古都トレドで1人寂しく写真撮ってきた。
「もしスペインに一日しかいられないのなら、迷わずトレドに行け」とも言われ、街全体が世界遺産に登録されているトレド。
三方向を川に囲まれたこの街は、かつては首都としてキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共に暮らし、3つの文化が入り混じった独特の街並みが生まれました。
マドリードから電車やバスで簡単にアクセス可能なので、日帰り観光も楽しめます。
今回の記事では、そんなトレドの旅のレポートをお届けしようと思います!
ー 古都トレド
マドリードの南約50kmのところに位置するトレドは、三方向をタホ川に囲まれているという守りに適した土地であり、古代ローマの時代に城塞都市として築かれました。
その後イベリア半島を支配した西ゴート王国の首都となりますが、西ゴート王国はアフリカから侵攻してきたイスラム勢力によって滅ぼされます。
キリスト教徒による国土回復運動(レコンキスタ)の発展とともに、トレドは再び首都となり、イスラム支配下に開花した文化を継承しつつ、独自の文化を形成していきました。
こうしてトレドは、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教という異なる文化が入り混じり、スペインの歴史を象徴するような風景が誕生したのです。
しかしスペイン最盛期の王フェリペ2世は、「太陽の沈まぬ国」とも言われた大帝国を維持していくため、より国土の中心に近く水資源が豊富にあったマドリードへの遷都を決定。トレドの時代は幕を閉じました。
ー トレドへのアクセス
トレドへは、マドリードから電車かバスで行くことができます。電車とバスにはそれぞれメリットとデメリットがあると感じたので、以下にまとめておきますね。
《電車の場合》
メリット
・マドリードのターミナル駅、アトーチャ駅を出発するため、アクセスが便利
・わずか30分くらいで着くため、時間の節約になる
・トレド駅はムデハル様式がとても美しい駅舎なので、一見の価値あり
デメリット
・バスに比べて料金が高い
・トレド駅が街の中心部から少し離れている
《バスの場合》
メリット
・電車に比べて料金が安い
・トレドのバスターミナルは駅よりも街の中心部に近い
デメリット
・マドリードの南バスターミナルはマドリード中心部から少し離れた場所にある
・直行バスの場合でも片道1時間程度かかる
今回はトレド駅を見てみたかったので、行きは電車を利用し、帰りはバスを利用することにしました。
ー トレド駅と展望台
と、いうわけで。
マドリードのアトーチャ駅から高速列車AVANTを利用し約30分、ムデハル様式が美しいトレド駅にやってきました。
駅前には電車でやってきた観光客のため、たくさんの観光バスやタクシーが止まっていました。街の中心部へは徒歩でも行くことができますが、街を一望する展望台へは少し遠いため、バスやタクシーを利用する人が多いそうです。
今回はゆっくり撮影したかったので、歩いて展望台まで行くことにしました。
川沿いの道を登っていくこと30分。息を切らしながら展望台に到着。バスやタクシーがひっきりなしにやってきて、皆さん楽しく記念撮影をされていました。やがて時間が来ると乗って帰って行きます。
誰もいなくなった隙を狙って、写真を撮りまくりました。
ー ソコドベール広場とカテドラル
町の中心部へは、タホ川にかかる橋を渡り、長いエスカレーターを登って行きます。観光の拠点となるソコドベール広場は、たくさんの観光客で賑わっていました。
トレドに来たら必ず見ておきたいのが、町の中心にそびえるカテドラル。大司教座の置かれたトレドにふさわしい大聖堂を建設しようと、250年以上かけて建設されました。
内部は残念ながら撮影禁止だったのですが、息を飲むほどの巨大さ、装飾の豪華さに圧倒され、トレド繁栄の歴史を感じることができました。
ー サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会
続いて訪れたのは、サン・フアン・デ・ロス・レイエス教会。レコンキスタを完了させたカトリック両王(イサベル女王、フェルナンド2世)が建立したもので、ゴシック様式とムデハル様式が絶妙に融合した回廊がとても美しかったです。
ー サンタ・クルス美術館
トレドはギリシア生まれの画家エル・グレコが生涯を送った街でもあり、彼の作品がいたるところに展示されています。
元々病院だった建物を使用したサンタ・クルス美術館には、彼の代表作である『聖母被昇天』など22点が所蔵されています。
他にも彫刻やタペストリーなど、興味深く見ることができました。
ー 異なる文化の融合
トレドの町はコンパクトで、見所が至る所にあるため、歩いて十分楽しむことができました。街並みも美しく、一日中好奇心をくすぐられっぱなしでしたね。
この小さな町に世界中から多くの観光客が訪れる理由、それはスペインが辿ってきた歴史を肌で感じることができるからではないでしょうか。