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一週遅れの映画評:『東映まんがまつり』祭りとは「分断」なのかもしれない。

 なるべく毎週火曜日に映画を観て、一週間寝かしてツイキャスで喋る。
 その内容をテキスト化する再利用式note、「一週遅れの映画評」。

 今回は『東映まんがまつり』です。

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 去年の『東映まんがまつり』ってなんだったけ……おしり探偵りさいくるずーと……ああっ、うちの三姉妹か、あれあとひとつなんかあったかな……。
 というように年をとると一年ちょっと前の記憶が曖昧になるわけで、こうやって話して記録を残しておくことの重要性を痛感するわけですが。今年はおしり探偵をメインの柱に、去年から続投のりさいくるずー。そしてふしぎ駄菓子屋銭天堂と特撮のプリティ電王の4本立て!ですね。
 
 上映順にいくとまず『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』。あのですね、すごく喋りにくくなるんだけど……4本の中でこれが一番面白かった!ストーリーとしては『世にも奇妙な物語』的というのが一番伝わり易いのだけど、その作品の雰囲気を作る表現、とくに劇メーション『バイオレンス・ボイジャー』とか『燃える仏像人間』を手掛けた宇治茶監督によるOPがめちゃくちゃ不気味で可愛くてかっこよくて、はっきり言ってこのOPだけで「映画代の元は取れたな」って思えるほど私は好き。
 ていうか本当は『燃える仏像人間』を見て欲しいんだけど、あれどこで見れたっけな。どっかの有料配信であったと思ったけど、まぁそれは各自。Youtubeで予告はあるからとりあえずそれ見て。一応ホラーっぽいから注意ね。
 あとはあれな、一人明らかに幻想殺しみたいな発揮するキャラクターが出てきて、それが作品を根底からひっくり返す可能性を見せてくるのが「この作品を4クールで見たい!」って思いました。
(て思ったら9月からマジでアニメ化するみたい http://www.toei-anim.co.jp/tv/zenitendo/ やったー!)
 
 次が『仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!』。これね仮面ライダー史としては強烈で、小学生の女の子が電王のソードフォームに変身する。つまり女性/子供って属性のキャラクターが主役ライダーに変身するっていうことで、正直この一作だけで色んなイチャモンを跳ね飛ばせるというかw まぁまぁまぁそういう方向としての利点がね、っていう悪い社会に毒されたオタクの目線ですよこれは。
 ただ実質2回の戦闘があるんだけど、2回目はモモタロスがそのまま電王になっちゃうのが残念だったなぁ。どうせなら小学生女子が変身した電王で全部いって欲しかったのに……とは感じたかな。
 
 で『りさいくるずー まもれ!もくようびは資源ごみの日』は、たぶん去年も言った気がするけど、私あんまり「りさいくるずー」と相性が良くないっていうか、一番みたいものを見せてもらえない……えーとダンボールで工作してバイクとか作るんだけど、その工作シーンが超早送りなの。いや「お話を楽しむ」って面では「りさいくるずー」どうしても他の同時上映作品より弱いから、そこらへんの工作が一番みたいのにそこを早送りされるとね……うーん、やっぱちょっと微妙。
 
 最後の『映画おしりたんてい テントウムシいせきの なぞ』なんだけど、いや「おしり探偵」ってすっごい上手い作品で、キャラクターが上品でおしゃれなのよ。おしり探偵っていう下ネタを予感させる名前と姿で、品性のあるキャラクターを作り上げてる。ただ本当にピンチとかマジで怒ったときだけ「オナラ」攻撃をする。それがちゃんと必然性があって繰り広げられるから「かっこいい」っていうのは、本当に「現代の正しい下ネタの使い方」って感じで感心する。
 今年のおしり探偵はメインがおしり探偵の父・ダディで、そこに「父と息子」の関係。互いに能力を認め合って尊敬しあっている姿が描かれていて……去年は『うちの三姉妹』でちょっと母親寄りだったのよ、全体の空気としてね。たぶんそこで「母親よりも父親が連れてきてる率が高い」みたなデータがあったんじゃないかなー、みたいなことを実態は知らないけど、そういう数字があったのかも?みたいな想像からの「今年は父親に寄せていこう」みたいな部分が出てきたのかもしれないと、勝手に思ってます。
 
 全体的にはそれなりに楽しかったけど、作品と作品間の繋がりが弱いのがね……「りさいくるずー」は思いっきり電王ネタだったけど正直イマイチだったし。そういう残念さがあった。
 ただ本当に銭天堂のOPは良かったから、それだけでも見に行く価値はあると私は思う。

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 この話をしたツイキャスはこちらの20分ぐらいからです。


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