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SPHで学ぶ比較の大切さ

Summary 

SPH(MPH/DrPH/PhD)で学ぶことの中心は「科学的な比較」の大切さ。
「科学的な比較」の目的は、「差/有効性」があるのかないのかを知りたいから。
だから、あの手この手で、ちゃんと比較するにはどうしたらいいかを勉強します。

1. SPH(公衆衛生大学院)で学ぶのは「科学的な比較」

SPHの目的は、そこで学んだ人たちが「公衆衛生に資すること」だと思います。SPHには、疫学や生物/医療統計学、医療政策、医療経済学など、様々な分野がありますが、個人的には「科学的に比較すること」を通じて、上記の目的を達成しようと思っている気がします。

2. 「科学的な比較」を追求する目的

先生方は学生に対して「科学的な比較」の考え方、やり方、歴史を、手を替え品を替え説明してくれます。

公衆衛生は、人間が対象なので、何かイベント(病気、投薬、喫煙、調子がいい、仮面をかぶるとか)があっても、いつも同じことが起きる(死ぬ、病気が治る、癌になる、爪が伸びる、ゾンビになるとか)とは限らないので、たくさんの「イベントと結果」の相関関係の有無を見て、そこから因果関係があるかをグリグリ考える必要があります。

薬を飲んだから、病気が治った、と言いたい場合には、その関係を根掘り「葉掘り」考えなければなりません。

例えば:
ー 病気のAさんが薬を飲んだ/飲まなかった、
   ーー>同じ人で実験なんてできないでしょ、とか
ー  Aさんが薬を飲んだ/Bさんは飲まなかった、
  ーー> 違う人ならそもそも効果も違うから比較しても意味ないんじゃんとか

なので、ちゃんと比較して、その薬に効果があったか、をできる限り厳密に調べる方法論を学べます。

この「科学的な比較」の追求は、公衆衛生の分野に限らず、いろんな分野で使えそうですし、実際にやってますよね。

例えば、FXなんかで、ドル/円のチャートを見て、このイベントCがあれば円が下がるから、ドル買っちゃおう。でも過去10年間で、このイベントCが起こったときに、これが起こった回数は2万回で、でも同時にD/E/Fとかのイベントも起こってるから、その時はこうで、ああで、だから、ピュアにイベントCが効いてるとは言えないから、やっぱりやめとこう。。。みたいな。

コロナのせいで、上記のような投資家(ギャンブラー?)に限らず、普通の人も有病率だ、感度だ、偽陽性率だ、、、、と疫学者になってる昨今、ちょっと公衆衛生をかじるとスマート風に話せるようになるので、おひとついかが?

Author: S

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