湿布革命

 僕なんてまだまだ産まれたての、生後294ヶ月(24年と半年)の成人なので湿布なんか煩わしいだけにしか感じていなかった。

 筋肉とか筋とかを傷めて病院にかかると湿布と痛み止めと胃薬と処方されるが、湿布に対してはずっと疑問を抱いていた。あんなもん貼っても鬱陶しいだけやしスーッとして気持ち悪いし、なんならそもそもこれ意味あるか?とすら考えていた。痛みへのアプローチとしてはゼロ、何も起こっていないのと同じだろとか思ってた。

 そう思いながらも、筋肉やら筋やらを傷めることが殊更に多い僕は本日、また肩に筋肉系のトラブルが発生して病院にかかることになったのだ。今年の8月以来実に3ヶ月ぶりに、湿布と痛み止めと胃薬を処方された。正直前回貰ったのも少し残ってるっちゃ残ってる。そんなこんなでとりあえず、院内で先んじて一枚だけ処方された湿布を看護師に患部へはっつけて貰った。

 ここで八木電。(八木電=ヤギデン とは「八木に電流走る」の略。いわゆる雷に撃たれたような感覚を意味する表現であり、漫画『アカギ〜闇に降り立った天才〜』にて登場人物である八木を描写するナレーターが放ったセリフに由来する) 僕は生まれて初めて湿布を貼って「きもちえ〜」って思ったのである。革命だ。湿布とはこんなにも気持ちよかったのか。煩わしくともなんともない。腕に湿布が貼られている為、物量的には増加しているはずなのに腕そのものは非常に軽い。まだ薬も何も飲んでいないのに湿布だけでこの効力。我々人類は湿布という存在を少々侮っているのかもしれない。もはや何にでも効きそうだ。家内安全、学業成就、安産祈願、商売繁盛。この辺に対して湿布が効力を発揮してもなんら不思議ではない、そう思えるほどに湿布の効き目を体感している。

 今日は湿布を下げてから上げる日記を綴ったが、これからも自分の中でしょーもなかったものが一転して評価を爆上げすることが起こり得るだろう。体感時間における人生の折り返し地点は過ぎたことだし、もう一度生まれ変わったような気分でなんでも体験していかなあかんなと、そう強く感じた筋肉系のトラブルであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?