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第118回歯科医師国家試験の概要発表

例年通りの発表

第118回歯科医師国家試験の概要が7月1日に発表されました。毎年7月1日に官報が発表されています。

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikaishi/

第118回歯科医師国家試験の施行について

来年の試験日は

令和7年2月1日(土)、2月2日(日)

となりました。

ここ最近ずっと1月最終週だったので、そのつもりでいた人達が多かったと思います。県外に受験にいかないといけない大学などはすでにホテルを抑えている場合には日程変更などが必要になりますね。

合格発表日は

令和5年3月14日(金)14:00

毎年3月16日に発表していたのですが、土日にあたるため、昨年度、今年度は発表の日程がずれているようです。

期限について

出願締め切りが11月29日(消印有効)
卒業見込みに関する証明が令和7年3月10日午後2時

これは大体毎年同じであり、このデッドラインの境目で色々な行事がある大学が存在します。

出願前に学生数を絞りたい大学は11月29日までに一度全ての卒業試験を終了し、留年者を決定します。そのためこういった大学での最下層の6年生の寿命はあと4か月弱しかありません。
大体こういった学生は自分の立ち位置を客観的に評価できないので、今これを読んだとしても自分の事を指摘されていることには気付きません。落ちて初めて気づきます。最近は1学年2回まで縛りの大学も多いので、11月に落とされるような学生は次の1年で挽回できず次の年は除籍になる確率は高いです。最近6年で除籍になる学生はかなり増えており、温情で卒業させてくれるなどという期待は捨てましょう。

また。3月10日は卒業保留のデッドラインとして使用されます。
3月10日14時以降に卒業判定を出せば、それまでに卒業証明ができないので、その学生は卒業できますが国試は受験できず浪人する事となります。
1月の最終卒業試験で落として、追加の卒業試験を国家試験とほぼ同じぐらいの日程で開催、3月末に卒業を許可すればよいだけです。文春砲で朝日大学が叩かれた手法なんですが、おそらく複数の大学で今年度もそういった学生が出るでしょう。

出題委員

出題委員も発表されています。それぞれ得意な分野というものがありますので、予備校などはこの顔ぶれをみてある程度問題を予想するのではないでしょうか。

委員長は1年のみで、副委員長が次の委員長になることが慣例です。そのため、来年は徳島の馬場先生が委員長になります。

第118回歯科医師国家試験出題委員

新しく入った先生は16名で黄色のマーカーをしている方々となります。去年の12名よりは多くなりましたが、113、114回のように20名ぐらいの先生が交代した年もありましたので、中程度の変動という感じでしょうか。

一応、新しく入った先生方は以下の様な方々です。

鮎川 保則先生
九州大学 口腔機能修復学講座
専門:歯科補綴学

岩﨑 正則先生
北海道大学 口腔健康科学分野
専門:衛生、社会歯学

岩田 隆紀先生
東京医科歯科大学 歯周病学分野
専門:歯周病

鵜澤 一弘先生
千葉大学医学部 口腔科学
専門:口腔外科

大須賀 直人先生
松本歯科大学 小児歯科学講座
専門:小児歯科

清島 保先生
九州大学 口腔顎顔面病態学講座
専門:口腔外科

黒嶋 伸一郎先生
北海道大学 冠橋義歯補綴学
専門:歯科補綴学

後藤 哲哉先生
鹿児島大学 歯科機能形態学分野
専門:解剖、組織

齊藤 一誠先生
朝日大学 小児歯科学
専門:小児歯科

髙橋 一也先生
大阪歯科大学 高齢者歯科学講座
専門:高齢者歯科、摂食嚥下

田中 芳彦先生
福岡歯科大学 感染生物学分野
専門:微生物

野杁 由一郎先生
新潟大学 う蝕学分野
専門:保存修復

船津 敬弘先生
昭和大学 小児成育歯科学
専門:小児歯科

堀 一浩先生
新潟大学 包括歯科補綴学分野
専門:歯科補綴学、高齢者、摂食嚥下

松浦 尚志先生
福岡歯科大学 冠橋義歯学分野
専門:歯科補綴学

山村 健介先生
新潟大学 口腔生理学分野
専門:生理学

今回新たに出題委員になられた方々の大学をみてみると、新潟の先生が3名、九州2名、北海道2名、福岡歯科2名とやや偏っている印象を受けます。

出題委員を退いた先生

第117回で出題委員を退かれた先生はピンクでマーキングした先生方となります。普通は4年ぐらいなのに6年間つとめられた先生もいました。藤井先生は1年で退かれたようなのですが、何か事情でもあったのでしょうか。

第117回歯科医師国家試験出題委員

116回歯科医師国家試験以降の出題基準

昔国試を受けた人や、国試についてあまり詳しく無い方に、現在の国試の出題基準に関して、116回からの変更点を簡単に説明します。

領域の変更

今までは、必修+領域A、B、C全てで基準をクリアする必要がありました。領域B(保存、小児、矯正)のボーダー点数がいつも結構高く、そこで点数が足りずに落ちる学生がいましたし、領域Cが苦手すぎてそこでという学生もいました。
116からは領域B、Cが統合されて領域B(各論)という形になっています。
領域自体の数が減ること自体は学生にとって悪い話ではないとは思います。一教科ミスって死亡というリスクが減るからです。

必修問題へのX2導入

必修問題に「2つ選べ」が導入され、実際に出題されました。そこまで難易度が高いわけでもなく、削除問題連発とかにはなりませんでした。116、117の必修問題はA~D問題の先頭20問でした。

その他

問題数などには変更はありません。禁忌肢は111回に廃止されており、以後も禁忌が復活することはなさそうです。


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