見出し画像

Spatelの3D裏話(モデリング編)

こんにちは。限界駅メモerのSpatelです。
6月に怪文書を投稿して以来の投稿になります。実に半年ぶりでございます。
その半年前のことになりますが、怪文書と同時に「でんこの3Dモデリングをして動かす」といった二次創作を楽しんでおりました。

先日、その成果物を即売会にてたくさんの方にご覧になってもらい、「どのように作ったのか?」といった質問を多く頂きましたので、はじめての3D制作~展示までの経緯を淡々と書いてみようと思います。今回はモデリング編です。

駅メモ二次創作ガイドライン的には立体物の二次創作は問題ないらしいですが、
他のコンテンツは厳しいところが多いので何かあったらすぐ消します…
よしなにどうぞ。

昔も今も「動くでんこが見たい」ただそれだけ。

実は5年前くらいからでんこを3D化したいという夢を持っていました。
当時の3Dモデリングソフトというと、blenderくらいしかありませんでした(見つけられなかっただけかもしれないけど)

blenderは使いこなせればモデリングからアニメーション・動画編集までプロレベルの作品ができるのですが、あまりにも自由度が高いため、初心者が初めてモデリングするにはハードルの高さを感じるソフトであり、
自由度の高さで知られる町づくりゲーム「どうぶつの森」ですら何をすればいいかわからず固まる私にとっては挫折するのが想像に難くありませんでした。
その数年後、インターネットで脚光を浴びるVtuberブームの波に乗るように、初心者でも簡単に3Dキャラクターを作成できるサービスが続々と出るようになりました。
そのひとつが、イラストSNSで知られるpixiv様が開発したVroid Studioです。

この知らせを聞いたときはまだベータ版であり、当時は操作を理解できずこれまた挫折。
また、ある程度使いこなさないと「いかにもVroidで作りました」感が出てしまいます。
勤勉でない私にとってはまだ3Dモデリングは遠い存在でした。

そこからさらに1年くらい経ち、Vroidの正式版が発表されました。
プリセットで入っている髪型や衣装・そして顔や体のメイキング機能が充実して、かつUIも分かりやすく進化してました。
ここでようやく私も可能性を感じ、「よっしゃ、いっちょやってみっか」と食指を動かしたのです。
全ては愛するでんこを立体化し、動かしたいがために。

Vroidってなにができるの?

Vroidは人型のキャラクターに特化した3Dモデリングソフトになります。
blenderほどの自由度はなく、そちらと比べてできることも限られますが
他の3Dモデリング支援ツールであるカスタムキャストやREALITYのように、既存のパーツを組み合わせてモデリングするタイプよりやれることは多いです。
こちらのツールはシステム上どうしてもわかる人には「このツールで作ったんだな」感が出ます。
ですので、私のようにモデリング初心者さんが二次創作としてキャラクターを3Dで再現したいなら、Vroidが一番再現率が高く、ある程度取っつきやすい、おすすめのモデリングソフトだと思います。

どんな感じに作るの?

詳しくはYoutubeなどでVroidと検索すれば講座動画がたくさん出ているので実際に作業してみたいという方はそちらを参照していただきたいですが、
簡単に説明すると、
顔の形:各種パラメーターの調整
髪型:雛形に沿ってマウスをドラッグさせ、髪の毛を生やす
衣装:テンプレートとなる白い服に色を塗り、要所要所で重ね着させる
の大きく3つの作業に分かれています。

実際のVroidスクショをご覧ください

モデルは美唄イムラちゃん。かわいいね

左側に制作したモデル・右側にはパラメーターがあります。
このパラメーターの丸を左右にいじると、文字通り顔のパーツの大きさや幅が変化します。
ここで、再現したいキャラクターをよ~~~く観察して、どんどん顔を元の絵に寄せていきます。
髪や服ができてなくても、顔が似ていれば結構「っぽく」なるものです。
なので、私はいつも顔の調整から始めてます。
もちろん、3Dなのでいろんな角度からグルグルと確認することをお忘れなく。

髪型はどうするのかというと、

新阪ルナちゃんに手伝ってもらいました。最初に作った最推しの子です。かわいいね

髪型編集モードでひと房ずつ描くように生やしていきます。
試しに新阪ルナのモデルを使って説明すると、緑の格子状のものが髪型を決める雛形となり、それに沿ってマウスでドラッグアンドドロップすると髪を生やすことができます(向かって左の部分が新たに生やしたところ)
プリセットの髪型もいろんな種類があるので、一から作らずにプリセットを改造する方が楽な場合もあります。
とにかくソフトの機能を試すことが上達の近道です。色々試してみましょう。

最後に衣装の作成です。

衣装テンプレートの例 いろいろあります
モデルは調布みずかちゃん。かわいいね。

上記の真っ白で陰影がうっすらついているテンプレートに色を塗って再現していきます。
みずかの服の展開図にハートマークを描くと、モデルにもハートマークが反映されているのが分かりますでしょうか。この要領で服を作る(描きこむ)のです。
このコートのように前開きにしたい場合は消しゴムで消せば消した部分の布地が消えます。
逆パターンとしてモデルに直接書いて展開図に反映させることもできるので、衣装の模様の位置関係が分からなくなったら試してみましょう。
また、コートの中の黒いスカートは別のテンプレートで描いて下に重ねています。
みずかのスクショ左側に書かれている「ワンピース(長袖)」がコート部分・「ペンシルスカート」がスカートの部分です。

一度作った衣装は他のモデルにも使うことができます。
例えば最初にお見せしたイムラの衣装をみずかに着せることもできるんですよ。ほら…

オリジナル
衣装を借りたみずか。そして違和感。

…Vroidは体型の差もパラメーターで簡単に調整できるのが分かりますね…

それでは最後に、blenderで仕上げをします。
そうです、自由すぎて一度挫折したblenderくんからは結局逃げられない運命でした。
Vroidで普通の人型キャラクターを作るにはある程度十分な機能が備わっていますが、ネックレスやイヤリング・髪留め等の装飾物は再現が難しい場合があります。
さらにでんこは人外(ヒューマノイド)の為、一般的な人間は装備していないパーツもあります。
それを補うためにblenderでアクセサリーを作ってくっつけるのですが…
この説明は文章だけだと非常に長くなるので割愛します。

この記事を読んで挑戦してみたい!という方がいましたら、その時に助言はできますので、よかったら皆様も気軽に推しを立体化させてみてください。

言い忘れてましたがVroidは無料です。とっても経済的なんですよ奥様。

次回はモデリングしたでんこを使ってどんなことができるのかをご紹介したいと思います。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。


いいなと思ったら応援しよう!