DTL第5節&店舗予選直前! デュエルマスターズ2ブロック 王道・アビスレボリューション編メタゲーム・ブレイクダウン(リスト集2024年8月段階)
俺たちの住む地域の代表を決めよう。
そして、
逆転こそが、カードゲームだ。
今年のデュエル・マスターズを象徴するキャッチコピーとして流行っているCM。筆者はこのCMの中でこの文章が好きだ。
経験が長いヤツが勝つ?
・・・そんなの退屈じゃないか? の部分だ。
やはり長い間このゲームをしてきた人の方が知識量や経験値の面で不利になるのが現実だ。
その傾向が顕著に出ているのが昨今の全国大会だ。参加者はランキング上位や大型大会で入賞するような超強豪のみ。
一般プレイヤーが一発逆転で全国大会に参加するなどという夢物語はここ数年、誕生しなかったのである。
ここで2015年にタカラトミーより公開されたこちらの動画を見てほしい。
現在アーチーchで活躍しているじゃきー選手が日本一になった年の全国大会エリア予選のPVである。
当時は公式も「デュエマ革命」をテーマに競技シーンを盛り上げ始めた年ということもあり、この動画からはそれぞれのエリア予選を突破したエリア代表とその熱狂ぶりが分かる。
そして今年度は数年ぶりに全国大会のエリア予選が開催される。店舗大会、エリア予選と勝ち上がれば、全国大会に出場できる。出場するハードルが高くなっていた全国大会への道が誰にでも開かれている。これもある意味で逆転と言えるのではないだろうか。
世の中、賢いヤツが勝つ?
世の中、金持ってるヤツが勝つ?
世の中、経験が長いヤツが勝つ?
・・・そんなの退屈じゃないか?
逆転こそが、カードゲームだ。
さぁ、君も王道編と、アビス・レボリューションのカードを手に、2ブロックの世界へ飛び込もう。
新殿堂施行以前の2ブロック環境像
まず、大前提としてお伝えしたいのは、王道編1弾デーモン・オブ・ハイパームーン環境で猛威を奮っていた光闇メカは環境トップから陥落した。
あれほど入賞数を誇っていたにも関わらず、なぜ最強の座を譲ることになったのか。
その理由は王道編2弾に登場したとあるデーモン・コマンドにある。
<超楽識フミビロム>。ゾーンの移動を行わない新たな除去カードとして登場したこのカードはこれまでに触ることが難しかった各種ゼニス・セレスや<DARK MATERIAL COMPLEX>への対抗策として活躍し始めたのだ。
このカードの登場により
「絶対に場を離れない時限爆弾である<DARK MATERIAL COMPLEX>を添える+多面展開して殴る」
といった二つの面から押し付けをしていた光闇メカの主張点がなくなってしまったことが環境トップから引き摺り下ろされた原因といえる。
いつでも相手の<DARK MATERIAL COMPLEX>を止めることができるカードが入っている光水闇の<DARK MATERIAL COMPLEX>と、相手の<DARK MATERIAL COMPLEX>を妨害するカードがない光闇メカが戦ったらどうなるか。賢明な読者の皆様であればちょっと想像すれば答えは言わずとも分かるだろう。
そういった背景があり、現在の2ブロックフォーマットでは、光水闇の<DARK MATERIAL COMPLEX>と<「戦鬼」の頂天ベートーベン>を主軸にしたゼニス、火水マジックや水自然ジャイアントなどのビートダウンデッキが3すくみ環境を形成している。
大まかな環境のイメージを持ってもらったところで、以下は環境で確認することが予想できるデッキを紹介していく。
だけど、これだけは忘れないで欲しい。環境を動かす新しいデッキを作るのはあなたかもしれない、と。
既存のデッキの練度を上げていく、これも勝ちに近づく方法の一つではある。だが、是非とも自分でカードを40種類考えてみることにも挑戦してみてほしい。それも2ブロックフォーマットの醍醐味なのだから。
防御デッキ群
光水闇COMPLEX
環境のトップたる光水闇のコンプレックスは現在の2ブロックフォーマットで大活躍している。
基盤はオリジナル環境のものと変わるところが少なく、これらのカードを普段使いしている人が使いやすいのも人気の理由の一つだろう。デッキとしての主張点は以下の通りで、理論上万能なデッキである。
<アーテル・ゴルギーニ>などの強力なカードによる継戦能力
<超光喜エルボロム>や<偽りの名ドルーシ>による防御力
<蒼神龍アナザー・ワールド>によるハンデス耐性
<聖霊超王H・アルカディアス>による対ソリティア耐性
など、幅広い対面を見ることができる万能デッキとなっており、<超光喜エルボロム>+<暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発>+踏み倒したい強力なカードの3枚コンボによるビッグムーブを持っていて、守りが堅い強力なデッキとして新環境のトップに君臨している。
