1級電気工事施工管理技士二次試験対策(4)
今回は、試験対策としての記事の最終回です。
音声教材の作成で、これは試験対策だけではなく、いろいろと使えて便利です。ただ、AIの発達とともに、どんどん便利なものが発表され、身近になってきましたので、勉強にふさわしいものがお勧めです。
このテーマの記事(1)~(4)は、アマゾンで販売している電子書籍(一次・二次受験対策)の転載(一部加筆)ですので、意味不明のところがあるかも知れませんが、ご勘弁ください。
4.音声教材の作成
(1)音声教材の作成
この記事は、出来るだけ「長時間がんばる」というようなことを少なくすると同時に、不合格になると、お金も、時間も無駄になるため、一発で合格するということを目標にしています。
そのため、分厚いテキストとにらめっこして、ノートを取りながら勉強、勉強・・というのではなく、少しの時間があったら、問題の回答をする(一次試験なら選択、二次試験なら筆記)という方法での学習を紹介してきました。「仕分け」という言葉も使っています。
さらに加えて行うのが、これから紹介する、要点または自分が苦手な問題・事項を、音声にして、移動時間に繰り返し聞く(勉強ではなく、ただ聞き流すだけ)という学習です。
文字データ(テキストデータ)と言えば、ほとんどの方がお分かりだと思いますが、太文字とか、文字色などのない、純粋に文字だけのデータのことです。
自分が苦手な範囲、二次試験の場合は、覚えたい文章、その100%が模範解答通りでなくても、分かりやすく書かれていれば合格範囲に入っていると言えるので、短い文章に加工します。この短い回答を、自分が気に入った読み上げソフトを使い、スマホで聞いたり、車で移動中に聞いたりして、キーワードを思い浮かべるなどの学習をします。
オリジナル音声教材の作成は、いろいろな方法がありますが、誰でも簡単に出来そうな方法をご紹介します。
手順は、
①暗記したい文章を文字データにする、
②文字データを音声にする、
という順番になります。
ここでは、アンドロイドスマホ(またはタブレット)を使用した方法を記載します。
(注):Windowsパソコン(タブレット)、iフォン(iパッド)をご利用の方は、ご自身の使用環境で、音声入力⇒文字データ化と、文字データの読み上げ(及び音声データでの保存)について検索してみてください。
(2)「手順1」暗記したい文章を文字データ化する
・グーグルドライブによる音声の文字データ化を利用する。
*パソコン等でタイピングにより、文字データを作成される方には、この項は必要ありません。「手順2」へお進みください。
例文 -------------------------------
*例文は音声にしたとき聞き取りやすいよう句点をたくさんつけています。
(主任技術者及び監理技術者の職務等)
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の「施工計画の作成」、「工程管理」、「品質管理」、「その他の技術上の管理」、及び「当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督」の職務を誠実に行わなければならない。
2、工事現場における建設工事の施工に従事する者は、「主任技術者」、又は「監理技術者」がその職務として行う指導に従わなければならない。
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この文章が模範解答として記載されており、これを音声データとして学習しようとする場合、次のような手順で行います。
① グーグルメールアドレスを作成する(お持ちでない方)
② グーグルドライブを立ち上げる
③ 「新規」をクリック
④ 「グーグルドキュメント」をクリック
⑤ これで、白紙のワープロソフトの画面が表示されます。
⑥ 「無題ドキュメント」をクリックし、文章名(任意)を入力
⑦ メニューバーから「ツール」⇒「音声入力」
⑧ 画面上のマイクの画像「クリックして話します」をクリック
⑨ 入力したい文章を話すと自動的に文章が作成されます。
⑩ 必要箇所を適宜修正します。
⑪ データは自動保存されます。
(3) 「手順2」文字データ化した文章を音声にする
無料で使える読み上げソフトには、作成した文章を音で確認するのに適したもの、セリフを読むのに適しており、動画配信等で利用しやすいものなどがありますので、少し例をご紹介します。内容はあくまで著者の判断によります。
・Word ・・・あまり良いとは思いません。使える範囲が限られます。
・一太郎 ・・いろいろありますが、読み上げ機能付きのバージョンは価格が高くなります。
・声フォント・・これは声優さんの声をもとにしていて無料でも使えます。
・Balabolka・・・いろいろな声があります。
・T2S ・・・Andoroidのフリーソフトで、スマホ・タブレット等で使えます。
その他にもいろいろあります。パソコンやグーグルプレイなどで使いやすく、音声も聞き取りやすいものを選びましょう。
