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大塚製薬が自動培養器でオルガノイド大量生産。今後注目されることになるミニ臓器、オルガノイドとは!?


大塚製薬が自動培養器でオルガノイド大量生産。今後注目されることになるミニ臓器、オルガノイドとは!?

①オルガノイド

人工的に臓器の環境を再現する「オルガノイド(ミニ臓器)」を創薬に活用する動きが広がっているそうだ。大塚製薬は世界初とする全自動の培養装置を開発し、大量作製して創薬の開発速度を向上させるのだとか。中外製薬は一部の動物実験をオルガノイドでの試験に置き換え、次世代品の「中分子医薬品」開発を目指す。がん組織を再現し患者によって進行速度が異なる病気の仕組みの解明や治療にも役立てていく方針だそう。今後自動化することで、オルガノイドの品質安定と大量作製が可能になります。

大塚ホールディングス傘下の大塚製薬取締役の周藤俊樹氏はこの方針に力を入れていて、同社はiPS細胞から全自動でオルガノイドを育てる培養器を開発した。

オルガノイドは幹細胞やiPS細胞から作られ、ヒトの臓器と似た構造や機能を再現試験薬が人の臓器の中でどのように作用するのかの予測が難しかった。オルガノイドを活用すれば、治験でヒトに投与する前に薬の作用などを効率的に検証できる。培養器は周藤氏がセンター長を務める大阪創薬研究センターで活用する。従来のように研究員がつきっきりでiPS細胞の培養をする必要が亡くなった。創薬開発では無数の物質から薬効が認められるものを選ぶ。一つ一つの物質の有効性の検証には、大量のオルガノイドが必要になるらしい。だが、培養器の開発で熟練の技術者並みの品質での大量作製が可能になった。

これまでに腎臓や膀胱などの一部を再現した6種類以上のオルガノイドを作製したのだそうだ。それぞれの臓器特有の病気に適した創薬開発に役立ち、一部は特許として出願しているのだとか。同社の強みである精神疾患領域や気象疾患領域など低分子創薬の開発の他、周藤氏は「将来的には再生医療にも活用したい」と話す。

臓器が機能不全に陥った場合、現在は臓器移植が一般的な治療だが腐敗や損傷している部分を切除し、代わりにオルガノイドを移植して機能を回復させることを目指すのだそうだ。


②中外製薬は腸に特化

オルガノイドは薬の評価や再生医療への活用により、世界の市場は拡大すると予測されている。グローバルインフォメーションなどは、2031年には23年比約5倍の約1500億ドル(約2兆2000億円)の規模に成長すると予測している。

腸や肝臓の再現に特化して取り組むのは中外製薬。経口薬は腸から体内に吸収され、肝臓で分解される。トランスレーショナルリサーチ本部のヒト予測基盤研究グループマネージャーの中野清孝氏は「医薬品成分の吸収の様子を調べ、予測の精度を高めることが創薬に役立つ」と話す。

26年をめどに活用可能性を見極める方針だそうだ。現在動物で実施している薬の効果や安全性などを評価する試験について、オルガノイドに置き換えられる試験の種類を特定し、従来の医薬品に加え、低分子医薬品とバイオ医薬品の両方の性質を併せ持つ「中分子医薬品」と呼ばれる次世代医薬品の開発にも活用する。

親会社であるスイス・ロシュとの関係も有効活用する。ロシュの医薬品研究・早期開発部門はオルガノイド研究の第一人者であるハンス・クレヴァース氏が責任者で、脳や腎臓など様々な領域に取り組む。定期的に意見交換し、技術移管も受けているようだ。

オルガノイドの実用化に向けてスタートアップも続々登場しているのだとか。東大発のジックサックバイオエンジニアリングはヒトの神経再現に取り組み、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの希少疾患の治療に役立てる。京大発のリジェネフロは腎臓オルガノイドの作製技術を強みに再生医療での活用を目指している。


③実用化研究に課題在り

素晴らしい技術だが、発展に向けた課題もいくつかある。現在大量作製に成功しているオルガノイドは、臓器の内血管や神経が通っていない比較的再現しやすい部分にとどまっている。

そうした複雑な部分の作製には最長で数カ月かかるケースがある他、「臓器その物」の作製は現時点では不可能だそうだ。再生医療としての活用もまだ初歩の段階で、「まだ10年はかかるだろう」という国内製薬大手の研究幹部の見解もあるようだ。

製薬会社がオルガノイドの研究を急ぐ背景には、創薬技術の複雑化などで医薬品の開発コストが年々上昇していることがある。デトロイトトーマツグループによると、新薬1つ辺りにかかる平均開発費用は、23年は約22億ドル(約3300億円)と13年(約12億ドル)から約8割増加した。一方で医薬品の平均ピーク時売り上げは23年で約3億6000万ドルと13年(約5億2000万ドル)から約3割減少している。

背景には患者数が多い慢性疾患領域はすでに既存薬が充実していることがあるのだとか。同社パートナーの大川康広氏は「新薬開発は希少疾患と特定の患者を対象としたものにシフトし、大型化しにくくなっている」と指摘する。オルガノイドの実用化はコスト増と売り上げ減の打開策となる可能性があるが、オルガノイドの開発は米欧や中国を中心に加速しており、日本は大きく後れを取っている。応用面の特許も米国だけでなく、中国企業も積極的に取りに行っている。日本が巻き返すためには、創薬の研究だけではなく、いち早い臨床応用や特許戦略を官民を挙げて推し進める必要があるようだ。


感想とまとめ

このニュースを読んだ時とても衝撃を受けました。この技術の研究が進めば息子が患っている「C3腎症」にも効果があるのではないかと期待ができたのです。まだまだ10年くらいかかるという事ですが、AIが発達したように、文明は突然急速に動き出すことがあります。ここ10年以内には完成するだろうと予測するとこんなに嬉しいことはありません。今後もオルガノイドについては調べていきたいと思いますし、京大の研究結果や論文などの内容もまとめてみようと思います。

日本の技術は他国に勝るものがありますし、GDPも回復傾向にある今日本人の底時からが目立つ年になると思います。このまま進み続け経済成長の歩みを止めない目立つ日本になってほしい限りです。

息子の病気が良くなること、世の中の腎臓病で悩む人やその家族たちに良い報告が出来るように私自身も書き続けますので、どうか応援の意味も込めて「いいねとフォロー」を宜しくお願い致します。

お時間がございましたら下記の記事もご覧ください。


参考:https://ruo.mbl.co.jp/organoid/overview/

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