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海外出身者が約3割。「多国籍組織」を支えるスピークバディのサポート施策

スピークバディのチームは、約3割が海外出身者で、現在は11カ国から集まった多様なメンバーで構成されています。正社員の海外メンバーは全員日本で生活しながら働いていますが、必ずしも全員が日本語を話せるわけではありません。彼らに安心して働いてもらうためにも日々の業務でのコミュニケーションや、生活のためのサポートがとても重要となります。
今回は、代表の立石、HR Division Headの早川、HR兼通訳を担当しているマリッサに、海外メンバー採用の背景や、多国籍な組織を支える仕組みづくり・サポート施策について話を聞きました。

▼T.Tateishi|CEO (写真左)
東京都出身。新卒で外資系投資銀行に入社、上場企業の資金調達やM&Aのアドバイザーとして勤務、日系証券会社の香港駐在も経験。内定当時TOEIC280点だったことから、業務上必要な英語レベルに達するのに大いに苦労したが、その経験が現在のサービス開発につながっている。会計士二次試験当時最年少合格。現在は、TOEIC満点・英検1級。中国語も高校在学時より学習を続けている。

▼M.Lau|HR(写真中央)
ハワイ出身。2015年より3年間、外国語指導助手として、長野県で小学生〜大人まで多様な生徒と共に、英語を学ぶクラスやイベント運営を行った。また、東京国際大学に4か月間在籍した経験も。英語と日本語のスキルを活かしながら人と関わる仕事を探していたところ、スピークバディに出会う。ミッションに深く共感し、2018年8月入社。英語・日本語(N1)のバイリンガルとして通訳・翻訳も行う。

▼R.Hayakawa|HR Division Head(写真右)
愛知出身。リクルートグループの営業とディレクター職を経て、ITスタートアップの組織・採用戦略や新規事業を担う。ソウルドアウト社で子会社立ち上げや採用マネージャーを経験。中国事業立ち上げに際して語学の壁にあたり、言語習得の難しさを実感。オープンで誠実な社風に惹かれ、2021年12月スピークバディ入社。言語は日本語・英語。

言語に関係なく、優秀な人と一緒に働きたい

ー スピークバディでは現在、社員の3割が海外出身とのことですが、そもそもいつ頃から彼らがプロダクトに関わったり、正社員で入社するようになったのですか?
 
立石(以下T):実は、結構初期からなんですよ。そもそも私が海外のデザインのほうが好きだったこともあり、初期からデザインは海外の方に依頼していましたし、開発にもインドや中国のエンジニアが携わっていました。私の中に「メンバーは日本人に限定する」といったこだわりは最初からなくて、当時の正社員の募集要項も日本語と英語を併記していました。その募集を見たオーストラリア人のデザイナーのマイケルさんが2017年の初め頃に応募してくれて、仲間になってくれたのが始まりですね。当時正社員は日本人が4人だったので、彼が5人目でした。

ー 業務委託として依頼するのと正社員として一緒に働くのでは関わり方は大きく違うと思うのですが、マイケルさんが正社員として入社することに不安などはありませんでしたか?
 
T:もちろんありはしました。その頃のメンバーは特に英語に堪能というわけではなかったので、言語が違う中で仕事が成り立つのだろうか、と。でも、彼は非常に優秀なデザイナーだったのでぜひ入社して欲しかったですし、何よりスピークバディは”言語学習のプロダクト”なので、みんなで学んでいこうと話し合いました。結果、周囲の日本人社員のほうから積極的に英語で話しかけたり、マイケルさんも易しい英語で話してくれるなど、お互いが歩み寄ることでうまくいったのではないかと思います。
 
ー 1人目の受け入れは無事乗り越えられたんですね。その後はどうだったのでしょうか?
 
T:その直後に、英検1級取得者やTOEIC満点の日本人エンジニアが連続して入社してくれました。彼らに「なぜスピークバディを選んだのか」聞いてみると、「海外出身の同僚がいる国際的なベンチャーって面白いじゃないですか」という回答が返ってきて、マイケルさんがいることを魅力として受け取ってくれていました。そして、この二人が英語に堪能だったこともあり現実的に「母語が日本語ではないエンジニアやデザイナーもWelcome」な環境ができあがったと思います。以降、アメリカやノルウェーなど様々な国・地域出身のエンジニアも入社し、プロダクトチームはどんどんインターナショナルな構成になっていきましたね。

「みんなと話したい」を学びのエネルギーに

ー 順調に多国籍な組織として成長していった様子ですが、日本のメンバーも英語が得意な方が多いのですか?
 