この中では、「T2S」をお奨めします。音声変換に癖があり、ときどき「日本人なら、そんな読み間違いを絶対しない」というようなビックリする変換もありますし、漢字を変な読みをする場合もあり、イントネーションなども自由には変更できないようですが、試験勉強は、自分だけが使うものですので、セリフを伝えるのではなく、テキスト読みの用途には、特に支障はなく、音声変換がおかしいところは、カタカナ書きにして、音での学習には適していると思います。以下「T2S」を使った音声データの作成を記載します。
二次試験用であれば、技術的内容を除けば、全部で30分もかからない音声教材ができるでしょう。
■読み上げソフト「T2S」を使用した音声教材の作成
<セットアップ>
・グーグルプレイ、アプリ検索
・「T2S」をセットアップ
①「T2S」起動
② Newfile(左上のメニューから)
③「グーグルドキュメント」で作成した文字データをコピー
④「T2S」に貼り付け
⑤ プレイアイコンをクリックして音声を聞く
⑥ 音声ファイルとして保存したい場合は、
(右上のメニューから)「Export as audio file」をクリック
⑦ 適当な名称を付ける⇒音声ファイルmp3形式で保存されます。
なお、同じようにグーグルプレイからT2Sをダウンロードしてセットアップしても、機種が異なると、変換した音声の読みが異なる場合があるようです(Androidのヴァージョンが原因なのかどうか等は明確ではありません。)。従って、音声ファイルの作成は、元のテキストデータの修正をした場合は、作成時と同じ機器で音声変換する方がよいと思います。
以上を繰り返して、覚えたい文章を音声化し、それを、何度も聞きます。
一度このやり方を知ると、あまりの便利さに他の用途にも使いたくなるのではないでしょうか。
二次試験の対策では、最初は覚えることがたくさんありそうですが、自分に必要なものに絞って音声にすると、いつでも、何度でも音声での学習がしやすくなります。
同じ文章でも何度も何度も聞いていると、いろいろな発見があったり、文章のいい回しを自分らしく修正したりすることで、覚えやすさが高まります。
これにより、文章を読む学習と、文章を聞く学習、文章を見ながら聞く学習が、スマホやタブレットだけで出来ます。
*自作の音声は、最初は手間がかかるように感じますが、自由に修正できるので、非常に便利です。
(スマホ・タブレット等で修正しながらも使えます。)
(4)自分の経験を音声化しよう。
自分の経験を、自分で書いて、それを音声として聞いてみましょう。
音声にして、あらためて聞いてみると、流れが悪いところや、相手に伝わりにくそうなところが発見できませんか。
それぞれの、音声データの最初に、設問を記載し、それも音声にすると、設問を聞き、一旦止めて、キーワードまたは全文を記載、再生し、回答を聞くという学習もできます。
技術要件は、回答しやすく感じるもの、自分が詳しい分野でも回答がしにくい設問もあるかも知れません。音声を何度も聞き、練習を重ねたうえで、本番では、回答しやすいと感じている技術用語について回答すると、試験時間の短縮になります。
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■コラム(読めるけど書けない、漢字の練習)
私たちは、小学生の頃から、漢字書き取りの練習を何度したことでしょう。手で書いて、間違ったら消して書き直す。こうした事は誰でも手間ですから、特に仕事上では、パソコンで文章を作る方が簡単なため、現代では一般化しています。
しかし、二次試験は、文章で回答をする試験ですから、書けなければ、ひらがな、でも良いとは思いますが、印象は違います。特に、この試験に関連した重要な用語は、正しく書けるようにしておきましょう。
あいまいな漢字を正しく覚えるためのおすすめは、「大きく書く」ということです。裏紙等を利用して、大きく、細部まできちんと書きます、数回書けば印象に残るでしょう。どうしても苦手な文字は、直前用のノートにきちんと書いておき、試験直前にも確認しましょう。
子供の頃の書き取りのように、何回も多数書くというのは、作業であって、勉強ではありません、書くという基礎能力を高める子供たちならそれも良い訓練だと思えるのですが、大人が覚えることに重点を置くためには、きちんと大きく、数回だけ書くことをお勧めします。
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おまけ
本番では、先を急ぐあまり、ば~と書いて、書き直す。あるいは、出来たものを読んでみたらよくないから、全部書き直す。
というような状況を生じさせることは避けるべきです。
出題傾向はわかっているわけですから、キーワードを外さずに書けば、丁寧に書いても、時間は十分あるはずです。そのための「合宿」ですから。
詳しくは、下記のリンクから(3)を見てください。
ちなみに私が試験を受けていた時、隣の席にいた若い方は、かなりのスピードで、文章を書いておられましたが、試験時間が半分程度きてから、消しゴムで、かなりの部分を消して、書き直していました。
力を入れて、消しゴムで消すので、その揺れが、長い机の私の席まで伝わってきました。
合格発表には彼の番号はありませんでした。