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母からの手紙
連休を振り返ってみて、本当に良い時間を過ごしたな〜となんだかしんみりする夜。半分サザエさん症候群だけど、半分なんだか元気。
色々楽しい思い出はたくさんあるけど、特に、母や弟と庭いじりをした時間は、ホッとして心がじんわり温かくなった。
母とこんな関係性になれたのは、実はごく最近のこと。
きっかけは、先日、母からもらった手紙を、ようやく3年越しに読んだこと。
その手紙は、3年前の今頃、ひとり暮らしをすると家を出たわたしに送られたものだった。
その当時、九州の田舎に住むわたしは、東京に住んでいる恋人との結婚を両親に大反対され、最終的にはお付き合いも許されず、お別れしたばかりだった。
実家で暮らしていたわたしに「出ていきなさい」と言ったのは母。きっと、毎日暗い顔で過ごすわたしを見ておれなかったんだろうなと思う。
今思い出せば、青くさすぎて笑える。親を困らせるんじゃあないよ、と小突いてやりたくなる。でもその時のわたしは必死だった。
ひとりで住む家が決まり、荷造りをしていた時に、机に置かれていたのが、その手紙だった。
母はブレなかったな、と振り返って思う。どんなにわたしが口をきかなくても、出勤前のわたしに弁当を手渡してくれていたし、洗濯物はちゃんと部屋に帰ってきていた。夜ご飯もラップがかけられて机の上に準備されていた。
それでも当時のわたしは、自分の人生を思った通りに生きられない焦燥感のようなものに駆られて、大変反抗した。同時に、母から嫌われているのだと思えてならなかった。
そんなこんなで、母からの手紙は「読んでも傷つくだけ」と解釈し、3年あまりの間、引き出しで眠っていたのだ。
ほとんど忘れかけていたのだけど、先日、手紙を書く機会があり、ふと「自分が書いた手紙を読まれないって、すごく辛いな…」と思い、母からの手紙を読んでいないことを思い出し、意を決して読んだのだ。
内容はわたしが想像していたものと全く違っていた。わたしを批判するでもなく、小言を書くでもなく、ただありふれた日常の風景と、わたしへの思いが記されていた。
全部書くのは恥ずかしいので、少しだけ…
「リビングの植木鉢の花が咲きましたね。
水槽(わたしの名前)みたいだなと思います。
オレンジや黄色の花に、緑のぷくぷくした葉が 付いてるでしょ。あなたは派手で目を引く花ではないけど、なんだか周りを和ませてくれます。名前の通りに育ったね。
結婚を反対して、本当にごめんね。
20数年、慈しんで育てた娘が遠くに行くのはつらかったのです。こんな母ちゃんでごめんね。」
読んだ瞬間、膝から崩れ落ちて泣いてしまった。ずっと読んでなくて、返事も書かなくて、本当にごめんね、お母さん。
人の想いって、分からないものですね。特に、親が子を思う気持ち。それを分からずに子は傲慢に生きていました。
よく「親のエゴだ」という言葉を耳にする。結婚を反対された時も、それはエゴだ、と周りの人はしきりに言った。
でも今なら「エゴでも愛だろ!」と大声で言い返すだろう。
愛はいろんな形があって、時々うまく伝わらなくて傷つけあったりしちゃって。
でも、どんなことがあろうと、そこに愛があることだけは、疑わずに生きていたいなと心から思った。そこに愛はあるんか?あるんだよ!です(笑)
母と相談して育てはじめた花は、オレンジと黄色のマリーゴールド。手紙を読んで、少し嬉しくなってこの花を選んだのは秘密。
母は「食べれるものがいい!」と夏野菜をチョイス。少しずつ背が伸びて、葉が広がって、収穫を想像して2人でニコニコした。
「愛は人と人との間に育つもの」とは本当だね。いさかいに時があり、雪解けに時がある。
神様のタイミングはいつも完璧。
時間がかかってしまったけど、少しずつまた恩返しできたらいいなあと思います。
(重い内容すぎてゴメンナサイ…どうしても残しておきたい内容だったので。あわよくば母に届けばいいな〜直接言えばいいのにね〜笑)