【日本ドラマ】『スーパーリッチ』がつまるorつまらないじゃなく、残念すぎた件
木曜夜の「スーパーリッチ」は、今季、一番楽しみにしていたドラマだった。
演技の幅が抜群に広い女優と、昨年ヒットした深夜ドラマでカップルを演じた2人の俳優、そして、安定したサブキャストたち。
恋愛ドラマか、仕事ドラマか、それともヒューマンドラマか、経済格差を描く社会派か。
いずれにせよ、楽しみだった。
ところが、始まってみて拍子抜けした。なんというか、ストーリーの核がない。
経済格差、恋愛、仕事……どのテーマをとっても付け焼き刃で、日和見で、なんだか俳優がとーーっても気の毒になる
こういう目線で身始めるとツッコミどころも絶え間なく生じてくる。
「電子書籍の出版社で肩で風切るほどもうかってる会社そんなにないわ、巨大な配信プラットフォームならまだしも」
「インターンの態度がでかっ!しかも、入社してないんなら、経営危うくなった時点で即逃げ出すだろうに」
「簡単にだまされる社長についていく社員えらいわ…」
「屋台のラーメン500円って、どんだけデフレなの!?10月から小麦の値段上がったのに」
「コミックヒットさせて経営の巻き返しなんてハードモードすぎてつらい」
「ウケ狙いなんだか本気なんだかわからないパロディ小ネタやめてくれ」
「社長、だまされてどん底見てるのに、うまく懐に入り込んでくるひとに無防備すぎる」
「えっ、社長、いつのまにか...モテてる」
さらには、時々気が迷って
「主役俳優様、どうかエレベーターに乗ろうとして転びそうになった弾みで、そっちの社員とキスしてくれませんか」
とつい過去のドラマの思い出を引きずって呪詛を送りたくなる。
今のままだと、後半に「こういうの流行ってるんだろ?」と、例えばLGBTなんかも「スパイスの1粒」として乱暴にぶっこんでくる予感しかない。
あくまでも私の雑感だが、小手先で人気を狙った演出が多すぎて、演技に真摯に向かう姿勢を大切にすればするほど俳優にとってはちょっとキツそうなドラマだ。
今のところ、日本のSNSでは絶賛コメントも少なくない。しかし、海外のクチコミを見ると「これ、いつの時代のドラマですか?」「この豪華キャストで、なぜこんなドラマが作れるの?」といった酷評が並んでいる事実を受け止めて欲しい。
次回(11月11日放送)からはなぜか1年後という設定だが、詳しく知りたかった部分をすべてすっ飛ばし、舞台となっている会社の業績が劇的に改善されていたら、私はきっと泣く。