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【留学日記⑬】バルセロナはスペインじゃない!?

バルセロナへ社会人語学留学中のおにぎりです🍙

現地時間の明日9月11日は「Diada Nacional de Catalunya」というバルセロナのあるカタルーニャ州の祝日!(学校お休みだーーーー💛)
ということで、今日はカタルーニャについて記載していこうと思う。

Diada Nacional de Catalunyaってどんな日?

バルセロナが好きでバルセロナに留学に来たくせに、9月11日がカタルーニャの大切な日だということを全く知らずにきてしまった私。
こちらに来てから9月11日が祝日だよ!ということを聞いたので、少し調べてみた。

Diada Nacional de Catalunyaは日本語で言うと「カタルーニャ国民の日」「カタルーニャの日」とのこと。

どういった日なのか?はwikipediaによると…

18世紀初頭のスペイン継承戦争でカタルーニャ君主国はスペイン帝国と戦って敗れた。バルセロナが包囲されてから14か月後、1714年9月11日についにカタルーニャ地方の主都バルセロナが陥落し、1716年のヌエバ・プランタ勅令によってカタルーニャは自治権を喪失した。公的な場でのカタルーニャ語の使用禁止など、カタルーニャは中央政府に様々な報復措置を受けた。
バルセロナ陥落の日を由来として、1886年9月11日に初めてカタルーニャ国民の日が記念された。一般的には戦勝日や独立日が国民の祝日となるが、カタルーニャでは過去の屈辱を忘れないために陥落日が国民の祝日となったのである。
スペイン内戦後の1939年にはフランコ独裁政権によってこの記念日は抑圧されたが、民主化移行期の1980年にカタルーニャ州政府によって復活した。

wikipedia「ディアーダ・ナシウナル・ダ・カタルーニャ」のページより


歴史上の細かいことは正直まだ理解しきれていないが、もともとカタルーニャは1つの国だったが歴史の中で他国に統合されてしまったり自治権を失ってしまったといった歴史があったということのようだ。

そんな背景からカタルーニャの人々は自分たちが「カタルーニャ人だ!」という意識がとっても強いのだ。
日本でも『スペインのカタルーニャ州が独立しようとしている』というニュースが流れていたことがあるので、なんとなくは知っている方も多いのではないだろうか。


カタルーニャと『カタラン』

またカタルーニャには『カタラン』(カタルーニャ語)という独自の言語があり、地元の人はもちろん全員カタランが話せる。
バルセロナに来る前から、バルセロナに行くという話をすると「バルセロナはみんなカタラン話すからカタラン勉強しないとだめだ」という話は聞いていた。

でも私は「とはいえスペインだしスペイン語話せたらまずは十分じゃないのかねー」と思っていた。

しかし、『カタラン』の存在の大きさは想像以上だった。
公共機関や交通機関などは基本的に1番上にカタランが書いてあり、その下にスペイン語が書いてある。
カタランだけの時もある…
地名も基本カタランだし、通りの名前もカタランだ。
優先順位1位は圧倒的に『カタラン』なのだ!!

小学校の授業などもすべての教科がカタランで行われ、別途スペイン語の授業の時間があるらしい(私たちの英語の時間のように)。
ホストマザーの孫が今6歳と5歳だが、二人ともカタランもスペイン語(castellano)も話せる。すでにバイリンガルだ…!!!!

※スペイン語でスペイン語は「español」だが、カタルーニャの人たちは「castellano」という。そこにも私はカタルーニャ人のプライドを感じる。
たまたまカスティーリャ地方(マドリードなどの地域)の言葉がスペイン全土で話されてるだけでこれはスペイン語ではなくてカスティーリャ語だよ!みたいなプライドを感じるのだ。(これは私が思ってるだけで実際どうなのかは全然知らんが)

そしてさらにホストマザーが子供の頃は、学校でカタランとフランス語を習ってからスペイン語を習ったらしい…!
(カタルーニャはフランスに近いので、カタランはフランス語にけっこう似ているのである。)
またホストマザーは外国からの移民がカタランを話せないということも嘆いていた。
「その国に来たらその国の言葉を話すべきだろう」と。


カタルーニャはスペインであるがスペインではない

こういったホストマザーの言葉からも見て取れるように、地元の方々には「私たちはカタルーニャ人だ」という強い意識がある。
ホストマザーは生粋のカタランなので、いつもいろいろと話しを聞くのだが、カタルーニャの独立には大賛成だし、スペインとフランスならフランスの方が好きだという笑