ゼニスには若干の不利がつくが、火水マジックなどの大抵のビートダウンデッキには有利を取ることができる。CSなどでも母数が多く、2ブロックフォーマットを語るうえで必ず対策を必要とするデッキである。
水闇自然COMPLEX
対応力を持たせたコントロールデッキとして見かけるのがこのデッキ。基本は<DARK MATERIAL COMPLEX>の起動までを水文明の呪文で止めたり、革命チェンジを駆使してジャイアントのように立ち回ったり、闇文明のコスト5のパワーカードでリソース差を広げてからフィニッシュする。
状況に応じて対応を変える必要があるため上級者向けのデッキだが、使いこなすとおんそく選手のようにたくさん勝つことができる。
光水ゴスペル
防御デッキか..…?と言われると微妙なところだが、分類上今回は「Sトリガーが豊富なソリティアデッキ」として紹介する。
このデッキは<偽りの名リベルラ>や<ローゼス・イノベーション>などから<水晶の祈り / クリスタル・ドゥーム>を使って手札を整え、最終的には<der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡>によって無限EXターンを獲得したのちに相手のデッキをLOさせることを目的としている。
守りがかたいうえに強力なデッキではあるのだが、<「呪怨」の頂天サスペンス>を擁する闇自然ゼニスの存在があまりにもキツいため、CS環境では見かけなくなってしまった。
だが、現在は<蒼神龍アナザー・ワールド>などのハンデス対策のカードも増えたため、今後も一定の活躍が期待できることだろう。
ゼニス(ビッグマナ)系統
闇自然ゼニス
今回の店舗予選で最も意識されているデッキといえばこのデッキだろう。今年度の2ブロック環境でコントロールデッキを代表するのが闇自然のゼニスである。
<「呪怨」の頂天サスペンス>による、最速4ターン目の全ハンデスはどんなデッキに対しても強烈なムーブであることは疑いようがなく、そこに<「戦鬼」の頂天ベートーベン>というプレイヤーを守るデカいクリーチャーと、相手の登場時効果を封殺する<偽りの名ワスプメリサ>を添えて攻撃すれば大抵の相手はなす術なく敗北するだろう。
<「呪怨」の頂天サスペンス>のハンデスが直撃したら負けてしまう」という理由だけで使用候補から外れてしまうデッキが多いほどに、2ブロックフォーマットにおける存在感は大きい。
ミラー戦が多発しそうだと予想できるが、ミラーはベートーベンとワスプメリサの枚数が勝負をを分ける印象。Sトリガーの枠は自由枠として扱えるので、好みによって採用カードを変更することが大きい。だが、<超楽識フミビロム>の登場によってDARK MATERIAL COMPLEX側もゼニス対面に有効なカードを繰り出せるようになったので、闇自然ゼニスが最強というわけではないことはここで伝えておきたい。
2ブロックが分からない!という方はまずこのデッキを触ることをおすすめする。
<補足コーナー>
※・ニアピン・モスキート→自然文明のスパーク系トリガー枠兼マナ回収
・「異形」の頂天 クリス=ゼ=ブブ→<DARK MATERIAL COMPLEX>を封じ込めるメタカード
火自然ゼニス
使用者が少ない割には筆者がこの2ヶ月、このデッキで高いアベレージを出しているため、本当は教えたくないが闇自然ゼニスと同格で強力なデッキだと自負しているため紹介する。
このデッキの主軸はもちろん<「戦鬼」の頂天ベートーベン>と<「使命」の頂天グレイテスト・グレート>なのだが、高速で<「使命」の頂天グレイテスト・グレート>から<偽りの名ワスプメリサ>と<偽りの名スカラベオ>を出して殴るガチャデッキではなく、じわじわと相手のカードを無効にするカードを並べて、負けない盤面を作ってから倒しに行く、いわばコントロール寄りのデッキである。
通常であれば貫通するのに苦労する環境トップの光水闇complexに対して分かりやすく勝ちやすいデッキなので、CS環境でもたまに顔を出すことがあると考えられる。あと比較的集めやすいカードで構成されているのも利点ではある。
ただ、火水マジックなどの速いビートダウンには闇自然ゼニスよりも勝てないといった弱点があるので、上手くメタを読んで使うことをおすすめする。
水自然ループ
<「戦鬼」の頂天ベートーベン>を使って序中盤を凌ぎつつデッキを削りながら、最終的には無限EXターンを獲得して殴り切ることを目的としたデッキ。5月頃までは環境に存在していたが、<「呪怨」の頂天サスペンス>や<聖霊超王H・アルカディアス>などの対策カードが増えていくにつれて消えていったという背景がある。
ビートダウン系統
火水マジック
