Dancemania SPEEDの歴史4~SPEED 3~

Dancemania SPEED 3
着実に上がるボルテージ

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1999年9月8日発売

リミックスの面で大きな進化を見せた前作……を受けての3作目は、前作の良さを引き継ぎつつ、パッケージの黄色をそのまま表現したかのように、よりキャッチーな曲が増えるアルバムになりました。


今作の新規リミックス枠は

01.I Don't Want To Miss A Thing(Planet Lution Mix) / Deja Vu feat.Tasmin
03.Boom Boom Dollar(K.O.G G3 Mix) / King Kong & D.Jungle Girls
05.Drill Instructor(C-Jah Happy Mix) / CAPTAIN JACK
07.BOYS(Pess JV Mix) / SMILE.dk
19.What's Up 2000(KCP Grandale Mix) / DJ MIKO
20.Pain In My Heart(KCP Remix) / CARINA
22.Kiss Me(KCP Remix) / E-ROTIC

以上の7曲。


この中ではBEST 2001に選出され、その後別のアルバムでも顔を見せる
Miss A ThingBoom Boom Dollarが特に人気でしょう。

往年のユーロビートの名曲がブチアゲハイテンションなトラックへと変貌したBoom Boom Dollarは、DDRでの人気も相まってかBEST 2001のリクエスト投票で5位に入っています。


Drill InstructorKiss Meは、ミスアシングとともにDDR Solo 2000に収録されたため、BEST入りは逃しましたが人気の高いリミックス曲です。

またPain In My Heartも知名度こそ低いものの、地味にファンの多い隠れた良リミックスで知られています。


SPEED 1はリミックス表記が全て「KCP Remix」だったため各リミックスを誰が担当したのか、または複数人でリミックスしたのかすら不明でしたが、今作ではDrill InstructorでKCPのリーダーC-Jah中村氏が、またBoom Boom DollarとWhat's up 2000では、前作で「Grandale」表記でいち早く単独制作が判明していたK.O.G森田氏が、それぞれ単独でリミックスを担当していることがわかります。


KCPメンバー最後の一人MOMO金沢氏が残り4曲で単独制作をしたかは記載が無いので定かではありませんが、ブンブンダラーのように原曲以上の人気を博するアレンジも生まれるようになり、KCPというグループがSPEEDシリーズを支えるリミキサー集団に成長したことを実感させてくれます。

ちなみにBOYSのリミックス表記である「Pess JV」がリミキサーの名前なのか何なのかは不明なものの、ググっても今作以外の情報が全くヒットしないため、恐らくはこれもKCPのリミックスだと思われます。
(アレンジ傾向が後のハブネバやブロンドガールに近いため、このリミックスこそがMOMO氏によるものという可能性も少なからずあります)


また今作用の新規リミックスでこそありませんが

02.VOL.3-A / SILK CUTS(原曲はWANNABE

という、ほぼ「Dancemania曲リミックス」と言っていいハピコア曲も入っています。


曲名だけ見てワナビーのリミックスだと分かる人は皆無なこともあってか、超有名曲のカバーでしかも2曲目に配置されているのに知名度はあまり高くない、ある意味不遇な曲です。SPEEDシリーズでは今作にしか収録されていないので、是非とも聴いておきましょう。


今作ではハピコアも「超」が付くレベルの名曲からちょっと笑える面白いアレンジまで、前作の流れを引き継ぎバリエーション豊かな選曲に。


まずは何はなくとも

23.Now Is The Time (DJ Hixxy & Trixxy Remix) / Scott Brown vs DJ Rabs

こちらに尽きるでしょう。
Scott Brownオリジナル版ではありませんが、オリジナルかリミックスかに関係なく、この強烈なサウンドで多くの人々をハピコアの道へと誘ってきた……まさしくハピコア史に残る超大アンセムです。


そしてもう一つ忘れてはならないハピコア初期の超大アンセム2曲目が

27.Fly Away / VISA

底抜けに明るいボーカル曲で、その明るさとキャッチーさでハピコアに馴染みがなくても気に入る人が多いであろう、名曲中の名曲でしょう。

この2曲が入っているというだけでも今作を聴く価値はある
……それだけの偉大さを誇る2曲に違いありません。


有名曲のカバーで話題や人気を獲得した曲は、前述のVOL.3-A以外にも多く収録されています。BEST 2001やBEST OF HARDCOREにも選出された

10.99 Red Balloons / Jimmy J
17.FLASHDANCE(What A Feeling) / M・A・G・I・K・A feat.STIXMAN

こちらの2つは、原曲の良さを活かしたアレンジが優秀なだけでなく、ハピコア単体としてもスッキリ綺麗に纏まりファンの多い人気曲ですし、
それ以外にも

13.Dance With Somebody / DJ DNA(原曲はI Wanna Dance With Somebody
14.Motorway Madness / DJ Vibes & Wishdokta(原曲は山の魔王の宮殿にて
16.Imperial March(Sy & Unknown Remix) / IKON(原曲はダースベイダーのテーマ
21.Vol.8-A / JUICY CUTS(原曲はシェールのBELIEVE

これらの有名曲を元にしたハピコアも収録されています。

99 Red Balloons


FLASHDANCE(What A Feeling)


Imperial March(Remix)



Imperial Marchあたりはサンプリング元が有名すぎてある意味ギャグみたいなリミックスになってますが、SPEED初期は特にこの手の「もはやギャグ」な笑えるハピコアアレンジ作品も多いです。

CD全体で見ても似たような曲調が続くよりは、むしろフックとしてこの手のコミカルな曲が挟まる方がより楽しめるのではないかと。


15.Deep In The Underground / Lock Jaw


というSPEEDシリーズでは珍しい、当時の正統派ガバの名曲も収録されていたりと、SPEED 1から比べ全体を通して

「オールドスクールなハピコア一辺倒」

なバランスからは完全に脱却しつつあることが伺えるアルバムになっています。

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