でしたので、基本最後まで見積もりを変えずに進めました

 結果的にはどのSprintでも上振れして(想定以上に早く作成して)いましたので、次からは見積もりをもう少し厳しめに見直してもいいかもしれません。こういう「アイデアを出す」というタスクの見積もりは難しいですね。今回はなんとかアイデアをひねり出せましたが、もちろん出ないこともあるでしょう。なんとなくですが、企画提案的な作業にはこういった計画法は向いていないのかもしれません。十分に時間をとって考えることが必要です。(それでも締め切りはやってきますけれど)

定性的振り返り

三つの約束

 実はこのプロジェクトを始めるにあたり三つの約束を決めました。

  • 感謝する

  • よく聞く

  • 規則正しい生活

 会社も辞め本を出す、なんてわがままをさせてもらっている事は普通ではありません。支えてくれている妻をはじめ周囲の方に感謝を忘れてはいけません。

 そして物書きをするということも初めての経験ですから、全くの新人として、よくよく人の話を聞く事が大事です。もう入社34年のベテラン社員なんてこの世にはいません。日々学ぶことばかりです。知ったかぶりをせず、素直に知らないことを聞き学ぶのです。

 また何より健康は大事です。健康の源は規則正しい生活です。決まった時間に起きて食事をとり、決まった時間作品制作にいそしみ、適度に運動をし、決まった時間に就寝するのです。会社員時代に出来ていたことを、継続して実施するのです。

 この三つの約束を各Sprintごとに★5つで評価していきました。最初★3つで初めて、最終的には全て★5つで終了です。なんか自分に甘々な感じですがいいのです。実際に規則正しい生活のおかげて、会社を辞めてから着実に太って脂肪肝に……えっと、足の指が痛くなって尿酸値が……あーその。

(注:会社時代は通勤に片道2時間かかっていたので、その分辞めてから運動不足になっていたようです。ちょっとした運動を始めて、体重も会社員時代に戻し、血液検査の結果も戻ってきました。痛風も改善してきています)

KPT

 各Sprintで図のようなKPTもやっていました。

KPT(Keep/Problem/Try)

 このKeep欄の内容はこれ以前のSprintでTryしてみてよかった施策を記載しています。やって効果がないものは止め、効果のあるものはKeepとして継続実施しています。

 7時間寝る!と言うことに関しては、ポケモンスリープがいい仕事をしてくれたと思います。毎日決まった時間に寝てカビゴンを育てております。

 AM作業と言うのは、少なくともAMという頭がすっきりした時間をちゃんと活用しようということです。実際に夜に書いた文章は朝みたら恥ずかしくなるものが多く、文章に関しては出来るだけ朝に集中して書く方が自分は効率がよかったと思います。

 AMは文章を書き、昼からは漫画パートを描くなど楽しいご褒美の時間に使いました。

 また「たんてきに聞けた!」というのは、自分の作ったものを妻にレビューしてもらう際、どこを見てほしいのか、どの点について意見が欲しいのか伝えて聞くことが出来たということです。漫然と見せても「いいんじゃない?」とかで終わる事もありますので、たとえば「このハルさんのセリフで、何が課題になっているか読んでわかるかしら?」と言う風に聞くようにしました。

 これ見てと原稿渡すだけだと、はーいと言って横に置かれます。時間のある時に読もうという感じですね。一方見てほしいところを端的に聞けば、すぐに見て返事を返していただけます。レビュアーとしても時間の節約になります。

 自分の気づいていない、おかしなところも教えて欲しいので、出来たらそのほかも読んでおいてねとお願いはします。ですが、このパパっと端的に聞く法補でも、充分違う観点での気づきが得られますので、タイパのいいやり方かと思います。

 そしてレビューのお礼にホットケーキを焼きました。そういえばロールケーキも作ったですよ。常に感謝を忘れず形にも示すようにここに書いています。家で作業をする際に、家族が感謝とおやつで笑顔になることは、すべてがうまく行くための土台であると思いました。

(余談ですがロールケーキ驚くほど難しい!スポンジはかように膨らまないものなのか!!!三日連続で作った失敗作を食べ続けるという。ケーキ失敗本作ろうかしら(涙)ちなみに改善点を上げるならここ!もうちょいおやつの成功率を上げる)

 これらの施策はいずれも効果がありましたので、これからも続けていこうと思います。

まとめ

 今回の振り返りで次のことが分かりました。次回に生かそうと思います。

  • ベロシティは45。緊急時、1Sperintに限りプラス20ストーリーポイントまでこなせる(他の案件がない限り)

  • アイデア出しは時間が読めない。見積もり上余分に時間を確保しておく

  • 規則正しい生活(AMの活用、7時間睡眠)を続けると健康にも生産性にもいい

  • 傾聴し、感謝を忘れず、笑顔を絶やさないことが大事

  • おやつは食べすぎると太る

 ここまでお読みいただきありがとうございます。この記事、自分の覚書としてしたためたのではありますが、執筆であってもデータをとるメリットなど、誰かのお役に立てれば嬉しいです。
(ってさすがにプライベート過ぎたかしら(;´д`)失礼しました)

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