送り迎え卒業

製薬会社のCMが頭に浮かぶ。
「見守るだけの仕事」
そんな役割は皆あまり好きではないと思う。

かくいう私も本当は自分が主人公になって
活躍したいし、成長したいし、
みあった具体的な報酬がほしい。
でもそんなものは、この20年なかった。
健康も、友達作りも、時間も
思った通りにはならんかった。
それでもなんとか寄り添ってこられたのは
何でだったんだろう。

特にこの数年は、朝の車送りがきつかった。
学校まで送って帰ってくるだけで
午前中のほとんどか終わる。
なんもできない。
午後は午後で習い事やらバイトやら
特にコロナ禍になってからは
とにかく送って迎えにいって
そればっかり。
お陰で車の運転がたぶんうまくなったよ。

最後の朝、帰り道のラジオから
BOOMの「星のラブレター」が流れてきた。
部活の合宿の束の間で聴いた記憶がある。
あの時のかずかずのがむしゃらと
苦しかったこともあったけど
不器用でもがむしゃらに子育てやってきたなという思いが謎に混じりあって
なんとも言えない余韻が帰宅した部屋中に広がって、しずかに過ごしたい気持ちでいる。
今日はそんな、寒いふゆの日である。

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