サムライの子孫が暮らす町? コリア・デル・リオ。
アンダルシア州の州都セビージャから南に15km。グアダルキビル川沿いにコリア・デル・リオという町があります。
人口はおよそ28000人。白壁の美しいのどかな町ですが、この町は日本では少し有名になっています。
というのも、ここには日本を意味する〝ハポン〟という苗字のスペイン人がおよそ800人暮らしているのです。
なぜ日本から遠く離れたスペインの町に、日本姓をもつ人がこんなにもいるのでしょうか?
ー 日本語のある公園
コリア・デル・リオの中心部にある「カルロス・デ・メサ公園」。
ベンチや噴水、カフェなどがあるのんびりとした公園ですが、看板にはなぜか日本語が。
少し行くと、通りの名前が〝LA EMBAJADA KEICHO〟となっています。
ケイチョー...?
そしてさらに入り口の柱には、日本の武士の姿が描かれ、〝DATE MASAMUNE〟と書かれているではありませんか!
極めつけは、公園の一角に建てられているサムライの像! 名前のところに「支倉常長」とあります!
これはもう間違いないですね。。。
ー 慶長遣欧使節
遡ること400年以上前の江戸時代。伊達政宗の家臣・支倉常長が率いた慶長遣欧使節がこの町に滞在していたそうなのです。
およそ180人からなる遣欧使節団が派遣された目的は定かではありませんが、一行は日本からメキシコを超えてヨーロッパに到着。
小型の帆船に乗り換えてグアダルキビル川を上り、コリア・デル・リオに上陸しました。
使節団は数日間ここに滞在し、マドリードで国王フェリペ3世に謁見したあと、ローマで教皇パウロ5世に謁見することができました。
日本を出発してからすでに2年以上が経っていました。
ー コリア・デル・リオのハポン姓
ローマ教皇に謁見するという大役を果たした一行は、再びコリア・デル・リオに戻りました。その時、使節団の一部がここに残り、彼らの子孫がハポンさんだと言われているのです。
その説が本当かどうかは分かりませんが、1992年に宮城県が支倉常長像を寄贈し、今でも日本との交流が続いているそうです。
市役所の建物には友好の証として日の丸が掲げられていました。
2013年には皇太子殿下(今の天皇陛下)がコリア・デル・リオを訪問し、桜の植樹を行いました。
その桜は残念ながら気候が合わず枯れてしまったそうですが、遠く離れたスペインで日本との繋がりを見つけることができ、とても嬉しかったです!