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【2/10まで】ドイツ発のマンガ『今日が人生最後の日』が日本語で読めるプロジェクト

まだ読んだことのない作品について書こうとしている。日本語版がクラウドファンディングで作られる予定のマンガだからだ。

ベルリン在住の女性作家ウリ=ルストが描いた『今日が人生最後の日』(原題:heute ist der letzte Tag meines Lebens)は、1984年に17歳だった著者の実体験をもとにした作品。2009年の発表から世界11ヵ国で翻訳され、ヨーロッパのマンガシーンでは名作とされている。現在、日本語版発売のためのクラウドファンディングが行われている。企画したのはシュークリーム。「フィール・ヤング」をはじめとするマンガを世に送り出してきた同社が、海外の女性作家の翻訳プロジェクトを始めるという。その第一弾にあたる。(2/10まで)

作品の概要に触れておこう。
感受性の鋭さから「自由」を求めたパンクキッズとの交わり。陸の孤島ウィーンから青い海を目指して、パスポートもお金もないのに(EUできる前なので、密入国になる)シチリアまで旅を続ける。待ち受けるのは、新しい出会い、友情とセックスアンドドラッグ。裏切り、物乞い生活、留置所送り。2ヶ月にわたる怒涛の日々を描く。

著者本人のインタビュー(ショート版)はこちら。こういう話だけど、主人公のモデルが生き抜いているところで、ある種の安心感が持てる。

2000年前後に、80年代〜90年代前半の触れていなかったニューウェーブ、パンクロックの重力に引き寄せられていたことを差し引いても、タイムラインに流れてきた引用コマに引き寄せられてしまった。「これは読まなくては!」とクラファンに参加している。後から購入するより安く・早く作品を手にできるというのは、1番のポイントだ。楽しみ。

詳細は、以下のページで確認を。いろんな方々の推薦文も必見。ガイブン好きの人もいけるんじゃないだろうか。

海外コミックスについては造詣が深くないけど、日本のマンガが世界に開いていくのと同時に、海外文学と同様に翻訳の回路も開くことが重要になりそう。その辺りのことを調べていると、また、専業でマンガを描いている人はほとんどいないという。日本市場の特殊性も感じた。

日本のマンガとアメコミ、バンドデシネ以外のマンガの可能性について。日本にいるからできることもありそう。

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香野わたる
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