次々と告発される歯学部達
今度は日大松戸
東京新聞に日大松戸の関係者からリークがあったようです。
ちゃっかり別の事もバラされてます
日大松戸はここ数年、国試は受験できないが卒業はできる、というシステムでずっと裏から学生をある程度卒業させていました。これは、前回朝日大学が週刊文春に文春砲を食らった内容と一致します。
実は今年、日大松戸は裏から卒業させるのをやめた、という話は聞いていましたので、文春砲の対象外で良かったですね、と前回のnoteの最後に書いたらこんな感じで東京新聞にリークされてしまいました。
まあ、裏から出さないのであれば、その人数を留年か除籍で処理するしかありませんので、留年が増えるのは当然といえば当然です。
殆どの私立歯学部がすねに傷があります
しかし、裏から卒業させても叩かれて、留年させても叩かれるのであれば私立歯学部は八方塞がりの状態です。
実は日大松戸の昨年度の6年生の留年率、留年者数は私立歯学部でトップではありません。つまり、日大松戸よりも深刻な状況の大学はまだほかにあります。
学生の問題で、すねに傷がない歯学部なんて東京歯科と昭和ぐらいでしょう。愛知学院大学は6年生をほぼ全員卒業させていますが、その分合格率が悪くて入学者数を集めるのに苦戦していますし、6年生以外の留年率がかなり高いです。
愛知学院や鶴見大学の入学者数をみていると、やはり、国家試験の合格率は入学者数に影響するのは間違いありません。
まあ日大松戸の場合、こんなに国試の成績が悪いのに定員を115名から128名に増やしたりしてるから、余計に入学者数が気になってしまうのではないでしょうか?正直、学費がもっとほしいから入学者数増やすけど、国試合格は保証できません、と言ってるとしか思えませんからね。
国家試験の合格者数が固定されている以上、この状況は当面変わりません
多くの私立歯学部では受験者数が減少し、定員を確保することさえ難しい大学が全体の半分程度にまで及びます。定員を削減すればよい、と簡単に言う人がいますが、定員を減らせば人件費をある程度削減しないといけなくなります。すでに多くの大学では講座再編という名のもとで教員の数を以前よりもかなり減らしてます。そして、歯学部は附属病院を有しており、教員が診療していますし、衛生士や技工士など多くの人材を雇用していますが、さらなる削減で病院機能にも影響が出ています。これ以上の定員削減は歯学部はもちろん附属病院の大幅なスケールダウンに繋がるでしょう。特に医学部を有しない単科大学は厳しいでしょう。
国家試験の合格者数が2000人前後で固定されている以上、週刊誌で叩かれている状態が改善する事はありません。定員削減によるスケールダウンが受け入れられないのであれば、現実的に改善する可能性があるのは歯学部が数校廃部になることだけでしょう。
文科省や厚労省の話が最後の方で出てきます。歯科医師過剰問題はかなり前から指摘されていました。たいした手を打たなかったわりに、自分達は責任がない的な姿勢が腹立たしいですね。どうせ、大学側が勝手に廃部を決めるのを待ってるだけでしょう。相手が勝手に顔を上げるのを待ちながらジワジワと指導はする、というお役所仕事、お疲れ様です。
次はどこが告発されるんでしょうか?
前述しましたが、殆どの私立歯学部はすねに傷がありますので、どこがやられても不思議ではないです。ただ、こういった告発は本当に有効なんでしょうか?大学をいくら訴えても、国家試験を相対評価にして2000人しか合格させない国がいる以上、状況は変わりません。
また、文春砲や今回のリークは主に元学生(と親)が行っている可能性が高いと思われますが、国家試験が相対評価であり2000人しか合格できない事、留年率がかなり高く、リスクが非常に高い学部であることを理解して入学したはずなのに、ドロップアウトさせられたらリークするのは筋違いではないかと思わざるを得ません。漫然と歯学部に在籍して人生を消耗させたのは、自分自身のせいではないんでしょうか?
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