T:採用の時点では英語の能力は重視していないので、得意ではない人も在籍していますよ。言語学習のコンテンツを作るメンバーなどは業務の特性上バイリンガルの方が多いですが、すべての業務で英語に堪能な方ばかりを採用するのは無理ですし、英語が得意ではなくても優秀な方には入社していただきたいと考えていますから。
 
早川(以下H):プロダクト側に海外メンバーが増えてきた頃から、全社ミーティングは全編英語、Slackの全体発信も日英併記とするように変化していきました。でも英語が得意ではない人もいるので、プレゼンのスクリプトを日本語で記載して共有したり、制度変更など特に深い理解が必要な場合には言語毎に開催するなど、情報格差が出ないような取り組みを並行して進めているところです。
海外メンバーがいる会議は基本的に英語でやりとりしていますが、インタラクティブさも大事なので必要に応じてマリッサさんが通訳として入るなどのサポートもしています。

スピークバディ全社会議の定番・マリッサの即時通訳/2024年9月の合宿にて

T:円滑なコミュニケーションや関係構築のために、基本的には相手が理解できない言語では話さない、ということが重要だと思います。
私は香港に駐在していたことがあるのですが、自分がいる場で急に広東語を話されると、仮に悪気がなかったとしてもすごく疎外感を感じるんですよ。「この人には聞こえてなくていい」というメッセージにもなりかねないのですごく気をつけるべきところですね。
 
マリッサ(以下M):それでもどうしても日本人のほうが情報が届きやすく、同僚間でも同じ情報を得られないということはまだ起きてしまっています。海外メンバー向けのフォローアップとして、月に一度キャッチアップ会を開催して、会社の最新情報が届くように工夫をしています。
 
ー 社員のみなさんに義務付けしている言語学習はありますか?
 
H:特に義務にはしていないのですが、英語・日本語のコーチングプログラムは会社としてオリジナルのものを準備していて、自発的に学習する人が多いですね。
 
T:特に海外メンバーは日本語習得意欲の高い方が多くて、忙しい中でもレッスンを受けて学ぼうとしてくれています。JLPT(日本語能力試験)で最も難易度の高いN1を取得している方が何人もいるんですよ。そうした努力をしてくれる人たちがいるというのは本当にありがたいことで、彼らから日本語で話しかけてもらったりすると、いつも嬉しさが込み上げてきます。

日本メンバーからももっと英語を勉強してスムーズにコミュニケーションを取れるようにしたいという声が日々あがっていますね。先日、初めて全社で合宿をしたのですが、その場で初めて海外メンバーと対面で会話したという人もいて。直接話せる喜びを感じると同時に、もっと話せるようになりたいと話していました。

海外メンバーのコミュニティによる相互サポート

ー 海外出身の社員に対して、日本での生活サポートも充実させているとのことですが、そもそもサポート体制を整えるに至ったのはどのような背景からですか?
 
T:これまでたくさんの海外メンバーに入社してもらいましたが、同時に日本での生活に関する困り事を個別にサポートすることが何度もありました。公的な手続きがわからなくて困っていたり、病気になった時に英語で受診できる病院が探せなかったり、最悪の場合ビザが切れそうになってしまったり。他にも、働くことへの価値観の違いやカルチャーの違いからくる相談もたくさんありました。
 
多様性と言うと聞こえは良いですが、一つにまとまるというのは本当に難しいことだと感じています。だからこそ、まずはみんなが業務に集中できて、かつ、日本での生活が良いものになるようにすることが第一です。それをできるだけ個別対応ではなく、会社の仕組みとして整備することでよりスムーズに支援できればと考えています。
 
ー どのようなサポートをしているのか具体的に教えてください
 
M:海外メンバーが一番困るのが、ビザ取得・更新と税金などの行政手続きなんです。
特にビザは、手続きが滞ると最悪帰国しなければならなくなりますので、スピークバディでは個人申請ではなく会社経由で申請や更新をしています。また、税金等は、通知が来ると漢字がびっしり。日本語ネイティブの方でもきっと大変ですよね。お知らせが届いたけど何をしたらいいのかわからない、という場合も放っておかないで相談をしてほしい、と伝えています。
 
スピークバディへの入社のために海外から移住してくる場合、入社前に住居探しも必要です。海外の方Welcomeな不動産屋やオンラインで内見ができる不動産屋を紹介したりもしています。
 
H:以前入社を機に海外から移住する方が日本に到着する日に、マリッサさんと私で羽田空港まで迎えに行ったことがありますよ。そのまま一緒に銀行口座を作りに行き、スマホのSIMカードを契約して、区役所で住民票の手続きして・・・というのを1日でまとめて一緒に済ませました。こういうのは最初に片付けてしまえばあとが楽ですし、安心して暮らしてもらえるためにも大事なことだと思っています。

移住する社員を羽田空港に迎えに行った早川(左)・マリッサ(中)から社内への共有Slack

ー 11カ国の方が集まっている中で、国ごとの文化の違いを受けて取り入れた取り組み等はありますか?
 
