9/1 鎌倉オープンキャンパス ②
オープンキャンパス、つまりはただの下見で来たと言ったが、実は飛行機や宿を取った後に一件面接が入っていたのである。場所先行で選んだものではあったが、面白そうな会社で行きたいと思い始めていたので、それなりに緊張していた。
就活シロートの私はどんな服装で行けばいいか聞いた。荷物になるからスーツなど持って行きたくないのである。私服でいーよ!の期待を裏切り返ってきたのは「他社の面接時と同じ格好で来てください」。実はこれが初めての面接なんですなどとこの時期の4年生として言えるはずもなく、ボストンバッグにスーツを押し込んでおいた。
今朝は5時過ぎに起きてシャワーを浴びて歯磨きを済ませ、早速スーツを着た。いやいや持ってきたくせして、スーツを着ることなど皆無の僕は、実は久々のチャンスにテンションが上がっていた。
11時の面接に対して5時に起きるなど気合い十分だなと思われるかもしれないが、持ってくるよう言われている履歴書がノータッチなのである。さっさと仕上げて事務所の近くのカフェでイメトレをする予定だったが、なんだかんだ着いたのは面接30分前。その30分も事務所の前で、アベノマスクでは到底隠せようもなかったヒゲのそれらしい言い訳を考えるのに費やしたが、そんなものはなかった。
12時前に終わった。意外と喋れるもんだ。なんもウソつく必要がないからただ自分について話した。社長も感じよかった。心配な点がないわけではないが、受かって欲しい。ここを突破しても内定までにもう一回面接はしたいとのことだった。鎌倉にくる理由をくれ。
今回のオープンキャンパスで唯一のそれっぽいイベントだった面接を終え、一丁前に仕事こなしたツラして向かったのは江ノ島温泉。暑い中スーツ着て頑張ってくれた体を早急に癒してあげたい。
無料の送迎車があったので利用すると、毎日来るくらいの常連だというおばあちゃんと一緒だった。このおばあちゃんが親切な方で、僕が初めてだと言うと温泉の受付まで案内してくれ、スタッフの方がプランなどの説明をしてくれているのも僕の隣で聞いてくれて、さらにはあえていくつか質問をし、絶対知ってたでしょってのに初めて聞いたような反応をしていた。素晴らしいソクラテスのような方だった。
90分みっちり入って存分にととのった。サウナイキタイにしっかりレビューを書き込んだのち、江ノ島をプラついたり砂浜でサーファーやビキニギャルを眺めたりぼーっと過ごしているとあっという間に日が暮れてしまった。鎌倉に来てラッキーなことに濃密に過ごせているが、この何も生み出さなかった時間をこれからも大事にしたい。夕焼け空をきれいだと思う心をどうか殺さないでいよう。そんな心 馬鹿正直に話すことをバカにしないでいよう。
晩飯にと入ったカフェで、たまたま昨日一緒に泊まった断食のゴイチさんに遭遇し、ご一緒させていただいた。今日からやっと固形物を食べていいらしく、サラダと枝豆を美味しそうに食べていた。
なんだかんだ2、3時間話してた。すごく魅力的な人だった。なんでもない話や仕事の話、全てが新鮮で興味深く、思わず就活についてや将来についてなど相談してしまった。うわー確かにってなったり、あんま分からんかったから持ち帰ってゆっくり考えようってなったり。
昨日会ったばっかりでも、どんなに相手がすごくて偉い人でも対等に話ができるゲストハウスのつながりは確かにすごいものだと昨日今日ですでに体感した。ここで感じたことや考えたことを、僕を長くよく知ってくれてる親や友達にも話したいと思った。
海に対して大きく開かれた席で話してたので、外でビール片手に空を見上げて立ってる女性がいた。満月見えた?と声をかけてきた。見てないと答えると、そう、と言ってまた空を見上げてしまった。ゲームなら後々イベントが発生しそうな展開だ。月が出てる夜にまた行ってみようと思う。