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iPS治療を先進医療へ。1月にも申請か。認められれば網膜の細胞を患者へ。

iPS治療を先進医療へ。1月にも申請か。認められれば網膜の細胞を患者へ。


先進医療の対象へ

神戸アイセンター病院が、iPS細胞から作った網膜の細胞を患者に移植する治療法について、医療費の一部が公的な保険で補助される「先進医療」の対象とするよう厚生労働省に申請することが12月5日に分かった。2025年1月現在にも申請する予定で、認められればiPS細胞を使う治療としては初めてとなる。

同病院の栗本康夫院長らの研究グループは、視覚障害が出る「網膜色素上皮不完全症」の患者にiPS細胞から作った網膜を移植する治療の開発を進めてきた。網膜色素上皮不完全症は強い近視や加齢によるストレス、遺伝子異常などにより目の細胞が働かなくなるよいう問題があるからだ。

最初の手術は14年9月に行われ、iPS細胞から作った組織を使った臨床手術としては世界初の事例だった。

これまでに三人の患者を治療し、見え方が改善した人もいるという。研究グループは国の厚生科学審議会の部会にこの結果を提出している。部会で了承されれば25年の1月にも先進医療への指定を申請するようだ。

先進医療は検査や入院などの通常の医療と共通する部分に公的保険が使える仕組みで、先進医療部分は公的保険が利かないのだとか。


iPS細胞とは?初心者にも分かりやすく解説

近年、医学や生物学の分野で話題となっている「iPS細胞」。名前は聞いたことがあっても、具体的にどのようなものなのか分からないという方も多いのではないでしょうか?本記事では、iPS細胞について初心者向けに分かりやすく解説します。


iPS細胞とは?

iPS細胞(Induced Pluripotent Stem Cells:人工多能性幹細胞)は、体のさまざまな細胞に変化する能力を持つ細胞です。この細胞の発見により、再生医療や薬の開発が大きく進展しています。

通常、細胞は特定の役割を持っており、一度決まると他の種類の細胞にはなれません。しかし、iPS細胞は、一度分化した細胞を「初期化」し、再び多様な細胞に変化できる状態に戻すことができます。

例えば、皮膚の細胞からiPS細胞を作り、それを心臓や肝臓の細胞に変えることが可能です。この技術は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授の研究によって2006年に初めて発表されました。


iPS細胞のメリットと可能性

iPS細胞は、その特性から多くのメリットと可能性を秘めています。

1. 再生医療への応用

損傷した臓器や組織を修復するために、患者自身の細胞から作られたiPS細胞を利用することが期待されています。例えば、神経細胞を失ったパーキンソン病の患者に、新しい神経細胞を移植する治療が研究されています。

2. 移植医療の課題解決

iPS細胞は患者自身の細胞から作ることができるため、従来の臓器移植で懸念される拒絶反応を回避できる可能性があります。

3. 新薬の開発

iPS細胞を利用して、病気のメカニズムを研究したり、新しい薬の効果や安全性を試すことが可能です。これにより、動物実験に頼らない薬の開発が進むと期待されています。


iPS細胞の課題と現状

1. がん化のリスク

iPS細胞を使用する際、一部の細胞ががん細胞に変わる可能性があります。このリスクを完全に排除する方法が現在も研究されています。

2. コストと技術の壁

iPS細胞の作製や応用には高度な技術が必要であり、コストも高いという課題があります。しかし、これらの問題を解決するための研究が進行中です。

3. 倫理的な問題

胚性幹細胞(ES細胞)と異なり、iPS細胞は受精卵を使用しないため倫理的な問題は少ないとされていますが、使用目的や技術の応用範囲には議論が残っています。


iPS細胞の将来展望

iPS細胞の研究は、日々進化を続けています。将来的には、以下のようなシナリオが期待されています。

  • 個別化医療の実現:患者ごとにオーダーメイドの治療法を提供できる。

  • 難病の克服:これまで治療法がなかった病気にも対応可能に。

  • 産業への応用:化粧品や食品分野でもiPS細胞の利用が進む可能性。

また、現在はコストが高いとされるiPS細胞技術も、大量生産技術や新しい研究成果によって、より手軽に利用できる未来が期待されています。


まとめ

iPS細胞は、医療や科学の分野に革命をもたらす可能性を秘めた画期的な技術です。その応用範囲は広く、再生医療、新薬開発、難病治療など、多くの分野で活躍が期待されています。一方で、まだ課題も多く、技術やコストの壁を乗り越えるための研究が進められています。

これからの医療を支える柱となるiPS細胞について、ぜひ注目してみてください!


感想

今回の記事もいかがだったでしょうか。iPS細胞が話題としては当たり前になりつつある昨今。その効果についての素晴らしさが薄れてきていませんでしょうか。iPS細胞の研究はまだまだ序盤です。これからの未来に相当な期待ができる研究対象なんです。慢性腎臓病であったり、その他の治らないと言われていた病気に対して効果を発揮してくれることを考えると、明るい未来を容易に考えることができます。

腎臓は一度欠損したら修復しないなどと言われていますが、移植が必要な臓器に対してiPS細胞がどのようなアプローチをしていくのか今後も注目していきます。

ここまで読んで頂きありがとうございます。よろしければフォローといいねをよろしくお願い致します。

お時間ございましたら下記の記事もぜひご覧ください。


参考:

https://www.asahi.com/articles/ASR8W4SVLR88UTFL01Q.html

https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/episode/te/R77Q222JP7/


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