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不動産購入における税務対策の基本
不動産購入は、所得税や相続税などの節税手段として非常に有効です。また、法人による不動産取得や運用を活用することで、さらなる節税効果を得ることができます。この記事では、不動産購入を活用した税務対策の基本を具体例とともに詳しく解説します。不動産購入がもたらす節税効果を知りたい方は、ぜひ読み進めてください!
1. 所得税対策:不動産所得を活用する節税
不動産を活用した所得税対策では、以下のポイントが重要です。
1-1. 減価償却費の計上
建物や設備の購入価格を耐用年数に応じて経費化(減価償却)することで、課税所得を圧縮できます。
例:
建物価格5000万円、耐用年数20年の場合、年間250万円が経費として計上可能。これにより所得税の負担が軽減されます。ポイント:
中古物件は耐用年数が短いため、より短期間で減価償却費を計上でき、節税効果が高まります。
1-2. ローン利息の経費化
不動産購入時の借入金利息は、経費として計上可能です。高額な借入ほど、初年度の利息負担が大きくなり、節税効果が高まります。
1-3. その他経費の活用
固定資産税、管理費、修繕費、広告費なども経費として計上可能です。
ポイント:
購入後のリフォーム費用も一定条件下で経費に計上できるため、計画的に活用することでさらなる節税が期待できます。
2. 相続税対策:評価額を抑えて節税
不動産は、相続税対策として非常に有効です。現金や株式に比べて評価額を圧縮できる特性を活用し、相続税負担を軽減します。
2-1. 土地や建物の評価額を抑える
土地: 路線価や固定資産税評価額を基に評価されるため、時価より低く算定されます。
例: 時価1億円の土地が路線価評価で7000万円となる場合、相続税評価額を30%圧縮可能。建物: 固定資産税評価額で評価され、こちらも時価より低くなる傾向があります。
2-2. 貸家や賃貸用物件の活用
賃貸中の不動産は、相続税評価額がさらに低減されます(貸家建付地や借家権割合の控除適用)。
例: 建物の評価額が30%低減されるケースが多い。
2-3. 生前贈与を活用
相続開始前に不動産を贈与することで、相続税の課税対象額を減少させることが可能です。
ポイント: 贈与税が課されるため、年間110万円の非課税枠を活用した計画的な贈与が推奨されます。
3. 株特外し(特定評価会社の評価額引き下げ):法人活用による高度な税務戦略
「株特外し(特定評価会社の評価額引き下げ)」とは、不動産を法人名義で保有することで、法人税や相続税の負担を軽減する戦略です。
3-1. 株式評価の引き下げ
法人が不動産を保有することで、純資産額が減少し、株式の評価額が引き下げられます。特に同族会社では効果的です。
例: 不動産取得により株式評価額が20%引き下げられる。
3-2. 消費税還付の活用
消費税課税事業者として不動産を購入することで、購入時に支払った消費税を還付できます。
例: 賃貸物件購入時に発生した消費税2000万円が還付され、実質的な取得コストが削減。
3-3. 役員報酬や賃料収入の最適化
個人が法人所有の物件を賃貸利用する場合、賃料収入を調整することで所得分散が可能です。これにより、節税効果を得られます。
4. 資産管理会社の設立による節税
個人ではなく法人を通じて不動産を保有することで、さらなる税務上のメリットが期待できます。
4-1. 法人税率の活用
法人税率(23.2%)は、個人所得税率(最大45%)に比べて低いため、高所得者ほど法人活用のメリットが大きくなります。
4-2. 経費計上の柔軟性
法人名義で不動産を保有する場合、役員報酬や交通費などを経費計上できるため、収益を効率的に管理できます。
4-3. 事業承継の効率化
法人名義で不動産を保有することで、事業承継時の手続きが簡素化され、相続税負担も軽減されます。
まとめ
不動産購入を活用した税務対策は、多角的な視点で検討する必要があります。
所得税対策: 減価償却や経費計上を活用し、不動産所得を圧縮。
相続税対策: 不動産評価額を圧縮し、負担を軽減。
株特外し(特定評価会社の評価額引き下げ): 法人名義での不動産保有により、株式評価額を引き下げ。
資産管理会社: 法人の税率や経費計上の柔軟性を活用し、効率的な運用を実現。
不動産購入における税務対策は専門的な知識が必要ですが、適切に実施することで大きな節税効果が得られます。株式会社Sparkでは、不動産購入における税務戦略をトータルでサポートしています。詳しくはお気軽にお問い合わせください!
次回の予告
次回は「不動産購入時における簡易な財務モデリング」。税務対策で得た節税効果を最大化し、不動産購入後の収益性を予測するための基本的なモデリング方法を解説します。ぜひお楽しみに!