<瞬閃と疾駆と双撃の決断>の殿堂入りによって巷では環境から姿を消すと囁かれているこのデッキだが、2ブロックフォーマットでは依然としてバリバリに戦える出力を持っている。
確かに<瞬閃と疾駆と双撃の決断>の殿堂入りにより、<ボン・キゴマイム>を展開しながら攻撃するといった絡め手を使いながらのプレイが取りにくくなったことにより大幅に弱体化したが、3〜4ターン目にかなり高い再現性で殴り切ることができるポテンシャルは従来通り。
4ターン目に<Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い>からスタートして<芸魔王将カクメイジン>に繋げると再現性が高くなる。
<瞬閃と疾駆と双撃の決断>の殿堂入りによって消滅していった数多のビートダウンデッキの希望の星として火光アーマードとともに頑張ってほしいところだ。
ターボマジック
火水マジックの基盤を持った別の方向性のデッキとそて存在しているのがターボマジック。
水晶チャージャーなどのカード使って手札を整えながら8マナまで伸ばし、頃合いを見て<芸魔王将カクメイジン>の効果で<der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡>を唱え続ける。
光闇メカには有利がつくが、水自然ゼニス同様に闇自然ゼニスの存在がある間は苦しいデッキではあるが、別の角度からの新しいビートダウンデッキとして今後も期待できる。
光闇メカ
王道編1弾環境では最強格であったこのデッキも、引き続き環境で戦っている。
他のデッキが<DARK MATERIAL COMPLEX>への対抗策を手にしたから最強でなくなっただけであり、3ターン目の盤面展開力については何も衰えていないため、現環境では<DARK MATERIAL COMPLEX>に依存しすぎない形へと変化している。
3ターン目に<ドラン・ゴル・ゲルス/豪龍の記憶>に革命チェンジすることを至上命題に置いていて、<獲銀月ペトローバ>を駆使して序盤から小型を大量展開していくことと、<死神覇王・ブラック・XENARCH>を踏み倒すことで闇自然ゼニスに対して蓋をすることができるので有利主張することができる。
光水闇の<DARK MATERIAL COMPLEX>が苦手なだけであり、デッキの出力自体は火水マジックなどと同様に高くて強いデッキである。
水自然ジャイアント
オリジナル環境でも活躍しているジャイアントは実は様々な相手に対して5分の勝負ができるデッキだったりする。かつての成長バスターや成長ダンテと同じことをしているのだから、それはそうだ。
2ターン目に2コストの革命チェンジ元を出して3ターン目に各種5コストのクリーチャーへ革命チェンジすると、4ターン目にはゴルファンタジスタを革命チェンジで叩きつけることができる。
またこのデッキのフィニッシュ力をあげているのが<範丸の超人>である。<チアスカーレット アカネ>のメクレイド効果や<輝跡!シャイニングロード・マンティス/輝跡の大地>などから踏み倒すことが多いが、除去耐性やゼニスよりも高いパワーでのバトル効果とブレイク効果が即時打点を間接的に作っている。
地上戦では最強の一角として、その名の通りにパワフルな戦い方を見せてくれるので、要注意だ。
光火アーマード
怒涛の無限攻撃と序盤の面の取り合いでは無類の強さを持つ。ゼニスを乗り越える手段が少ないことや、妨害を1枚当てられるだけで失速してしまう弱点があり、あまり見かけなくなってしまった。
しかし、4ターン目に暴れ始める可能性があるデッキではあるため、環境が後ろよりになった場合には使用者が増えるかもしれない。<瞬閃と疾駆と双撃の決断>が殿堂入りしてビートデッキが弱体化してしまったので、もう少し強化してあげて欲しいところではある。
おわりに
ここまでDTLの試合で登場しそうなデッキや環境で見かけるデッキを紹介してきたが、これが読んで下さった方の力になれば幸いです。個人的には2ブロック村の代表であるおんそく選手と、FTGのにわか選手を推していますので応援よろしくお願いします。(15日追記*flat工房のデュ礼講が中止になって悲しい。)
8月17日からスタートする、いわゆる権利戦は超天編以前の権利戦とは異なるシステムで行われるので、これから2ブロックがどう盛り上がっていくのかにも注目です。
9月には王道編第3弾が発売されるので、そこのプール追加のあとはGP、エリア予選とデュエル・マスターズは盛り上がって行くと思います。
これを機にオリジナルだけではなく、2ブロックやアドバンスのデュエマにも触れてみるのもいいのではないでしょうか。
質問や訂正などがございましたら@Fei1020までご連絡ください。可能な限り対応させていただきます。
それでは2ブロックが今後もますます盛り上がっていきますよう。
ほんとにおわり