【子ども食堂インタビュー】はぐくみさんに聞いてみた! EP.1子ども食堂を通した人とのつながり
神戸市長田区で子どもの居場所づくり活動を行われている「地域で作る子どもの居場所・はぐくみ」さん。月一回の子ども食堂や、各種行事のイベントを開催されています。今回は広報担当の堀田さんにお話を伺いました。
1.はぐくみの生い立ち
――それでは、はぐくみさんの生い立ちや、子ども食堂をやろうと思ったきっかけなどを教えてください。
堀田さん 立ち上げたのが2016年の4月なので、そこから7年半になります。はぐくみは、もともと“若草物語”という喫茶店で、はぐくみの会長がもともとの仕事を退職後にそれを運営していたんですね。
僕はそこのお店の常連だったんですが、ある日その会長から「子どもの貧困問題というのがあるらしい。昨日テレビでやっていたんだけど、私子ども食堂というのをやってみようと思うんや」と言われて、その時は「そうなんですね、手伝えることがあったら僕も手伝いますよ」といってその日は帰ったんですね。
その数か月後くらいに、普段より少し遅れて若草物語にお昼を食べに行ったら、会長が何人か見知らぬ人を集めていたんですね。「なんだなんだ」という感じで尋ねたら、会長が「ついに子ども食堂をやるで。そのための仲間を集めてきたんや」ということだったんです。
私は話し合いをしている横でお昼を食べていたんですが、「団体名どうしようか」という話をしている時に、横から私が「はぐくみが良いんじゃないですか。大人も子供も育みあえるような、そんな場所を作るという意味ではそれが一番良いんちゃいますか」と言ったら満場一致の賛同を得て、団体名が決まりまして、私も巻き込まれるということになりました(笑)。それが生い立ちですね。
元々子ども食堂を開ける場所と運営母体があったということや、はぐくみを始めたのがちょうど全国に子ども食堂が広がっていくタイミングでだったので、手伝ってくれる人が集まってきてくれたということが、成り立ちの一つとしてあると思います。
2.子どもたちとの繋がり
――ではまず、はぐくみさんの方で子ども食堂をされている時に、どのくらいの子どもたちが来ているのかや、人数や年齢層などについて教えてください。
堀田さん 結構ばらつきがあるんですけれども、この1,2年は、保護者も含めて1回あたり15名から25名くらいです。子供だけの人数で言うと、15人くらいになることがあります。 来場する子供の7割程度が小学生なんですが、低学年の子供より中学年以上の方が多いんですね。というのも、近くの小学校の5年生の子で、友達を連れてきてくれる子がいまして、その子が友達を連れてきたりすると、中学年以上の子供の方が多かったりします。
最近はそういう、近くの小学校の子どもとのつながりが増えてきたのが結構いいことかなという風に思います。
最初5年位のちょうどコロナ直前ぐらいまでが、なかなか近くの小学校の子どもとの繋がりがなくて、はぐくみの知り合いの子たちばっかりだったんですよ。それがちょっとね…。コロナ禍であっても、月に一回開けるように極力私たちもやっていたんですが、ちょうどその頃から近くの小学校・中学校から子どもたちが来るようになりました。それが、近くの子どもたちとのつながりができる理由の一つだったのかなという風に思います。
来てくれる子供たちの半分くらいが近くの小学校の子ですね。あとは放課後デイサービスと言って、障碍のある子どもの放課後の学童保育のようなものがあるんですが、そこの子たちも来てくれるようになっています。そこも、もう3年半くらいのお付き合いですかね。ちょうどコロナ直前くらいにそこの代表者の方とお知り合いになって、そこからのお付き合いになっています。
――ありがとうございます。やっぱり繋がりや、子どもたちが来てくれること大事なんですね。
堀田さん そうですね。来てくれることが一番大事で、そこからやっぱり「ここの子ども食堂面白いな」とか「楽しいな」とか思ってくれたから、それで友達を連れてきてくれるようになったのかなと思います。
3.地域との繋がり
――では、次の質問なんですが、長田区で子ども食堂を開こうと思われた経緯を教えてください。
堀田さん これはもう単純明快で、子ども食堂を開催するスペースがそこにあったからです。
喫茶店があって、立派な会館があって会議室もあるので、もうここでやるしかあるまいということですね。
ただ、はぐくみのメンバーにこの地域に住んでいる人があまりいなかったんですよね。みんな少し離れたところに住んでいて。やっぱりそこは、小学校や児童館とかとのつながりがなかったという点ではマイナスになりました。
――逆に、長田区でやっててよかったなと思った経験などはありますか?