独立の件も「カタルーニャの人はみんな独立を求めているの?」と聞いてみたら「もちろん!!!!」と言っていた。(本当に”みんな”かは知らんが笑)
曰く、「バルセロナはマドリードにたくさんお金を払っている。いつもこちらが与えるだけで返ってきていない」というのが独立したい理由とのことだ。
きっと本当はもっといろいろ言いたいことがあるだろうし、その場でも言っていたのかもしれないが、私が聞き取れていない&たいして話せないのを知っているから簡単に言ってくれたのだとは思う。

また「スペイン人である」という自覚があまりないからか、カタルーニャの人々はスポーツのスペイン代表についてもあまり興味がないようだ。
先日パリオリンピックがあったためその期間スペイン代表がたくさんお隣のフランスで戦っているにもかかわらず、ほとんどみんな興味を持っていなかった🥲
サッカーで日本対スペインの試合があった時にバルで観戦してみたのだが、スペインを応援しに来ている人は全くいなかった。笑
まぁオリンピックは代表戦といえども若い選手しか出てないからってのもあるかもしれないが。

そしてこれはみなさんなんとなくご存じだと思うが、バルセロナの人々はマドリードが大嫌いだ!!笑
私は大阪人なので東京より大阪が圧倒的に好きだから、その気持ちはなんとなくわかるが、それを上回るぐらいみなさんマドリードが嫌いな気がする。笑
もちろん個人差があると思うが。
なので私は「スペインが好きでスペインに来た」と最初は言っていたが最近は「バルセロナが好き!!!!!」と言うように変更した。
もちろんあえてバルセロナを選んだのでバルセロナが好きなことは嘘ではないんだけど、スペインの他の街も好きだし「スペイン好き」と言っていたが、やっぱり「バルセロナが好き!!」というと地元の人も喜んでくれるのだ。


私にとってのカタルーニャ

気付けば長々と書いてしまった。
最後に私にとって自分が留学先に選んだこの街がスペインだけどスペインでなかったことがどう影響しているのかや、どう感じているのかを書いて終わりたい。

まずはスペイン語学習についてという観点で。
正直なところ「スペイン語(castellano)」を学ぼうと思うとバルセロナという土地はスペインの中でもあまりお勧めできない土地かもしれない。
前述したとおり、現地の人はカタランも話すことができるから、街にいる現地の人たちもカタランで会話していることも多いし、ホストマザーも家族とはカタランで話していることが多い。
もちろん私とはホストマザーもホストマザーの家族も(6歳の孫含む)スペイン語を選んで話してくれるし、地元の人はスペイン語もネイティブなので発音が変とかは全くないのだが。
それでも言語に触れる量という点では他の街に比べると少ない。

更にいうと、これは今回のトピックスとは関係はないが、バルセロナは世界的な観光地のため非常に多くの観光客が常に街にあふれているため、街中ではスペイン語と同じくらい英語やフランス語などもたくさん聞こえてくる。
お店に入っても店員さんは全員英語話せるし、少しでもスペイン語わからない顔したら英語に変更されてしまう…
そういった点でも「スペイン語を浴びて日々生活する」ということは少し難しい環境だ。

そして私が考えている「バルセロナで生きていく」ということを長い目でみると、『カタラン』を習得することは必須だろう。
もちろん仕事や付き合う人を選んで生きていけばスペイン語だけで生きていけると思うが、本当に現地に溶け込んで生きていくためにはやっぱり『カタラン』話せないとダメだと思うのだ。
そうなるとただでさえスペイン語の習得に死にそうになっているのに、さらにカタランまで習得するとなると、気付いたら私は100歳くらいになっているのではないか。(まぁそのノリで100歳までバルセロナで生きていけたら勝ちか)

話がそれたが…何が言いたいかというと、この街で生きていくということもスペインの他の土地に比べるとバルセロナはハードルが高い土地なのかもしれない。


だがしかし。だがしかしだ。
ここまでネガティブなことを記載したが、それでも私はやっぱりバルセロナが好きだ!!!!!
夏はあっついけど雨がほとんど降らない気候、街の景色、アートがそこら中に当たり前のように存在していて海が近く山もあって美味しいごはんがあって大好きなサグラダ・ファミリアを日々眺められるところ。そしてカタルーニャに誇りをもつ人たち!!!
たくさん好きなものがある!

これから生活していくできっとたくさんハードルはあると思うけど、私もカタルーニャの人たちのように「私はカタルーニャ人だ!!」と思えるくらいにこの街に溶け込めたらいいなぁと思うのであった。


ということで本日は少し真面目なカタルーニャについてお届けしました。
それではまた!
¡Hasta Luego!

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