「バトルフィーバーJ」をみんなで観よう!
スペラです。
12月5日から東映特撮YouTube Officialにて「バトルフィーバーJ」の配信が始まりました。
いざ配信が始まってみると驚くほどの反響があったので、僕も便乗して魅力を語っていきます。
邪神サタンエゴスを崇拝し社会を混乱に陥れようとする秘密結社エゴスに対し、国防省の秘密部隊であるバトルフィーバー隊が立ち向かう物語。
現在はスーパー戦隊シリーズ第3作とされている本作ですが、実際は「秘密戦隊ゴレンジャー」「ジャッカー電撃隊」とは別の流れで制作されています。
1978年、東映とマーベル・コミックは提携を結んでおり、東映は「スパイダーマン」を独自の設定で実写化しました。その第2弾として「キャプテン・アメリカ」の日本版「キャプテンジャパン」の企画が始まりました。
しかし諸事情で「キャプテン・アメリカ」が使えなくなり、そこでマーベル側から提案されたのが「ミスアメリカ」でした。結果的に他の4人はオリジナルキャラクターとし、ミスアメリカの要素のみが採用されました(ただしデザインはミスアメリカより「ミズ・マーベル」に近いものになっています)。
そのため、本作は仮面ライダーシリーズやウルトラシリーズのように「スーパー戦隊シリーズを復活させよう!」と始まったものではなく、後に「電子戦隊デンジマン」「太陽戦隊サンバルカン」…と続いていったことで、「スーパー戦隊シリーズ第3作」となったのです。
また、「スパイダーマン」のレオパルドンに続き本作でも巨大ロボット・バトルフィーバーロボ(単に「バトルフィーバー」とも)が登場。その後のスーパー戦隊シリーズでも定番要素になります。
それでは、ここからは「バトルフィーバーJ」の魅力を語っていきたいと思います。
各話の完成度の高さ
「バトルフィーバー」の大きな魅力は、各話の完成度の高さだと思います。近年の作品に多い「多くの伏線が張られ、1年間で完成するストーリー」とはまた違った魅力があるのではないでしょうか。
エゴスの作戦は巧妙かつ現実的なものが多いのが特徴です。
具体例として紹介したいのが第35話「腹ペコ大パニック」。まずエゴスは漁船を襲撃、さらに東名高速道路でトンネル事故を起こし道路を遮断。魚不足になったところでスーパーを開店し高値で販売します。メディアでもエゴスが送り出した経済評論家が不安を煽ります。
市民が高い魚を買わざるを得なくなったことで連動して野菜や肉などの値上げラッシュが起こり、子供たちが栄養不足に陥っていく…というリアリティのある作戦が繰り広げられました。
続く第36話「爆破された結婚式」でも、ミスアメリカ・汀マリアを爆弾事件の犯人に仕立て上げて社会的に追い詰めるといった作戦を展開。
また第9話「氷の国の女」では、エゴスがお金を必要とする若者を雇い「バトルフィーバー」を名乗らせ銃砲店を襲わせる、というまさに闇バイトのような作戦も展開しています。
一方で第30話「悪食雑食の料理長」ではヘンショク怪人にバトルケニア・曙四郎の味を覚えさせ(七味唐辛子や焼肉のタレをかけて)食べさせるといった作戦を展開したり、第17話「怪物マシンを奪え」では天才発明家を誘拐しようとしたところ双子の弟である変人発明家に翻弄されるといったコミカルなエピソードもあり、それも本作の魅力といえるでしょう。
深く掘り下げられたキャラクター
バトルフィーバー隊としての活動は徹底して「職業」として描かれており、第21話ではバトルコサック・白石謙作が記憶を失った男性に対して「記憶を取り戻してくれたらなぁ、仕事もやりやすいんだが…」とぼやいています。
また、第32話「ふるさと殺人村」ではバトルジャパン・伝正夫の故郷である吹雪村の村長が「バトルフィーバーとかいうすごい商売やってるそうじゃないか」「給料も高かんでぇな」と話しています(正夫も否定はしていません)。
