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刑事がアパレルメーカー起業 2

chapter2  Body blow
第2章 ボディブロー
 今回は、私が警察を退職し起業に至った経緯について語ります。(文中での「オレ」表記をお許し下さい)
 本当の退職理由、単刀直入に「借金」でした。
 借金の理由はいくつかありました。
 両親の介護、医療費、まぁ、それは言い訳かも知れない。
 本当の原因は、オレの場あたり的性格、楽観的とも言えるが、問題を先送りにする傾向からじわじわとボディブローの様に効いて来たのだ。
 刑事、特に盗犯の専門部署にいた当時は、組織にない装備は自腹で入手した。
 湯水のごとく金を使った。
 成果を上げたものもあった、後に組織にその有効性を認められ、今では全国的に広がりを見せた捜査手法も2つある。
 それでよかった、当時はそう思っていた。
 借金は徐々に膨らんでいったものの、そこは公務員、地道に勤めれば収入は安定している。
 新たな借金が出来ないだけで生活は成り立つ。
 ところが、新たな借金が必要な状況が発生したのである。
 金が必要だった。
 金がらみの事件を見るたび「こんな端金のために...」などと嘯いていたオレが、それより少額の金を出せない、情け無い...
 当時(令和2年)思いついた唯一の解決策が
    退職金で補填
するだった。
 捜査途中の事件や、仕事の引き継ぎを考えると1年は必要だったことから、実際の退職は今年令和3年の3月31日となった。
 と、ざっくりですが退職理由はこんな感じですが、思えば退職金、元は皆さんの血税、頂けることはとてもありがたいことですよね。

※おまけ
 オレは29年ぶりに「普通の男の子」に戻った。
 未だに週一で眠れず、夜中に街を車で走る事がある、身体が当直勤務のルーティーンから抜け出せない。




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Max Hase マックス・ヘイズ56歳
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