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水汲みと試験勉強

もう20年以上も前、アフリカのケニヤに2回(述べ4週間程度)出かけたことがあります。
富士山に似た美しい山がキリマンジャロそう思っていたのですが。
キリマンジャロを初めて見た時、驚いたのはキャンバスが違うということです。富士山のすそ野に象や他の動物がいるという想像していたイメージより、はるかに広大な広がりの大地の中、ずっと上の方にキリマンジャロの山頂が見えるということです。この旅以来、時に見る景色に、そして考えるイメージにアフリカの大地が出てきます。


あなたが描く未来

この記事は国家資格である電気主任技術者の取得を考えている方向けのものです。他には当てはまらない可能性がありますので、読み続けられる場合はご注意ください。

主人公の田中一郎は、30代半ばのサラリーマン。彼には愛する妻と二人の子供がいて幸せを感じているが、将来の経済的な安定を求めて国家資格である電気主任技術者を取得しようと決意する。しかし、仕事と家庭生活の間でのバランスに苦労し、次第に心身ともに疲弊していく。

一郎は毎朝早く起きて資格試験の勉強を始めるが、仕事のプレッシャーと家庭の責任が重くのしかかる。夜遅くまで残業し、帰宅後も子供たちの世話と家事を手伝う彼にとって、勉強の時間を確保するのは容易ではない。

ある日、一郎は資格試験の勉強会に参加し、そこで専門家の佐藤氏と出会う。佐藤氏は一郎と同じような状況を経験してきたため、彼の苦労を理解しつつ、効率的な勉強法と時間管理の方法を教えてくれる。

一郎の努力と情熱は次第に家族にも伝わり、妻と子供たちは一郎を全力でサポートするようになる。家族全員が協力し合うことで、一郎は勉強に集中できる環境が整っていく。妻は家事の負担を分担し、子供たちもおとなしく勉強時間を尊重するようになる。

いよいよ試験の日が近づく。一郎は不安と緊張を抱えながらも、家族の支えを胸に、全力で挑む決意を固める。試験当日、一郎は落ち着いて問題に取り組み、自信を持って解答していく。

結果発表の日、一郎は見事に合格を果たす。彼の努力は報われ、家族全員が喜びに包まれる。資格を取得した一郎は、より良い職場環境と経済的な安定を手に入れ、家族との時間も増やすことができるようになる。

というようなストーリーが描けます。

電気主任技術者という資格の状況

国は電気主任技術者を増やそうとしています

 過去からの電験3種の試験制度の変遷を振り返りますと、記述式が択一式に代わり、試験科目が減少し、科目合格が可能となり、さらに年間の試験回数が増えるなど、国としては、なんとか電気主任技術者を増やそうとしている状況を感じます。
実際に、受験者数の増加に合わせて合格者数は、今後増えると予想されます。

電験3種の受験チャンスが増え、合格者が増えると言っても、最近X(Twitter)で、電験合格の方の記事を見ると、試験勉強に1,500時間かかったなどという記載が珍しくありませんので、試験で取得するというのは大変です。ちなみに、この時間を時給1,000円で換算すると、150万円稼ぐ代わりに勉強に費やしたということになります。
 
この制度改革が目指すところは、下図のような不足を補うためです。

試験勉強に費やす時間

ここで、この1,500時間という試験勉強時間についてもう少し考えてみます。
前述のように、この時間をもし時給1,000円のバイトをしていれば、150万円稼げたことになります。
受験には、さらにテキスト代、受験料、交通費等がかかります。

この1,500時間を、一日6時間、家族と一緒に過ごすことに使ったとしたら?
1500÷6=250 つまり250日にもなります。

それでも、合格出来れば良いのですが、体調、仕事や家庭の事情により、数回の受験が必要になるかも知れません。
また、仕事や家庭の状況は、サクセスストリーの通りに進むとは限らず、自分自身がイライラしてしまえば、仕事も家庭も悪い状況が発生するかもしれません。

それなのに、ネット上の情報では、こんな意見も見られます。
『この程度の資格で優遇されると思うな。3種をとってもすぐに給料が増えるわけじゃない。』『試験勉強をする時間や、費用が無駄だ。』
というものです。
確かに、国が電験3種の合格者を増やそうとすることで、『3種の価値が下がった。』『電験4種を作るべきだ。』という意見もあります。