堀田さん そうですね、結構面白い出会いがたくさんありました。長田区って在日外国人の方が多い街ですよね。特にこのはぐくみの近辺というのはベトナムの方がめちゃくちゃ多いんです。ベトナム人協会のつてで来てる人もいました。
あと、近くにベトナム友好協会というのがあって、スタッフがそこの人と知り合いだったので、そこから食料提供を受けたりしました。そういう意味で言うと、地の利があってよかったし、ベトナム人の子から気づかされることもたくさんあったかなという風に思います。
4.運営メンバーとの繋がり
――ありがとうございます。それでは続いての質問に移りますね。
子ども食堂「はぐくみ」さんについて、ほかの子ども食堂にはないようなアピールポイントはありますか?
堀田さん ずばり変な奴らがたくさんいる、です(笑)。老若男女、10代から80代までいろんな方がいます。それぞれの持ち味を生かして頑張っていると、変な奴らがいるっていうのをきれいな言葉で言い換えてみましたけど、まぁズバッと変な奴らがいっぱいいる、でいいのかなという気もします(笑)
ほんとに年齢も経験も違う大人たちが一緒に何かできる機会っていうのはなかなかないと思うので、そういう場で成長したり、生きる糧としたり。そういう意味では、大人にとってもはぐくみはいい場所なんじゃないかなという風に思います。
――実際にいろんな性別や年齢の方が一緒にいる良さを感じたエピソードってあったりしますか?
堀田さん それぞれの料理が得意な人がいたり、何かしらに秀でた人たちがたくさんいるので、料理をいろんな面から学べるというのがすごくうれしかったという人がいました。
あとはまぁ自分自身は、活動してるとやっぱり行き詰まったりもするんですよね。仕事の方も含めてバタバタしたりすると、そうしたときにベテランの人たちが知恵をくれるんですよね。知恵をくれて、「人生こんな時もあるから」という風に言ってもらえると、あぁありがたいなと思います。
あと、最近あったことで言うと、若いスタッフの子がいろんなアイデアをくれるんですよ。
Instagramで情報発信したら、と言ってくれたり、子どもたちと年齢も近いので子供向けのアイデアも出してくれたりしますし。そういう意味ではとても助かりました。 そういう意味では若い人がいてくれてよかったなと思います。自分がもう40歳近いので、子供や若い人たちの考えが正直分からなくなってきてるんですよね。それがやっぱりここのアピールポイントですかね。
――なるほど、ありがとうございます。ただでさえ高校生の私たちと今の小学生とでも趣味趣味嗜好が違ったり、流行ってるものが違ったりするので、そこはやっぱり難しい部分もあるのかなという風に思いますね。
堀田さん 難しいですよね。昨日急にちょんまげ小僧の「ひき肉」の物まねしてよと言われて、なんじゃそれって感じでした(笑)。パックに入っているひき肉の物まねをしようとしたら「は?」って感じの顔をされて。そんなこともありましたね(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。
子ども食堂を通していろいろな人やコミュニティーが繋がっている、ということを皆さんに感じていただけていると嬉しいです。
次回、EP.2子ども食堂に対する思い
子ども食堂について日頃感じていることを、運営者の目線からお話します!
▼地域で作る子供の居場所・はぐくみ
▼次回はこちら
EP.2 ... 12月25日(月)
EP.3 ... 12月27日(水)
公開予定
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