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居心地悪いとき
時刻は12:34。
お昼休憩だ。
ひとり離れた席で昼食を摂る。
ななめ前の2人の看護師が会話を始めた。
30代と40代の2人の女性。
30代の女性がよく話し、もうひとりが聞き役に回る。
穏やかなふたりから、リラックスした空気が伝わってくる。
家庭のこと、天気の話、タクシー運転手さんのことなどが聞こえてくる。
左の小部屋では声の高い女性がふたり笑いあっている。
ふと
30代の女性の声が気になり始める。
そうしているうちに、
盗み聞きしている気分になってきた。
理由はなんだ。
彼女の低めの小さな声だ。
完全にナイショ話のトーンなのだ。
『歳をとって耳が遠くなった』と言ったおばあちゃんが居たとする。
ナイショ話に限って聞こえているというのは、よく聞く話だ。
あれは低めの声で耳元で小さな声で話す方が
高齢者にはよく聞こえるから。
あれと理屈が似ている。
理由がわかると、
勝手に居心地悪くなっちゃって
申し訳ない気分になった。
席を立つ40代の女性が近づいてきた。
いつものようにお菓子を分けてくれる。
ひとりの私にも声をかけてくれてうれしい。
そんなふたりは
わたしはすきだ。
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