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国産鉱物への想い (その1)


真珠(パール)といえば三重県伊勢市が一大産地。

その伊勢産の同じ形が二つとない個性的な形の真珠(バロックパール)にシルク糸を合わせたシンプルで美しいブレスレットを制作した。

真珠の加工には、鉱物と違って中心には核なるものが存在し、熟練の職人による核が動かないよう丁寧で慎重な穴開け加工が必要となる。

ちょうどいい大きさの穴を開けてもらった真珠に、しなやかなシルク糸を通しダイヤのビーズを添えて、シンプルで素朴なテクスチャーのシルバーフックを取り付けた。

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そういえば、このシルバーパーツはタイのカレン族が伝統的手法で一つ一つ手作りしているもの。2015年、その村まで行ったことは今でも良き思い出。

タイ北部カレン族の工具

これまではだいたい年に1度は海外に赴き、2020年の春も仕入れや取材などに行く予定だったのが とてつもない勢いで世の中が一変した。

それも日本だけではなく世界同時に、だ。

これまで渡航を重ねて築いた人との繋がりのおかげで、中国・インド・メキシコなどをメインに、なんとか今なおSNSを通じ関係を保ててはいる。

リアルな移動が分断されたこんな状況で気づいたことは、今、みんなも変わらず地球の各地に生きていて、自分は日本で生きている。「日本」の地に属していることだ。

ごく当たり前のことだけれど、しかしこれを忘れてしまうと、特に海外に出るときに、良くも悪くも自分のアイデンティティの起源があやふやになってしまう。

そうして数年前から始まっていた国産のモノに対して改めての再認識、特に国産鉱物への想いが加速していくことになった。自分の足元にはこんな素晴らしいものがあるなんて気づいていなかった。そういうことから始まった。

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