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前提条件の確認って大切。

こんにちは、FPおたまです。

少し前に女性個人事業主向けのセミナー資料を作っていたところ、思わぬ壁にぶち当たりました。

会社にお勤めの人の多くは厚生年金保険料を払われている(国民年金第2号被保険者)かと思いますが、個人事業主(主に国民年金第1号被保険者)にはその概念がありません。払わなくていいからラッキー!というわけではなく、その分、万が一の保障や老後の年金額が少なくなっています。
特に女性は、一般的に男性よりも長生きする可能性が高いです。夫が先立った場合は遺族年金を受給できるケースが多いかとは思いますが、自身の老後の保障もなるべく充実させておきたいところです。そこで個人年金基金・小規模企業共済・個人型確定拠出年金(iDeCo)といった制度のご紹介と、それぞれの制度を活用した場合のシミュレーション結果と節税額をセミナーのスライドに掲載することにしました。

シミュレーション結果は、各制度のWEBサイトに掲載されているものを利用しました。下記、ご参考までに。
個人年金基金シミュレーション
小規模企業共済シミュレーション
個人型確定拠出年金シミュレーション

シミュレーション結果には加入前後での節税額も出てくるのですが、なんとなく違和感を覚え、電卓をたたいてみたところ…
計算が合わん!!WHY!!
電卓だけでは心もとないので、Excelまで引っ張ってきて計算し直すことにしました。結果、わかったのは以下のことでした。

国民年金基金のシミュレーション結果に表れる1カ月あたりの節税額
 【掛金月額×12ヵ月×合計税率】
 合計税率=所得税+復興特別所得税+住民税
 所得税…加入前の課税所得に掛かっていた税率
 住民税…所得割(10%)
小規模企業共済のシミュレーション結果に表れる1カ月あたりの節税額
 【(加入前の課税所得×合計税率)-(加入前の課税所得から掛金年額を差し引きした金額×合計税率)】
 合計税率=所得税+復興特別所得税+住民税
 所得税…加入後の税率は、加入前の課税所得から掛金を所得控除として差し引いた金額に該当するもの
 住民税…所得割(10%)+均等割5,000円
個人型確定拠出年金のシミュレーション結果に表れる1カ月の節税額
 【(掛金月額×12ヵ月×所得税)+(掛金月額×12ヵ月×住民税)】
 所得税…加入前の課税所得に掛かっていた税率
 住民税…所得割(10%)

性質上、単純に比較できるものでもないというご意見もあるかもしれません。まあ、そもそも概算と書いてあるし(というか小さく前提条件が書かれているものもあるし)、管理・運営している機関も異なるので、シミュレーション結果が違うのは当然なんですけどもね。
ただ、復興特別所得税を含む・含まない、住民税の均等割を含む・含まないなど、サイトによって前提条件がかなり違うということがわかり、公式のシミュレーション結果だからと鵜呑みにして比べるのは要注意、と勉強になりました。

昨今、SNSやYoutubeでいろいろな情報が流れていますが、そうしたものにも前提条件があるように思います。例えば「保険はいらない」論。
貯蓄が十分なら医療保険はいらないかもしれませんが、貯蓄が十分にありすぎたら今度は相続の意味でも終身保険などへの加入を検討した方がいい場合があります。
人それぞれ価値観が違うように、置かれた状況・環境で前提条件も変わってきます。情報を鵜呑みにするのではなく「そういう意見もあるんだな」→「じゃあ自分はどうすればいいかな」と一呼吸おいて考えられたらいいですよね。


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