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学習者主体の学びの新たな形「TTPS勉強会」

学習者主体の学びは、ジグソー法やケースメソッドなどが有名ですが、今回は、スクールタクトを活用したTTPS勉強会の方法をご紹介します。

一般に研修や勉強会というと講師から教えてもらうという方法がありますが、このスタイルでは、「講師がどのように教えるか」は設計されていますが、「学習者がどのように理解するか」が設計されていません。

TTPS勉強会は、元リクルートテクノロジーズ社長の中尾さん、ありえる楽考の鈴木さんを主催として毎月行われているもので、あくまで講師は事例の提供で、学習者が主体的な考え、行動することを支援する学習者主体の勉強会です。

具体的な内容はこちらを参照ください

勉強会の流れ

1. 事前課題
・事前に配られた※事例を元にスクールタクトを使い、自己紹介と「あなたならば何をするか」を書く

※事例
あなたならどうする?
・126名の新人が地方拠点に分かれて営業として配属
・これを4人のマネジャーで対応
・例年だと1年間で2割弱の退職者が出てしまいます。

あなたは本社の管理職です。
あなたともう1名の2人が現場の管理職4人を支援することで、退職を防ぎたいと考えています。
あなたならどうしますか?

※ゴトウの解説
いわゆる反転学習になっています!ただ講演を聴くだけでなく、事例を自分ならばどう解決するかを考えることで、自分ごととなり学びが深くなります。


2. チェックイン〜チームづくり 15分
・スクールタクトで他者の書き込みを見て一緒に組みたい人を探す
・チームを作って、お互いに自己紹介をする

※ゴトウの解説
他者の回答をスクールタクトでみることで、自分とは違った視点の回答を見つけたり、ほぼ同じことを書いているが説得力のある構成をしているなどの気付きがあります。これは、心理学者ヴィゴツキーの最近接発達領域(ZPD)理論を活用した方法と言えると思います。


3. 対話1:講師への質問を考える 15分
・チームで話し合い、講師に質問したいことを決める

※ゴトウの解説
質問を考えることで、より事例が自分ごとになりますね。


4. 対話2:チームを変えて、自分で質問に答える 15分
・チームを変えて、それぞれが考えた質問の共有とそれに対する自分なりのアイデアを出しあう

※ゴトウの解説
一旦チームで考えた上で、さらにチームを変えて意見交流させる方法は、東京大学のCoREFが開発した知識構成型ジグソー法の変形版と捉えることができると思います。


5. 対話3:元のチームに戻って、出たアイデアを共有しあう 5分
・さらに理解が深まった状態で、もう一度話し合い講師への質問をブラッシュアップ
・スクールタクトの投票機能を使って、上位2つの質問に絞る

※ゴトウの解説
またチームに戻る部分も知識構成型ジグソー法的であります。


6. 情報提供:講師から「自分はこうしました」という事例の紹介 30分
・講師は、上位2つの質問について答えてもらいながら事例を話す
・講師の話を聞きながら、気になったことをスクールタクトに記載、共有する

※ゴトウの解説
これまで反転学習→最近接発達領域(ZPD)理論→知識構成型ジグソー法と学習者主体の学びをしているので、講師の話が正解となり鵜呑みにするのではなく、講師の話は「自分はこうしました」という情報発信となるのが素敵。


7. 個人研究:明日から取り組む第一歩 15分
・スクールタクトに勉強会を踏まえて、自分がどんな行動を取るかを記載する

※ゴトウの解説
この勉強会を通して得たものを、自分の課題意識と照らし合わせて適応させてみる。まさに学習者主体の学びです。確かに行動をするのは大変なことですが、この部分まで設計されているというのがTTPS勉強会のスンゴイことだと思います。


8. チームごとに1週間後の振り返りの日程を決める 10分
・ZOOMを使って1週間後に振り返りミーティングを実施し、その結果をスクールタクトに記載する

※ゴトウの解説
さらにその行動をチームで共有、振り返ろうというところまで設定している!驚愕です。


後藤の感想

勉強会の前に反転学習をしてもらい、勉強会中は協働学習、勉強会の後は行動とリフレクションという優れた設計がなされています。
まさに「学習者主体の学び」が実践されている勉強会だと感じました。

TTPS勉強会は毎月やっているので、ぜひご参加ください!次回は3月26日です。

最近、集団での学びのスタイルを整理しようと思っているので、それはまた次回に!

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