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初めて有給を使い切ったのに、しんどい【ままならない身体】

社畜なりに、お守りにしていると良い言葉がある。
「自分の代わりなんていくらでもいる」
これを初めて聞いたのは、印刷会社の制作部門の派遣時代。先輩のアートディレクターに言われて、グサッときたけど、ラクになった。広告制作会社でも、うまく行かなくなって、そんな声をかけられたことがある。

ほどなくして、おかざき真理『サプリ』にも登場しているのを知った。もちろん、こちらの方が数百倍、印象的なのだが。多かれ少なかれ、ブラックと言われる環境には、それなりのシステムが働いている。

〈自分ひとりいなくても仕事は回る〉
〈自分の代わりなんていくらでもいる〉〈それが会社〉
〈サラリーマンていうのは〉〈死なないためのシステム〉

ところが、このお守りすらあてにならない会社があるのだから、本当に世の中は油断ならない。

どれだけブラック企業だと糾弾されようとも、「死なないためのシステム」があれば、組織として持続性があると言える。本当にヤバいのは、然るべき相手に助けを求めた時に「がんばってください、責任もってやり遂げてください」としか言わ(せ)ない組織だ。

ところで、今まで自分は、やりたいことの時間を捻出するために、ちょっとだけ無理をしてきた。主な対象は睡眠時間だ。昔から寝つきが悪かったので、限界まで粘って倒れ込む方が、寝つきも良くなった感じがして気分が良かった。でも、おそらく、そのやり方は間違っていた。

11月最終週に高熱がでて、5日間ほど横になっていた。そこで衝撃だったのは、身体が異様にスッキリしたこと。身体機能としては弱っているのに、顔まわりの肌は生き返るような柔らかさになり、万年のむくみがほぼ感じられない。睡眠大事。

高熱が出たため、抗リウマチ薬が飲めなかった。薬の効き目が切れてきたら、身体中が痛くなってしまった。正直しんどい。それでも、驚くべきことに、寝ていると肌の調子はいいし、むくみがほぼない。これはすごい発見だった。

これまでやってきた睡眠時間の削減は、先に紹介した「本当にヤバい企業」とやっていることが変わらなかった。せめて自分の身体は自分で守らないと。次に休んだら「欠勤」になるので、それはもう、とにかく避けたい。

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香野わたる
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