「負けヒロインが多すぎる!」がなぜ気持ち悪いのか
Amazon prime会員なので、prime videoで観られるアニメや映画を雑多に鑑賞しています。
最近見た「負けヒロインが多すぎる!」がどうにも気持ち悪くて、1話で挫折してしまいました。
最初に言っておくと、「男オタ向けの萌えアニメ(端的に言うと、冴えない男主人公がなぜかモテるアニメ)」であることは気持ち悪くない!
例えばこのへん↓とか。
・リゼロ
・SAO
・CLANNAD
(どれも、なんでこいつがモテんねん?とは思うけど)
冴えない男主人公がなぜかモテる作品は世に多数あれど、なぜその中で「負けヒロインが多すぎる!」が気持ち悪く感じたのか。
それは、
・主人公が普通に良いやつ
・なのに友達0人(!?)
・なのに女や妹から好かれる(!?)
という、論理的にブレたキャラ設定のせいだと考えます。
基本的に、対人関係というのは自分を映す鏡なので、「自分の友達は性格悪いやつばっかだな」と思うならそもそも本人の性格が悪いんだろうし、「友達がいない」なら友達ができないほど本人の性格や態度に問題がある。
逆に言えば、「性格や態度がよければおのずと人が寄ってくる」わけですね。
それを踏まえてこのアニメを見ると、
・主人公が普通に良いやつ
↓
・なのに友達0人
というのはどうにも納得しがたい現象なわけです。
クラスでのようすをみても、超挙動不審とかでもないし、読書に没頭して他人を無視するとかでもなさそうだし。
もちろん目立つほうではないけど、こういう「無害そうな人」には1〜2人寄ってきて「無害そうなグループ」ができあがるもんなんですよ。
では、「1話では書かれてないけど実はめちゃくちゃ性格が悪くて友達0人」である可能性は?
はい、
・なのに女や妹から好かれる
その可能性はなさそうですね。
ここで、女にモテないし兄弟姉妹からも距離置かれている、とかなら一貫性があって納得できるんですけどねえ。
脱線しますけど、CLANNADはそのへん一貫性があってよかったなと思います。男友達が1人いるので。
話は戻り、なぜこの作品の主人公は論理的にブレたキャラになってしまったのか?ですが、「男オタの現実と理想がごちゃ混ぜになった結果」かな…と思ってます。
現実
・友達0人
・「自分はけっこうイケてる」と言う自己認知 ※なおそれを裏付ける実績はない
理想
・女にモテる
「女にモテる」は萌えアニメの外せないポイントなので、現実無視して理想一直線で描写されます。
ただ、男オタが主人公に自己投影できるようにするためには、ある程度主人公の属性を男オタに寄せる必要があるんだと思います。
主人公がクラスの人気者の設定だったら男オタはついていけないんじゃないかな?現実と違いすぎて。
ただ現実どおりの地味メガネを出してしまうと「俺はもっとイケてる!」となってしまうので、見た目は無難に黒髪で美形じゃないけどすっきりした顔立ちに。(いわゆるキリト顔)
無口早口オタ口調にしてしまうと「俺は(略)」となってしまうので、おしゃべりじゃないけど会話は普通にできて、クラスの女子とも話せる設定に。
まずい、このままじゃメイン視聴層の男オタとかけ離れた主人公になってしまう…!
そうだ、「友達はいない」ことにしよう!
なんか、孤高っぽくてあんまり惨めな感じじゃないし!
…
そうして男オタの現実と理想を合成してできた男主人公は、「見た目も中身も悪くなく女にモテるが友達だけがいない」という意味不明なキャラクターになったのであった。
めでたしめでたし。