さらに第35話「腹ペコ大パニック」のラストではバトルケニア・曙四郎が給料を全部はたいて子供たちにサンマを振る舞っています。
このように、ここまで「仕事」「給料」が強調されたのはスーパー戦隊シリーズの中でも…というより特撮ヒーロー作品の中でもかなり珍しいのではないでしょうか(東映作品だと他には「仮面ライダー剣」くらい?)。
また、ストーリーに直接絡まないさりげないやり取りもキャラクターの魅力を高めています。
特に注目していただきたいのが、第16話「格闘技!闇の女王」でのバナナの行方。詳しくは本編をご覧ください。
他にも第11話「ペット誘拐大事件」ではサタンエゴスとヘッダー指揮官の「ハァハァハァハァ言って分かっておるのかヘッダー!」「ハハァ…」というやり取りがあったり、第34話「地獄で笑う闇将軍」では銃の密造工場を探す四郎が「あのさぁ、看板でも出てればすぐ分かるんだけどなぁ…」とぼやいたりといった描写も魅力的です。
さらにサブキャラクターの掘り下げも行われており、第19話「世界最強の美女!!」ではバトルフィーバー隊の連絡員・ケイコの弟・マサルが「あんたって子は頭も悪いしスポーツもできないし、本当にダメな弟ね」と言われてしまい「ちくしょう!悔しいなぁ!!」と叫ぶシーンは非常に心に刺さります。
豪華な出演者
レギュラー出演者では、まず1950年代から60年代にかけて時代劇などで活躍した東千代之介さんがバトルフィーバー隊の指揮官・倉間鉄山を演じています。
バトルフィーバー隊の連絡員・ケイコを演じたのは後に声優として活躍する伊東範子(日髙のり子)さん。エゴス幹部・サロメを演じたのは「ビューティ・ペア」としても活躍したプロレスラーのマキ上田さんです。
ゲストでは第9話「氷の国の女」には現・参議院議員の三原順子(三原じゅん子)さん、第31話「激走トラック兄妹」には「男はつらいよ」シリーズなどに出演した佐藤蛾次郎さん、第32話「ふるさと殺人村」には本格デビュー前の遠藤憲一さん、第47話「怪!謀略の草野球」には後に「北の国から」シリーズなどに出演する中嶋朋子さん…などなど、当時から有名だった方や後に有名になる方も多く出演しています。
挑戦的な特撮・合成
本作・およびそれ以降のスーパー戦隊シリーズでは「巨大ロボット戦」が定番要素であり、玩具展開の主力商品になっています。
本作では戦隊ロボの原点となるバトルフィーバーロボと巨大戦艦バトルシャークが、エゴスの悪魔ロボットと戦いを繰り広げます。
しかしバトルフィーバーロボのスーツの製作は撮影開始に間に合わず、完成後にロボ建造中のシーンが撮影され、第5話「ロボット大空中戦」から登場。この第5話と第6話「万能戦艦発進せよ」で巨大戦がふんだんに行われました。
巨大戦は通常、空が描かれたスタジオで撮影しますが、本作では一部を屋外で撮影。また合成カットも多く、特に後半では等身大戦と巨大戦が合成により同時に描かれることも。第5話のバトルコサックがバッファローロボットに蹴り飛ばされる合成カットなども印象的です。
…と、まだまだ書き足りないですし全話紹介したいところなんですが、配信に合わせて半年間で全話紹介は難しいのでこのあたりにしておきます(Xの方で時々つぶやくかもしれません)。
ちなみに僕がハマった経緯などは過去の自己紹介記事などで書いているので興味があればご覧ください。
「バトルフィーバーJ」は毎週火曜午後10時に東映特撮YouTube Officialで配信されます。みんなで観よう!
その他の配信サイト・視聴方法はこちら!
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