H:文化の違いを受けて設けた制度でいうと休暇制度がわかりやすいかもしれません。海外だとホリデーシーズンに2,3週間休むというのは普通で、有給が足りないという声があったので、一部無給にはなりますが長期休暇を取得できる制度にしました。年末年始の帰国などで活用してくれています。また日本の祝日は海外メンバーにはあまり馴染みがない場合もあるため、その日は稼働日として他の週末を長くできるようにしたり。
他にも、時差や期間の制限は設けつつ、海外からのリモートワークを可能としています。(時差±2時間以内・期間は3ヶ月以内)これは帰国や旅行問わず利用できるので好評ですね。
 
ただ、制度や仕組みも大事ですが、「海外メンバーが多い」ということ自体が、最大のサポートになってるところもあるかなと最近すごく感じています。海外メンバー間のコミュニケーションのために設けているSlackチャンネルでは、頻繁に情報共有や相談がされています。孤独になりがちな海外メンバーにとって、社内にコミュニティがあるというのは心強いのではないかなと思いますね。

多様なメンバーのチームであることが、会社の強みに

ー 言語の壁を乗り越えながら多様なメンバーが集まったと思いますが、良い影響はありましたか?
 
H:スピークバディは有給消化率が全体的に高く、残業も少ないんですが、これは海外メンバーの働き方が日本人メンバーにも波及しているのでは?と感じています。海外だと「業務時間中に集中して、残業はしない」という文化の方が多く、その影響もあってみんながメリハリがある働き方をしているように思います。

T:色々な視点の方がいるというのは、会社の運営にとって本当に良い変化でした。
僕は、初心に戻るきっかけを何度も与えてもらっています。スピークバディには「真の言語習得を実現し、人生の可能性と選択肢を広げる」というミッションがありますが、社内コミュニケーションが多言語であることで、日々言語で困ったり、言葉が通じて嬉しいといった体験をさせてもらっていて、何度も初心に立ち返ることができています。
 
プロダクトづくりにおいても、色々な観点・意見を取り入れて行けるのは本当に良かったですね。海外進出を目指している中で、グローバルスタンダードでものづくりをしていると思いますし、そういうチームだから堂々と海外に展開していけます。多様なメンバーで構成されたチームのおかげです。

その国や文化を知るきっかけも、サポートしていきたい

ー これから社員が増え多様性が増していく中で取り組みたいことはありますか?
 
H:言語の違いによる情報格差やコミュニケーションスピードの遅延は、すごく気をつけていかないといけないところだと思っています。マリッサさんが対応している通訳やサポートは今はまだ草の根の活動なので、多言語対応をあたりまえにするために、体制を作って社内に広めていきたいですね。
また、多様性が広がる中で、各メンバーの宗教上の多様性や食文化の違いなどへの理解を深める必要を感じていますので、学びの場を作るなど取り組みをしたいところです。
 
ー 先日海外進出も発表しましたね。これにより海外メンバーの採用もさらに加速するのでしょうか?
 
T:海外に展開していく時は、現地の方の採用もしていきたいですね。
それに合わせて、母語同士で話す時間というのも増えていくといいなと思います。例えばインドネシアのエンジニア同士でインドネシア語で話しながら開発を進めるとか。そうすると、これまで以上に言語に縛られずに現地の優秀な方を採用することもできますので、会社がどんどん強くなっていけるのではないかなと考えています。
 
また、まだ構想段階ではありますが、今後海外への展開を進める中で、進出予定の国に旅行する社員を会社としてサポートする制度を作れないかと考えています。その国に行ったことがあるかないかで、イメージできることの幅や深さが大きく異なりますよね。自分たちがサービスを提供する国や学習者に対する理解を深めることは私たちのミッション実現に向けて不可欠なので、それを会社としてもサポートできたらと考えています。そういった意味でも、私たちの組織作り・仕組み作りはどれもミッションと深く結び付いていると思いますね。


いかがでしたでしょうか。現在も「言語に関係なく、ミッションマッチする、優秀で最適な方を」という思いで採用を続け、開発チームを中心に、多国籍チームとして組織成長を続けているスピークバディ。会社や採用情報に関心を持ってくださった方は、ぜひこちらのページをご覧ください!


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