咲夜

"闇は光りを  生んだ"

月が太陽と地球の間にあり

わたしたちからは

月の光りが見えない時間

新月という

闇夜

少しずつ  少しずつ

光が見えゆく

始まりの

静けさ

それは

自分の中にある暗闇にも

光が入りゆく

始まりのことだった

悲しくて溢れ出た涙が

愛の光を招き入れる時間であるなど

知るよしも　なし

優しく

その光は灯り

蕾は　かすかに

ふるえる

不安を伴いながら

すこし　開きゆいて

あたたかな愛が

光零れながら

自分が

真実が

生まれるじかん

新月の

闇夜を

咲夜という

それは

とても美しい

暗黒こそに在る

じかんであった

孤独を

飲む