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障害者求人サービスのnoteで心が寒くなった話
noteのユーザーはログインすると、カスタマイズされたトップページが出ている。何回か調べていくと興味に応じた(とシステムから判断されて)関連するトピックが表示されている。というわけで、今回は、近ごろ検索ワードに障害者雇用や自身の状況を入れていた1人(=筆者)の体験談だ。
ここ数日、[発達障害]というまとめタイトルの下に、某障害者求人サービスのnote記事が上がっている。内容は「執筆メンバーが選ぶおすすめ記事10選」という企画。アカウントのコンセプトが「多様性が大事!」であり、「多様な働き方や価値観を知りたい人に読んでもらえるnoteにしたい」といった決意で締めくくられている。
この記事に「いいね」がどんどん付いていくが、その様子に違和感がある。
実は、筆者は障害者雇用の対象だが(広汎性発達障害など)、企業noteを持つサービスのすべてから、紹介見送りの状態。ここで挙げた企業も例外ではない。
むしろ、どこよりもドライな対応だった。
・〇日までに求人情報が届かなかったら終了
・個別連絡はしません
と予め伝えられて、実際、その通りになった。そのこと自体を問題にしたいわけではない。状況として理解できなくもないからだ。どこも理由は言わないけど、およそ以下のようなことだろう。「転職多くても、いろんな場所で働けてるから、これからも大丈夫ですよね?」もしくは「若かったらいいんですけど」「こんな高い希望年収額言われてもね……」「もうちょっと綺麗な顔だったら……」など(ちなみに年収額は、LPや広告に載っている額より低い額を希望している)。
障害者求人紹介に関わる多くの企業がnoteにアカウントを持ち、雇用主側に向けて発信している。就労者側向けの中には当事者に発注している場合もあり、そこには仕事が発生している。しかし、当事者が実際の求職活動で役立てられる情報は、さほど多くない。
企業にとって障害者雇用は今や「やらなくてはならない」もので、安定した需要がある。ただし、多くの担当者とっては業務の一環であって、切実さはないと想像する(いろいろな場所で働いている実感として)。
もしも、万が一にも、法律に揺り戻しのような変更があったとしたら、「もう不要だ」と判断する企業も少なくないだろう。当事者にとっては法律があろうとなかろうと、必要不可欠であることに変わりはない。
中には、求人紹介を断られたことをnoteで記事にしている人も見かける。 同じプラットフォームでサービスの利用者も記事を書いてる点は、広報視点では、あまり問題にされていない。そのような企業noteと個人noteの温度差が、そのまま障害者雇用/就労のギャップになっている。そんなことを考えたら、北風にふかれながら心まで寒くなった。
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