AIDの将来像を予想してみる
現在、AID(非配偶者間人工授精)は、子の出自を知る権利への懸念からドナー不足に陥り実施件数が減っている現状があります。
この、AIDの将来像について勘づいてしまったことがあります。
「面倒ごとは精子バンクに押し付けよう」と考えている
AIDの実施機関は、精子バンクに関する法整備がされたら、精子の管理や子の出自を知る権利などの面倒ごとを精子バンクに任せて、自分たちは人工授精や体外受精などの技術に特化しようとするのではないかということです。
今までドナーの収集や管理をAID実施機関自らやってきました。ドナーに選ばれる人は医学生や不妊治療に成功した夫婦の夫などで、ドナー集めの方法はかなり閉じられた世界でした。一方、出自を知る権利が世界的に認められる風潮になってきて、ドナーが減少したことになっています。しかし、ドナーが足りないならば集める門戸を広げればいいことなのにAID実施機関はドナー募集拡大をやっているようには見えません。
加えて、生殖医療学会の倫理委員会の提言の中で、ドナー不足が深刻で将来的には精子を輸入することになるだろう、と記載がされていました。
それを見て、ははーんと気付いてしまいました。
この人ら、もうドナー囲う気ないんだなということです。
国会で生殖医療による親子関係を定める法案の中で今後2年以内に精子バンクなどの法整備を議論していくことになりました。
そして、世界最大の精子バンク クリオスも日本への本格上陸を今か今かと待ち構えています。
AID実施機関は精子バンクの法整備がされるまでは最低限の件数をやって、法整備がされてクリオスのような民間の精子バンクができたら、精子バンクに精子の管理や出自を知る権利による訴訟リスクを押し付けて、自分たちでのドナー集めをやめて、人工授精や体外受精などの技術面だけやっていきたいと考えてるんだと邪推しています。
その結果、出自を知る権利が精子バンク任せになりバンク独自の対応になる可能性があります。現にクリオスの精子にはドナー情報を開示するものとしないものがあり、情報開示に同意したドナー精子がより高額に設定されています。
このことは第三者生殖医療により産まれた子の幸福につながらないおそれがあると懸念しています。
今後、AIDがどこに向かうのか、情勢を常に見つめていきたいと思います。
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