ふくらはぎから中身が出ちゃった。6日間昼夜寝ずに仕事をした結果、60キロでトラックに衝突した男の話。
著者の友人の話。
なぜか何度事故を起こしても死なない男がいる。その彼とは厳密に言うと小学生からの付き合いなのだが、自転車に乗っている時から事故が多いこと。原付に乗るようになり、フェンダーが足に刺さる。買ったばかりの車も廃車。何度も病院のお世話になっていた。だが乗らない選択肢がなかった。なぜなら田舎だから。
そんな彼(彼のことはT君と表記します)につい最近会った時、この衝撃的な話しを聞いた。初めは「またかよ」なんて思っていたが、あまりにもその内容が濃かった。
T君はその日、6連勤目の仕事に向かう途中だった。昼夜寝てないT君は6連勤目の出勤中の朝、原付に乗り睡魔と戦っていたのだそう。冬だったため、時には太ももをつねり、時にはヘルメットのシールドを開け目を冷ましていたのだとか。
睡魔と戦うT君、少しすると、ある異変を感じる。
『なんか暗いぞ』
なんとT君、眠ってしまっていた。
ヤバいと思い目を開いたそうなのだが、もう遅く、目の前には箱付きのトラック、アクセルはフルスロットルで60キロを指している。箱付きのトラックの荷台は観音式で、ドアロックの棒がこちらを向いていたそう。
『このままだと腹に棒が刺さって死ぬ。』
追突する瞬間、考える余裕はあったそうで、瞬間的に事故による損失を考え、まずバイクがなくなる、相手の車を傷付けたら保証代がかかっちゃうかもしれない。会社にいけなくなる。嫁に怒られる。瞬時に沢山の思考が頭を巡ったそう。
そしてぶつかる直前、
「やらかしたー!!!!」
《ドーーーーーン!!!》
と叫びながら、棒を避けないとと判断しトラック荷台の右側に衝突。
トラックに衝突した衝撃で、バンパーをスネで曲げ、そのバンパーとバイクが足を挟み、ふくらはぎの皮膚が開放、筋肉と脂肪が飛び出してしまったのだとか。真ん中だったら確実に死んでいたと本人は語っていた。そしてもし、箱トラックの荷台の扉が閉まっていたら、ペシャンコになって即死だったそう。
空いていた扉、瞬時に棒を避ける判断をしたことにより、トラックの荷台に上半身を逃がせたのだとか。フルフェイスヘルメットは荷台の奥まで吹っ飛ぶもなんとか体を起こすと、自分の足で歩き自分で救急車を呼んだそう。
ふくらはぎが開放し、筋肉と脂肪が飛び出してしまった以外は、骨折などもなかったのだとか。病院で先生にこっ酷く怒られ8針縫う手術。こんなに頑丈な友人だが、いつか関係のない人を巻き込む事故を起こすのではと思い、より一層運転には注意し、無理をしないように促した。
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