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【子ども食堂インタビュー】はぐくみさんに聞いてみた! EP.2子ども食堂に対する思い

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神戸市長田区で子どもの居場所づくり活動を行われている「地域で作る子どもの居場所・はぐくみ」さん。月一回の子ども食堂や、各行事のイベントを開催されています。今回は広報担当の堀田さんにお話を伺いました。

インタビューの様子

1.活動中に工夫していること

――やっぱり子ども食堂だと、食事を調理することがあると思うんですが、その際に気を付けていることなどはありますか?

堀田さん そうですね、調理時の工夫というのは毎回試行錯誤です。想定外のことが毎回のように起きます。やっぱりみんな言っているのが食べ残しですね。なかなか大変です。
今みなさんも、もう何か月か子ども食堂されているんですよね。やっぱり好き嫌いが多いと思いますか?

――前回開いたときはナポリタンを作ったんですね。ナポリタンってピーマン入っているじゃないですか。作ってみると意外とみんな食べてくれて、小さくピーマンをカットしていたことやソーセージが一緒に入っていたこともあるのか、あまり食べ残しが多い感じではなかったです。

堀田さん そうですか。なんだか私たちのところでは、あんまり食べてくれないっていうのもあったりするんですよねぇ。

子どもによる部分もあるのかなとは思うんですが、小さく切るという工夫がうまく共有できない部分もあるかもしれません。今の子どもがどういう感じなのかというのが掴みづらいのかなというのもありますけど、量や盛り付けを工夫していても毎回想定外のことが起きると(笑)。

何で子どもは残しちゃったんだろうとか、前回「少し小さめに切ろう」って言っていてもあまり徹底されていなかったりということを思いますね。 調理に工夫をしつつ、さらにその工夫をどう共有するかということにも工夫しています。あとはそれをどう継続していくかということについて、調理の面では難しさを感じています。

調理している人が言うには、
「自分たちがおいしいと思うものを出す」と。
これが基本姿勢です。これを言った人は、40代くらいのいかつい男性なんですが料理名人なので、彼がつくる料理というのはとてもおいしいです。なので「自分がおいしいと思うものを出す」というのはある種正しいと思います。
すいません、あまり話がかみ合ってなくて(笑)

――いえいえ(笑)

堀田さん ただこの、工夫していることというのは逆に聞きたいくらいなんですよね、やっぱり笑。
どんな工夫をされているんですか?

――私はまだ前回が初めての参加だったのですが、調理の時短にもなるので、やっぱり野菜を小さく切ったりですかね。あとは、私たちのところは事前予約制なので、あらかじめ材料の量や、調理の手順というのを計画立ててやっています。

堀田さん そうか、事前予約である程度調理する量は絞れているんですね。

――そうですね、そこはある程度計画してやっています。

堀田さん わかりました。私たちもちょっと事前予約にするかどうかで迷っているので、いちばん最後に質問させていただいていいですか?

――はい!ぜひお願いします。

インタビュー後、事前予約制についても
詳しくお話ししました。

――それでは、次の質問に行きます。子ども食堂の運営や、子どもたちとのかかわり方について工夫されている点はありますか?

堀田さん 幸いにも会場には広いスペースがあるんですね。建物に10人くらい入る小会議室があります。 ここが調理以外の準備をしたり着替えをしたり、倉庫みたいになってます。

30人くらいが入る会議室もあるので、コロナ禍以降はそこを広く使って活用しています。卓球台を設置したり、子どもは自由に飛び跳ねるのが好きなので、飛び跳ねてたり(笑)。  

そういう風に遊んだりだとか、クリスマス会や夏祭りといったこともしています。会場の後ろには広い駐車場があるので正月には餅つきをしたりだとか、いろんなことをやったりするようにしています。

まぁあとは子どもと接するというところで言うと、普段の子ども食堂で子どもたちと一緒に食べるというのはなかなか難しかったりしますね。どうしてもやっぱりみんな調理に追われたりだとか、配膳にバタバタ追われたりして、あまり料理では役に立たない僕しか子供と接する時間が取れない、ということもあります。

ただやっぱり「おいしかった?」とか「次どんなの食べたい?」とか子どもと話をするのが大事になると思うので、ここの子どもと関わる時間をできるだけ多くの人に取ってもらうってことが課題ではあります。
あとは、大人が口を出すより子どもたちに好きにさせたらいいのかなという意見もあります。

――なるほど。私たちのところはシェアハウスをお借りしているんです。(現在は移転して活動中)

堀田さん あ~、なるほど。シェアハウスなんですね。

――やっぱり場所が狭くて、ワチャワチャして飛び跳ねたりするのが難しいので、みんな机の上でカードゲームをしたりとかですね…。子ども食堂はご飯を出すだけではないので、ご飯の後のかかわりとか難しいですよね。

堀田さん そうですね、そこはやっぱり大事ですよね。

2.運営を通して感じること

――そうやって子どもたちと関わったり、子ども食堂の運営をする中で、嬉しくなったり楽しくなったりする瞬間ってありますか?

