ヤマハの古いアクション
50年以上前のヤマハピアノ。
こうやってじっくり観察すると、本当にしっかりとしていて、加工精度も高い、とっても素晴らしいアクションだと思った。
でもスティックという、アクションの動きが悪くなっている状態だったので、お預かりさせて頂いた。
調整の内容は、分解して点検し、動きを改善させること。
ハンマーの形を整えて、弦とハンマーの位置関係を見直すこと。
掃除をして綺麗にしてあげること。
まずはハンマーとウイペンを全部外す。
長年メンテナンスから遠ざかっていた割には綺麗な方だけど、埃が溜まってる。
分解すると隅々まで綺麗にできるから、一石二鳥。
次にハンマーを外した状態で、ファイリングをして、汚れて傷んでいるブライドルテープを全部交換した。
次に各パーツの細部の埃をはらって、スプーンを磨いて準備完了。
フレンジのセンターピンのトルクを確認すると、やっぱり抵抗は大きい。
改善の方法は、程度に応じて判断する。
修理後も効果が長く持続して、楽器に負担をかけないように。
程度の軽いスティックは、これまではアルコール水を使っていた。楽器への負担は1番無いと思うけど、効果に幅があるのと、乾燥に時間がかかるので、現場向きではない。
翌日効果を確認すると、思った程効いていないって事もあったりする。
即効性のある潤滑剤は、その時は改善するけど、時間が経つと緑青をふいて、余計に動きが悪くなってしまうなんてこともあるし…
ここ最近のお気に入りはレノランのR1。
各フレンジのセンターピンに1滴ずつ垂らして、結局は一晩じっくり乾燥させる。