闇バイト、受け子詐欺男の報酬は10万円。収容までの過程で、何枚ものCDを擦り合わせ精神崩壊寸前。刑務所内でいじめを受けるが、出所までにはいじめのない房へ。【インタビュー】
闇バイト受け子詐欺男の報酬は10万円。収容までの過程で、何枚ものCDを擦り合わせ精神崩壊。刑務所内でいじめを受けるが、出所までにはいじめのない房へ。【インタビュー】
【受け子で2年間を棒に振った男にインタビュー】
Aさん(受け子男をAさんと記載)が逮捕された現場は、某駅前。被害者からお金の入ってるであろう封筒を受け取った直後、警察官に手を掴まれ手錠をかけられたのだそう。そのまま連行され、約2年間。刑務所の中では、早々にいじめを受けたが、出所する頃には房からいじめを完全になくし出所したのだとか。今回は、普通の生活をしていたら体験することのない「逮捕から檻の中、出所まで」をインタビューしてきました。
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【詐欺の受け子】
詐欺の「受け子」とは、詐欺グループの中で、被害者から現金やキャッシュカードなどを直接受け取る役割を担う人物のことです。特殊詐欺(振り込め詐欺やオレオレ詐欺など)において、主犯が電話やメッセージで被害者を騙し、その後、受け子が実際に現金や物品を受け取りに行きます。受け子は詐欺の実行役であるため、捕まった場合には詐欺罪で厳しい処罰を受けることがあります。
「受け子」の報酬は、詐欺グループや詐欺の規模によって異なりますが、一般的に1回の仕事で数万円から多い場合で数十万円が支払われることがあります。ただし、受け子は詐欺の実行役であり、捕まるリスクが高い割に、主犯と比べて報酬は少ないことが多いです。詐欺グループは若者や困窮している人をターゲットにし、「簡単な仕事」「すぐに現金が手に入る」などと誘って受け子を勧誘するケースが多いです。
今回インタビューした男性(31歳)は、地元の先輩たちに誘われ受け子として詐欺に加担したのだとか。報酬金額は10万円。受け子を行う前日「明日、日当10万の仕事やりにいくんだよね」と別の友人に電話をしたのだとか。まさか受け子をやるとは思っていない友人からは「危ない仕事じゃないの?気を付けてね」とだけ伝えられたのだそうです。
【インタビュー①逮捕までの流れ】
SG:「こんにちは」
Aさん:「どうも」
SG:「Aさんが入っていたのって川越刑務所でしたっけ?」
Aさん:「川越少年刑務所です」
SG:「川越少年刑務所ですね。今回は事件の経緯をお伺いしたいなと思いまして」
Aさん:「いいですよ」
SG:「Aさんは、何歳の時、なにをして捕まったんでしたっけ」
Aさん:「24歳の時です。詐欺ですね。といっても受け子ですが…」
SG:「受け子って随分リスクのあることだと思うのですが、なぜ受け子をやろうと思ったんですか?」
Aさん:「なぜと言われると分からないですけど、友達から紹介された仕事だったんです。お金にも困ってましたし、まあ失敗しなきゃいいかなって軽い気持ちで」
SG:「なるほど…。捕まった時はどんな感じだったんですか?」
Aさん:「捕まる時は、あっという間でしたよ。おばあちゃんをなんとか駅前まで呼ぶことに成功したんですけど、封筒を受け取った直後腕を掴まれたんですもん。たぶん…たぶんというか絶対に俺が受け子だって知ってたんでしょうね」
SG:「いきなり腕を掴まれたんですか?」
Aさん:「はい。心臓が止まるかと思いました」
SG:「抵抗しました?」
Aさん:「してません。抵抗しても無駄だろうなと思ったので」
Aさん:「警察官に『おまえやったな。逮捕だ』って言われて手錠を掛けられ、そのまま車に乗せられました」
SG:「まあ、そうなりますよね…」
Aさん:「そして連れて行かれた先は、そこの管轄の警察署内の留置所でした」
【インタビュー②ある意味拷問的な尋問】
Aさん:「そこで尋問されたのですが、余罪がないかや、周りの人間関係なんかを物凄く聞かれました。ここらへんを探るのに、凄い期間が掛かるんです」
SG:「そうなんですね」
Aさん:「俺の場合この期間中、何日に一回は裁判所に行かなくてはいけなくて…」
SG:「なぜ何回も裁判所に行ったのですか?」
Aさん:「俺の拘留を延長する申請を警察署が出してたみたいです。裁判所から許可が出れば拘留は延長されます」
SG:「許可が出されると延長って…下手したら相当長い間その場にいることになりますよね」
Aさん:「そうです。その後、勾留期間が延びて延びて延びて、何回延びたのか分からなくなった時点では、半年も経ってました」
SG:「半年も!?」
Aさん:「その間、髪も伸びっぱなしで大変でしたよ。肩に掛かるくらい伸びてましたもん」
Aさん:「捕まった時はコンタクトだったんですけど、眼鏡を持っていなくて裸眼で生活してました」
SG:「裸眼で?ということは、ほとんど見えてなかったんじゃないですか?」
Aさん:「なにも見えてませんでしたよ(笑)」
SG:「ご飯は、どうしてたんですか?」
Aさん:「15×20くらいの大きさの弁当箱に、おかずは別の平皿で出てきました。弁当箱の蓋を開けると、まずはじめに底が見えてたんですよ」
SG:「底が?」
Aさん:「はい、底が見える密度でしか米が入ってないんですよ。変にぬるくて、おかずも漬物と小さな魚の切り身みたいので、なんだか気持ち悪かったです」
SG:「これが6ヶ月続いたんですね…壮絶ですね」
SG:「まあ、でも悪いことしてますもんね…」
Aさん:「そうなんですよね…言える立場ではないんですけどね…」
SG:「酷い仕打ちだとは思いますが、Aさんもやることやってしまってますから、仕方ないことですよね」
Aさん:「はい…。煙草なんかは、もう吸えないものだ分かっていたので諦められたんですが、ひもじい食事は正直キツかったです」
Aさん:「その後、長い半年間が終わり裁判があって、判決が下ったんです」
SG:「長かったですね」
Aさん:「はい。そして拘置所にバスで向かいました。あの青いやつです」
SG:「ああ、あの青い警察車両ですよね。網がついてるやつ」
Aさん:「それですそれ。拘置所に出る時は手錠だけじゃなく、保護具みたいなのを着けられるんです。腕は動かせるんですけど、散歩のリードみたいなものでしたね。刑務官がその紐を握っていました」
SG:「手錠だけだと不安ですもんね」
Aさん:「拘置所に到着すると、どこの刑務所に行くのかの選別が始まりました」
SG:「選別というと?」
Aさん:「面接みたいなものでした。沢山の面接をしましたね。既に刑が執行されているので、面接がないときは作業をしなくてはいけなかったんですけど。この作業がヤバくて…」
SG:「ヤバい?」
Aさん:「これも選別の一つだと思うのですが、わけのわからない作業をやらされました」
Aさん:「CD…いやDVDですね。表面が白くて、裏面が反射しているDVDディスクを二枚擦り合わせて、『反射している面をツルツルにしろ』って言われたんです」
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