堀田さん それは子どもたちが嬉しそうな顔を見せてくれる時ですよね。
これがやっぱり自分にとっては一番嬉しいかなって言う。これがすべてかなっていう風に思います。

調理に集中していてなかなか子どもらの顔を見ることができん、っていう人もいるのですが、ほとんど料理作ったりしてバタバタ動き回ってるんですけども、「おかわり!」って言って降りてくる子供たちがいると、やっぱりヨシ!ってなってうれしくなるみたいです。
これがまず1つ。

あと2つ目は、ボランティア同士から学ぶことも多かったりしますね。
ここのはぐくみ自体、10代から80代までいろんな方がいます。得意料理っていうのも持ち味がみんなそれぞれ違うんですね。それこそ家庭料理が得意な主婦の人がおったりとか、結構な呑兵衛の人がいるので酒のつまみに寄せたような料理が上手かったりとか(笑)
そういう料理の幅もみんな違うし、昔のやり方を知らんっていう若い人もいるので「こういう時はこういう味付けをしたらいいねんで」っていうのをボランティア間で学ぶと。現役大学生のスタッフの女性がいるんですけど、その人がそういう風に言っていました。

あと心理学科の学生の人がいるんですが、去年はぐくみを手伝ってくれた男子高校生の子が心理学に興味があったらしくて、その子と学校で習った心理学の話をするのがすごく楽しかったらしいです。

まぁ要は、
子どもたちとの関わりとボランティア同士での
関わり、両方で楽しいと思う瞬間がある
みたいですね。

――やっぱりその、子どもたちとの関わりにとどまらず、スタッフたちとの交流が生まれるのもまた魅力ですよね。

堀田さん そうですね。それは本当に僕自身も感じますね。

――それでは、先ほどまでとは逆に、活動の中で大変だったことや苦労したことはありますか?

堀田さん 開催時は本当にバタバタします(笑)
前日準備とかもするし、早ければ朝9時に開けて掃除や調理をするんですが、絶対どうしても「あれがない、これがない」ってトラブルが起きるので。とにかく大変です(笑)

このご時世コロナの流行が完全に収まったとは言えないので、まだ検温や消毒はします(2023年8月現在)。そういう手間も含めると結構ドタバタします。

あと子どもはやっぱり目が離せないですね(笑)
子どもたちへや、スタッフ同士での連絡の伝達が難しくて、しょっちゅう「あれ違うやんけ」ってことが起きることもありますね。
そういう意味で言うと大変さっていうのは多いですね。

――例えば、ケンカしちゃったりとか、子ども同士でのトラブルってあったりしますか?

堀田さん 今のところはないです。デイサービスから参加する子どもに関しては、放課後デイサービスの先生も一緒に来てくださるので、先生もそこはよく見てくれてます。ほかの普通に来てくれる子たちも、ある程度一緒のグループで来ている様子なのでトラブルとかは起きていないですね。

3.活動に対する熱意

――前日準備をしているというお話もありましたが、子ども食堂の運営はかなり大変ですよね。それなのにもかかわらず、子ども食堂をやっている理由というのは何でしょうか。

堀田さん 子ども食堂のボランティアに参加したきっかけも含めてスタッフに聞いてみると、共生食堂に取り組んでみたかったという人や、ほかのことに挫折して、何かに取り組んでみたかったという人などがいます。だからやっぱり、それぞれ自分の夢や目標といったものがあって、その糧としている人たちが多いみたいですね。

僕の場合は、世の中こんな大人もおるんやと、まだ捨てたもんやないなと子どもたちに思ってもらえたらいいなと思って活動しています。

4.子ども食堂に対する思い

――それでは、堀田さんやはぐくみの皆さんにとって、子ども食堂はどういった役割を果たす場所ですか?

堀田さん そうですね、役割ですか。もともとはぐくみの目的は、子どもの貧困の改善でした。
ただそれを前面に打ち出してしまうと、メディアでも言われているようにかえって「いや、私は貧困ではないぞ」と利用者を遠ざけてしまう原因になるのではないかと感じていました。
でも、なんとなくでもいいので月に1回とか来てもらってご飯を食べてもらうのでも十分だと思いますけどね。地域の交流といったことも目的として一般に挙げられていますよね。

あとは、今子ども食堂に来てくれている子たちが大人になった時、親になるっていうのも十分にあり得ますよね。そうなって、ちょっと困ったときとかに簡単に頼れる場所というのがあまりないので、そういったときに頼れる場所として子ども食堂がなればいいなと思っています。

来てくれる子どもたちやその親の
明日を作る場所にしたい

という風に言っているスタッフもいました。まじめな人なんですけど結構ロマンチストな人なんですよね(笑)

――そうですね、私たちは高校生ですけど、やっぱり普通は先生や家族以外の大人と触れ合う機会ってなかなかないので、子ども食堂がそういう場所になればいいなと私も思いました。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんは、子ども食堂とは何のための場所だと思いますか?
この記事が考えるきっかけになればと思います。
次回、EP.3 これからの子ども食堂について
はぐくみ、スピカがお互いの展望について語ります。

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EP.3 ... 12月27日(水)

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