革新的な教育モデル「42Tokyo」の魅力
どうもご無沙汰しています。EdTech系指揮者の後藤です。
先日、デジ庁でご一緒している中室先生に同行させてもらい、フランス発のプログラミングスクール42Tokyoを見学してきました。42Tokyoは学費無料で24時間オープンしており、学生同士の学び合いを重視しています。
42Tokyo 公式サイト
42Tokyoの「42」の由来は、SF小説『銀河ヒッチハイキングガイド』に登場する「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」です。この作品はエンジニアにとって有名で、Googleもイースターエッグに使っているほどです。そのため、エンジニアらしい遊び心があって、元エンジニアの後藤としても良いなと思いました。
入学システム
入学システムは4週間かけて行われ、実際の課題を通じて学生同士の学び合いを重視しています。プログラミング能力よりも協調性や論理性といった資質が評価され、合否が決まります。学費が無料にもかかわらず、入学試験にこれだけの工数をかけるのは驚くべきことです。
教育システム
42Tokyoは24時間オープンしているため、一斉型の授業スタイルではありません。基本は自学自習で、学生同士がチームを組んで学び合うピアラーニングを取り入れています。これは学習科学的にも、文部科学省が進める「個別最適と協働的な学びの一体」にも合致した先進的な取り組みです。
ScTNフレームで眺める
最近、私は教育哲学者の苫野先生が作られたScTNというフレームワークで教育を考えています。ScTNは主体的・対話的で深い学びを目指すフレームワークです。
ScTN 公式サイト
ScTNフレームワークでは、本物の学び、探究の学び、個別の学び、協同の学び、民主的な学校生活という経験が重要とされています。
以下にまとめたように、42Tokyoでの学びがこれら全てを網羅していると感じました:
本物の学び:カリキュラムの後半は企業と連携した問題解決型の学びを提供
探究の学び:基礎カリキュラム終了後、自分の興味に応じた専門分野を選択可能
個別の学び:基礎カリキュラムから自己選択で学ぶ内容と順序を決定
協同の学び:ピアラーニング手法を採用
民主的な学校生活:見学した学生が将来の夢を話し合い、価値観を共有
42Tokyoだからこそ
一般的なプログラミングスクールでは短期間で詰め込むことが多く、探究心が育ちにくいと感じています。プログラミング中のエラー原因を考えず、答えだけを見ると同じミスを繰り返しがちです。
本質的な教育を実施している42Tokyoを見学でき、元エンジニアとして非常に楽しい時間を過ごしました。
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