ネット上には掲載されることが無い意見だと思いますが、私は、「試験勉強は、自分の実務に関係ないことも学ばなければならない。」という点が、実務を行っている社会人としては、デメリットだと思うのです。

知ることは無意味ではない。そうお考えの方も少なくないでしょうが、私もその点は賛成です、ここでデメリットだと言っているのは、1500時間も時間を費やすことで、自分の実務又は将来必要な実務に対する学習時間が減ってしまうという点です。

つまり、試験勉強をすることで、稼げたはずの収入、家族と過ごせたはずの時間、それに加えて、自分の業界の新分野や実務の学習時間が減ることになることを認識すべきなのです。

子どもたちの水汲み

さて、アフリカの子供たちは現在でも飲み水を求めて、長い距離を徒歩で一日に3往復も行わなければならない村もあります。
それは子供たちが出来る仕事で、家族のために必要なことだからです。もちろん、明るい日中に行います。

この水汲みが大変だということも問題ですが、それにより、子供たちの貴重な時間、つまり現在のため、将来のため学ぶ時間が削られていくのが大きな問題なのです。国や地域の発展のためには、子供たちが、身体の成長とともに、多くのことを学ぶ必要があるからです。

そこで、村に井戸を作るという支援活動が行われています。清潔な水が近くで確保できれば、身体の成長と学習という両方が可能となります。
ここでは、子供たちに代わって水を運んでくれる車ではなく、その目的である水そのものを確保することで、国の将来へとつながります。

試験勉強では

試験勉強は、もちろん学習するという能力を高めることも効果の一つですが、目的は合格することです。
そのためには、効果的な学習方法を行うというのが一般的な解決策です。つまりこれは、水汲みで言えば、体力を使わず、同じ行為が短時間で出来る水汲み用の車を使用するという方法です。

では、井戸を作ることに当たるものはないのでしょうか。実は電気主任技術者の資格取得の場合にも、無いことはありません。

「無いことはない」という中途半端な書き方をしたのは、井戸を作ることはどこでもできるが、水が出るかどうかは分からないというようなものです。
つまり、井戸に適した条件があるのです。
電気主任技術者の資格の場合、それが実務認定による取得で、実務認定されるためには、一定の条件があるのです。
つまり、
この一定の条件に当てはまる人は、地下に水源がある村のように、非常にラッキーなのです。

当てはまればラッキー

あなたは、すでに優位な立場に立っていると言えます。

第3種 電気主任技術者資格を実務経験で取得しようとすると

  1.  認定(工業)高校 電気科 卒業

  2.  500V以上の電気の仕事に携わっていた経験が3年以上

  3.  実務経験を積んだ会社の印を取得できる

◎大切なポイント ←本当に重要です!

■次の状況になると、あなたの優位な立場が危うくなります。

  1. あなたが実務経歴を積んだ会社が倒産・廃業し、無くなった。

  2. その実務経験を積んだ会社を退職した後、その会社が実務経験を認めてくれない。

つまり、実務経歴があってもそれを証明する会社の証明を受けられないと、資格取得をすることが出来なくなります。言い換えれば、あなたの実務経験が無くなったのと同じことになります。  

 そのためにも、一日でも早く資格を取得しておくことが大切なのです。

*現実問題として、近年ご相談が増えているケースでは、太陽光発電設備の保守、ビルメンテナンス会社、電気工事会社などを退職された方から、以前勤務していた会社が「退職者のサポートはしない」という立場を崩さず、資格が取得できなくで困っているというお話があります。

実は将来につながる物語のスタート!?

電験という資格は将来につながる更新手数料も書換費用も掛からない貴重な資格です。
目先の手当てが増えるかどうかではなく、資格を持っているという強みは、年数とともに強くなります。昇進や転職時に、同程度の能力・業績・年齢の人がいたら、有資格者と資格のない人、どっちが選ばれるでしょうか。

電力業界に40年以上関わっている者として、この項の冒頭の『電験3種なんて取ってもメリットねえ!』について意見を述べるなら、これについて、どれほどの人生のスパンの事柄として考えるかの違いだと思いますが。

更新も無く、免状の保有に費用が掛からないこの資格は、「取れるときにすぐ取っておくべき!」と言いたいのです。

ずいぶん長くなりましたので、今回はこのあたりで終わります。
実質的な最高資格である、電験2種(第2種電気主任技術者)については、後日記載することとします。

実務経歴(実務認定)による電験(電気主任技術者)資格の取得のご興味があれば以下のサイトをご覧ください。↓


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