1107あたしもこれがなんなのかわかんない
大人になって仲良くなった友人が一人いる。
もともとは同僚だったのでどちらかが辞めたらフェイドアウトしていくのかなーくらいに思っていたら
思いのほか長続きして互いに前職は退職しているのにちょくちょく連絡をとる。
彼女は強い。
生きる力みたいなものを持っている。
私にはない力だ。
サバイバル術というか、とにかく生きていく力みたいなのをすごく感じる。
私は、あまり認めたくはないけど箱入りで大事に大事に育てられて、
あらゆる外敵から大人が守ってくれたので何があったときに自分一人でなにもできないのがわかっている。
だが、すごく強いのに彼女は本当に脆い。
自信が無かったり、周りの目が気になってしまったり、とにかく波がある。
苦労して生きてきたのだろうなと思う。
その点私は豊かさという余裕にどっぷり遣って生きてきたので、
生きる力はないけれど根拠の無い強い自信だけはとにかくある。
そんな彼女の脆さも嫌いではないので困っているときは話を聞いてあげたいと思うし、
アドバイスをすると素直に聞いてくれるのでちゃんと言ってあげてよかったなと私にも思わせてくれる。
ただ、たまにドキッとすることをいうことがあって、つい最近言われて結構びびってしまったのが
「心の動きと行動って人への見え方が違うことを理解してしまった」
という発言だった。
この時少し私の話をしていて「いやそう、それがいいたいのよ」という気持ちになった。
私はそもそも理解されなさそうな相手に理解されなさそうな話はしない。
不毛だから。
よほどのことがない限り人を説得する意味もないし、自分がいいと思えれば他人からの肯定も不要なのでいう必要がない。
しかし、彼女は私の「理解されないだろうな」と思う話の「情緒」みたいなものを察知する力があり、
「いやそうなんだよ、その通りなんだよ」と思わせてくれるような反応をしてくれる。
そんな風だからたまに言うつもりのなかったようなことや、
物事の真髄を引きずり出してくるときがあって、これも私にはない力なのでただただ感心する。
会話の中の「情緒」が理解できるってすごいことだと思う。
鍛えるのにも限度のあることだし、天性だよな。