ままならないから私とあなた。
レンタル世界：すべてをさらけ出すことで確固たる絆を得られるという信念を持った雄太は、人間関係をレンタルする業者で働く美女と出会うが…という話。
ままならないから私とあなた：無駄なことを非情に切り捨てる薫とその親友の雪子、すれ違いながらも成長していく二人が叶える夢とは…という話。
合理化が全てではないと思われていた事を合理化するもどかしさ。ディベートの攻防を観てる面白さに近いと思う。否定してるつもりでも一方では受け入れちゃってるよねというスタンスはちょっと好き。よく温もりが損なわれるって言われがちだけど、だったらその温もりすら合理化したとしたらどうなのって。どっちが正解でもないし、どっちが正義でもない、けどモヤモヤする感じと実際そういう時代になってきてるよねっていう変な怖さが味わえる読書体験だった。
朝井リョウは、桐島、部活…の時から、余白や余韻の演出がやっぱり上手いなと思う。描かれていない所で進行していく感じ。
一方でもうちょっと気の効いたタイトルつかないもんかなと思ってしまった。無難ではあるが。
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